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ボリビア (多民族国家)のエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、ボリビアのエンドウ豆(生)の生産量は1961年から2023年にかけて大きな変動を見せています。特に1970年代半ばや1980年代初期には急激な増減が観察されましたが、1990年代以降から現在に至るまでの生産量は比較的安定しています。1961年の6,300トンという低い生産量から、最新である2023年には20,802トンへと増加しましたが、ピークとなった1976年の29,610トンに比べると減少傾向にあります。一方、近年の生産傾向を見ると、年間20,000トン以上という安定的な水準を維持しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 20,802
-7.55% ↓
2022年 22,501
1.37% ↑
2021年 22,196
-0.48% ↓
2020年 22,302
2.15% ↑
2019年 21,832
0.84% ↑
2018年 21,649
0.73% ↑
2017年 21,493
-4.97% ↓
2016年 22,617
-0.1% ↓
2015年 22,639
1.16% ↑
2014年 22,380
18.46% ↑
2013年 18,892
-5.14% ↓
2012年 19,915
-10.8% ↓
2011年 22,325
3.49% ↑
2010年 21,572
-15.31% ↓
2009年 25,473
2.3% ↑
2008年 24,900
-0.36% ↓
2007年 24,990
-0.12% ↓
2006年 25,021
-0.6% ↓
2005年 25,173
3.16% ↑
2004年 24,403
3.13% ↑
2003年 23,662
3.17% ↑
2002年 22,935
4.94% ↑
2001年 21,855
1.4% ↑
2000年 21,554
11.55% ↑
1999年 19,322
15.5% ↑
1998年 16,729
-14.21% ↓
1997年 19,501
12.47% ↑
1996年 17,339
5.62% ↑
1995年 16,417
-0.59% ↓
1994年 16,514
11.06% ↑
1993年 14,870
1.84% ↑
1992年 14,601
-16.95% ↓
1991年 17,582
-3.89% ↓
1990年 18,293
9.46% ↑
1989年 16,712
-20.42% ↓
1988年 21,000
7.14% ↑
1987年 19,600
-6.15% ↓
1986年 20,885
4.44% ↑
1985年 19,998
12.77% ↑
1984年 17,733
80.21% ↑
1983年 9,840
-61.95% ↓
1982年 25,862
15.17% ↑
1981年 22,455
13.32% ↑
1980年 19,815
-4.92% ↓
1979年 20,840
-11.17% ↓
1978年 23,460
-0.47% ↓
1977年 23,570
-20.4% ↓
1976年 29,610
108.52% ↑
1975年 14,200
2.38% ↑
1974年 13,870
1.99% ↑
1973年 13,600
13.22% ↑
1972年 12,012
60.16% ↑
1971年 7,500
10.29% ↑
1970年 6,800 -
1969年 6,800 -
1968年 6,800
1.49% ↑
1967年 6,700
1.52% ↑
1966年 6,600
1.54% ↑
1965年 6,500
1.56% ↑
1964年 6,400
1.59% ↑
1963年 6,300
1.61% ↑
1962年 6,200
-1.59% ↓
1961年 6,300 -

ボリビアは多民族国家であり、その農業部門は国内経済と食料安全保障にとって重要な役割を担っています。エンドウ豆は、その土地の条件に適応しつつ、栄養価が高い作物として重視されています。このデータからは、約60年間にわたるボリビアのエンドウ豆生産の歴史を追うことができます。

1960年代は生産量が6,000トン台で推移しており、増加のペースは緩やかでした。しかし1970年代に入り、エンドウ豆の生産量は大幅に増加し、特に1976年に約29,610トンというピークを記録しました。これは食料需要の増加や農業技術の進歩、また農業政策の影響によるものと考えられます。しかし、その後、1977年以降の数年間で生産量が急落し、1983年には一時的に9,840トンまで減少しました。このような急激な減少は、干ばつや洪水などの自然災害、あるいは政情不安やインフラ不足が要因と推測されます。

1990年代から2020年代にかけて、エンドウ豆生産量は安定した水準を保ち、特に年間20,000トン以上を維持している点が注目されます。これには農業技術の改善や種子改良、また灌漑施設の整備などが寄与していると考えられます。しかし、この数年間を見ると、2023年の20,802トンというデータは、2022年の22,501トンから約1,700トンの減少を示しています。これは、気候変動による干ばつや降水パターンの変化、さらに農地の劣化などが影響している可能性があります。

エンドウ豆の生産は、ボリビア国内の食料消費のほか、周辺諸国や国際市場への輸出品としても重要であるため、今後の増産が課題と言えます。特に近隣の農業大国であるブラジルやアルゼンチンと比較すると、大規模な農業技術の導入や輸出基盤の整備で遅れを取っている状況が浮き彫りになります。この遅れを解消し、地域経済を活性化するためには、国家レベルでの農業政策の改善が必要です。

まず、輸出市場の拡大を視野に入れた「農産物流通システム」の構築が効果的です。具体的には、国際基準に基づく品質管理システムの導入や、中南米諸国との貿易協定強化が挙げられます。また、気候変動に対するレジリエントな農業の実現が不可欠です。これには、耐乾燥性エンドウ豆品種の開発や水資源管理の向上が含まれます。

さらに、エンドウ豆生産の地域別分析を進めることも重要です。農業従事者の教育や技術指導を進めるだけでなく、農業機械や肥料の普及も進めることで、持続可能な生産量を維持することが可能になります。この取り組みはボリビア内だけでなく、ラテンアメリカ全体の食料安全保障にも貢献するでしょう。

ボリビアにおけるエンドウ豆生産は、当地の地政学的条件や経済状況に強く影響されています。このため、農産物生産における紛争リスクや気候災害の影響を最小限に抑える政策を策定することが重要です。長期的には、国際機関と連携した技術支援や資金援助も必要不可欠です。

最終的に、国内生産の安定と輸出市場の拡大を両立させることにより、ボリビアはエンドウ豆生産における重要なグローバルプレイヤーとしての地位を確立することが期待されます。そのためには、政府、地元農家、そして国際社会が協力して課題解決に取り組むことが求められています。

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