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ボリビア (多民族国家)のレモン・ライム生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによれば、ボリビアのレモン・ライムの生産量は1961年の14,000トンから持続的に増加し、1980年代には55,000トンを超える水準に達しました。しかし、2004年に急激な減少が見られた後は、再び緩やかに回復し、直近の2023年には32,718トンとなっています。この半世紀にわたる生産傾向を分析すると、大幅な変動がありながらも、近年は停滞傾向が見られることが分かります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 32,718
0.27% ↑
2022年 32,628
0.17% ↑
2021年 32,572
0.06% ↑
2020年 32,551
-0.71% ↓
2019年 32,783
0.92% ↑
2018年 32,484
-0.81% ↓
2017年 32,751
1.43% ↑
2016年 32,288
0.19% ↑
2015年 32,226
1.46% ↑
2014年 31,762
26.13% ↑
2013年 25,182
5.16% ↑
2012年 23,946
8.06% ↑
2011年 22,160
5.21% ↑
2010年 21,064
16.77% ↑
2009年 18,039
-36.4% ↓
2008年 28,363
1.23% ↑
2007年 28,017
1.33% ↑
2006年 27,650
2.5% ↑
2005年 26,976
2.17% ↑
2004年 26,402
-58.62% ↓
2003年 63,800
-0.05% ↓
2002年 63,830
-0.27% ↓
2001年 64,000
0.55% ↑
2000年 63,650
1.03% ↑
1999年 63,000
1.45% ↑
1998年 62,100
0.24% ↑
1997年 61,950
1.64% ↑
1996年 60,950
1.41% ↑
1995年 60,100
1.86% ↑
1994年 59,000
1.03% ↑
1993年 58,400
5.8% ↑
1992年 55,200
-7.27% ↓
1991年 59,530
3.03% ↑
1990年 57,780
3.22% ↑
1989年 55,980
1.78% ↑
1988年 55,000
3.03% ↑
1987年 53,383
2.28% ↑
1986年 52,194
3.07% ↑
1985年 50,641
9.83% ↑
1984年 46,108
18.68% ↑
1983年 38,851
-13.72% ↓
1982年 45,027
-0.23% ↓
1981年 45,130
-3.05% ↓
1980年 46,550
11.03% ↑
1979年 41,925
20.68% ↑
1978年 34,740
42.38% ↑
1977年 24,400
0.41% ↑
1976年 24,300
0.21% ↑
1975年 24,250
2.49% ↑
1974年 23,660
5.02% ↑
1973年 22,530
10.99% ↑
1972年 20,300
6.84% ↑
1971年 19,000
7.95% ↑
1970年 17,600
11.53% ↑
1969年 15,780
-9.83% ↓
1968年 17,500
3.55% ↑
1967年 16,900
3.05% ↑
1966年 16,400
2.5% ↑
1965年 16,000
6.67% ↑
1964年 15,000 -
1963年 15,000 -
1962年 15,000
7.14% ↑
1961年 14,000 -

ボリビアのレモン・ライム生産量の推移を長期的に観察すると、いくつかの特筆すべきポイントが浮かび上がります。1960年代から1980年代にかけて、生産量は一貫して増加しており、これはおそらく農業技術の進展と国内需要の拡大が相まって実現したものと考えられます。特に1978年から1980年にかけての急上昇は、国内外市場への供給能力の強化や、輸出に有利な政策的支援が背景にあった可能性があります。一方で、それ以降の時期には減少や停滞の兆候が見られる場面もあり、特に2004年の26,402トンという急激な減少は、異常気象や政策的な問題による影響が疑われます。

近年の生産量は2023年時点で32,718トンとなっており、一見すると安定しているように見えます。しかし、ピーク時と比較して大幅に減少しており、これは農地の縮小や気候変動、国際競争の激化が与える影響の可能性を示唆しています。特に北米やヨーロッパ市場に視点を置くと、メキシコやインドが強力な供給国として存在しているため、ボリビア産の競争力が課題となっています。

さらに、地政学的リスクや自然災害の影響も無視できません。ボリビアはアンデス山脈の近隣地域に位置し、気候条件が多様であるものの、異常気象による作物の減収のリスクが存在します。また、国内のインフラ未整備や社会不安が輸出体制に支障をきたす可能性も、長期的な視点での懸念材料です。

地域レベルの課題として、農地の最適な利用と気候変動への適応能力の向上が挙げられます。例えば、灌漑の効率化や耐性の強い品種の開発が鍵となるでしょう。また、国際貿易を通じた市場の多様化も重要です。中国やアジア諸国への輸出強化は、ボリビアにとって新たな経済的チャンスをもたらすかもしれません。同時に、政府レベルでは農家への技術支援や安定的な価格保証の仕組みを整備する必要があります。

今後の展望として、持続可能な農業の実現は喫緊の課題です。具体的には、小規模農家向けの資金支援や、気候変動に対応した包括的農業政策が求められます。さらに、サプライチェーンの改善による輸出増加や、高付加価値商品の開発による国内外市場でのプレゼンス向上が期待されています。

ボリビアがこれからもレモン・ライム産業の発展を目指すには、地場産業における技術革新や国際協力の強化、自国での消費喚起も重要な側面となるでしょう。このような取り組みを通じて、ボリビアの生産者がより安定した収入を得られるだけでなく、国際市場での競争力を取り戻すことができると考えられます。