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FAO「国際連合食糧農業機関」・最新版
2024年のパイナップル生産は、コスタリカ、フィリピン、インドネシアの上位3か国がいずれも年間約270万〜312万トン規模で競り合い、世界の供給を強くけん引している構図です。日本は6,472トンで58位に位置し、上位国とは桁違いの差があり、国内生産は「国際市場の調達環境」に左右されやすい立場にあります。地域的には中南米と東南アジア、そしてアフリカの複数国が厚みを持って並び、気候条件と輸出産業の育成度合いが生産規模を左右していることが読み取れます。
1961年から2024年までの年度別ランキングを確認できます。
1961年から2024年までの世界のパイナップル生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
1961年から2024年までの世界のパイナップル生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
このランキングは、各国のパイナップルの年間生産量(収穫された量をトンで集計した指標)を比較するもので、世界の食料供給や農産物貿易の「供給側の実力」と、気候変動や物流障害が起きたときにどこが影響を受けやすいかを把握する目的で活用されます。2024年は、首位コスタリカが3,118,093トン、2位フィリピンが2,919,940トンで差は198,153トンにとどまり、上位の競争が非常に拮抗しています。一方で、1位コスタリカと5位中国(2,145,780トン)の差は972,313トン、1位と10位コロンビア(910,265トン)の差は2,207,828トンに広がり、上位数か国が“頭ひとつ抜けて大きい”供給構造であることも示しています。日本は6,472トンで、例えばアメリカ合衆国(168,183トン)との差は161,711トン、フィリピンとの差は2,913,468トンに達し、国内生産の位置づけは「自給」というより「地域ブランドや観光・加工向けの特色」を重ねていく領域に近いと言えます。なお大韓民国は957トンで77位であり、東アジアの温帯地域では、露地中心の大規模生産が気候的に難しく、輸入依存の食市場になりやすい傾向も読み取れます。
地域別に見ると、中南米ではコスタリカ、ブラジル、メキシコ、コロンビア、ペルーなどが目立ち、太平洋・大西洋の港湾と結びついた輸出型の農業が成立しやすい点が強みです。東南アジアではフィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシアが並び、加工(缶詰やジュース)も含めたサプライチェーンの厚みが生産量に反映されます。アフリカはナイジェリア(1,611,661トン)を筆頭に、ガーナ、ベナン、タンザニア、ケニア、コンゴ民主共和国など裾野が広い一方、灌漑、冷蔵・選果、道路・港の整備といった基盤投資の不足が、付加価値の高い輸出拡大を妨げやすい課題として残ります。ここでいう基盤投資は、GDP(国内総生産。国の経済規模を示す指標)とも関係が深く、経済規模が大きい国ほど、物流・電力・品質管理に投資しやすいという構造が背景にあります。
今後の最大のリスクは、気候変動と病害、そして物流・地政学要因が同時に起きる「複合ショック」です。パイナップルは高温多湿に適応しやすい作物ですが、極端な豪雨や干ばつ、台風の強大化は、単収低下だけでなく、収穫・輸送の中断、果実品質のばらつきを招きます。特に東南アジアは台風や豪雨の影響を受けやすく、フィリピンやタイの生産・港湾機能が一時的に滞ると、日本を含むアジアの輸入市場で調達コストが上がりやすくなります。中南米でも、主要航路やパナマ運河周辺の渇水・通航制限が起きると輸送日数とコストが増え、鮮果だけでなく加工原料の価格にも波及します。地政学的には、海上交通の不安定化や制裁・通関強化が起きた場合、特定地域に依存した調達はリスクが増幅します。紛争そのものが主要生産地を直撃しなくても、燃料価格や海上保険料の上昇という形で、農産物の輸送コストを押し上げ、結果として食料価格の変動を大きくする可能性があります。
こうした環境で、各国と国際機関が取り得る対策は、単に生産量を増やすことではなく、供給を「止めない」設計へ移行することです。生産国側では、耐病性・耐乾性に配慮した品種改良、圃場の排水改良や点滴灌漑の導入、台風・豪雨後の復旧を早める農道・集荷拠点の整備が、最も効果が出やすい現実的な手段です。加えて、加工比率を高めて生鮮に偏りすぎない輸出構造にすると、天候で外観品質が揺れた年でも原料として吸収でき、所得の安定につながります。アフリカの新興生産国では、病害虫管理の普及、コールドチェーン(低温物流)と検疫体制の整備、農家金融や保険の拡充が重要で、これらは国際開発銀行やFAOなどが支援しやすい領域です。新型コロナの経験が示した通り、人の移動・物流が滞ると生鮮供給は急に細りやすいため、平時から加工・在庫・代替航路を含む冗長性を持つことが、危機耐性を高めます。
日本の視点では、国内生産を短期に大幅拡大するより、調達先の分散と品質・用途の棲み分けが現実的です。輸入については、上位国への過度な依存を避け、東南アジアと中南米、さらにアフリカの成長国も含めた複線化を進めることが、価格変動と供給途絶のリスクを下げます。国内では、沖縄など既存産地の病害対策、優良苗の供給、台風対策型の栽培施設や排水改良に投資し、「量」ではなく「安定供給と高付加価値」に軸を置くべきです。加工業者や小売も、規格外品の活用や加工用途の拡大を進めることで、気象リスクの年でも供給の目詰まりを緩和できます。
結論として、2024年のランキングは、コスタリカ、フィリピン、インドネシアといった上位国が世界供給の中心を担い、その他地域が厚みを加える一方で、輸送・気候・地政学リスクにより「一部の供給ショックが世界価格に波及しやすい」構造を示しています。今後は、生産国では気候適応型の農業投資と加工・物流の強靭化、輸入国である日本では調達先の多角化と国内産地の防災・病害対策を組み合わせることが、パイナップルの安定供給と価格安定に直結します。国際機関は、気候リスク評価、病害監視、コールドチェーン整備、農業保険の普及といった“止まらない供給網”づくりに重点を置き、国境を越えた協力枠組みを強化することが求められます。なお、提供データにはアンゴラやオーストラリア、アルゼンチン、アンティグア・バーブーダが重複掲載されているため、ランキング掲載時には集計・表記の確認を行うと、統計の信頼性がより高まります。
パイナップル生産量の上位国を横棒グラフで比較できます。
順位、国名、パイナップル生産量、地域、関連指標を比較できます。
| 順位 | 国・地域 | パイナップル生産量 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 1 | 3,118,093トン | 南アメリカ | |
| 2 | 2,919,940トン | アジア | |
| 3 | 2,740,601トン | アジア | |
| 4 | 2,223,204トン | 南アメリカ | |
| 5 | 2,145,780トン | アジア | |
| 6 | 1,733,499トン | アジア | |
| 7 | 1,611,661トン | アフリカ | |
| 8 | 1,292,645トン | 南アメリカ | |
| 9 | 1,092,211トン | アジア | |
| 10 | 910,265トン | 南アメリカ | |
| 11 | 809,041トン | アフリカ | |
| 12 | 809,041トン | アフリカ | |
| 13 | 806,529トン | アジア | |
| 14 | 695,235トン | アフリカ | |
| 15 | 630,000トン | 南アメリカ | |
| 16 | 585,409トン | 南アメリカ | |
| 17 | 516,870トン | アジア | |
| 18 | 483,539トン | アフリカ | |
| 19 | 469,291トン | アフリカ | |
| 20 | 466,466トン | 南アメリカ | |
| 21 | 436,741トン | 南アメリカ | |
| 22 | 390,379トン | 南アメリカ | |
| 23 | 384,714トン | アフリカ | |
| 24 | 375,814トン | アジア | |
| 25 | 318,508トン | アフリカ | |
| 26 | 208,827トン | アジア | |
| 27 | 196,039トン | アフリカ | |
| 28 | 186,334トン | アフリカ | |
| 29 | 168,183トン | 北アメリカ | |
| 30 | 137,852トン | 南アメリカ | |
| 31 | 125,027トン | 南アメリカ | |
| 32 | 121,397トン | アフリカ | |
| 33 | 88,424トン | アフリカ | |
| 34 | 86,527トン | 南アメリカ | |
| 35 | 83,758トン | 南アメリカ | |
| 36 | 76,220トン | オセアニア | |
| 37 | 76,220トン | オセアニア | |
| 38 | 75,110トン | アジア | |
| 39 | 68,674トン | アフリカ | |
| 40 | 53,230トン | アフリカ | |
| 41 | 51,662トン | アフリカ | |
| 42 | 51,220トン | 南アメリカ | |
| 43 | 50,425トン | アジア | |
| 44 | 39,231トン | 南アメリカ | |
| 45 | 32,590トン | アフリカ | |
| 46 | 24,591トン | アジア | |
| 47 | 23,873トン | 南アメリカ | |
| 48 | 23,680トン | オセアニア | |
| 49 | 22,428トン | アフリカ | |
| 50 | 15,861トン | アフリカ | |
| 51 | 11,863トン | オセアニア | |
| 52 | 11,280トン | アフリカ | |
| 53 | 10,688トン | アフリカ | |
| 54 | 9,328トン | アフリカ | |
| 55 | 8,828トン | アフリカ | |
| 56 | 8,516トン | アジア | |
| 57 | 7,208トン | 南アメリカ | |
| 58 | 6,472トン | アジア | |
| 59 | 6,111トン | アジア | |
| 60 | 5,802トン | アフリカ | |
| 61 | 5,335トン | 南アメリカ | |
| 62 | 4,646トン | オセアニア | |
| 63 | 4,194トン | アフリカ | |
| 64 | 3,800トン | オセアニア | |
| 65 | 3,741トン | アフリカ | |
| 66 | 3,670トン | アフリカ | |
| 67 | 3,449トン | 南アメリカ | |
| 68 | 3,320トン | 南アメリカ | |
| 69 | 3,224トン | 南アメリカ | |
| 70 | 3,224トン | 南アメリカ | |
| 71 | 2,490トン | オセアニア | |
| 72 | 2,402トン | 南アメリカ | |
| 73 | 2,098トン | アフリカ | |
| 74 | 1,914トン | アフリカ | |
| 75 | 1,265トン | アフリカ | |
| 76 | 1,240トン | アジア | |
| 77 | 957トン | アジア | |
| 78 | 831トン | 南アメリカ | |
| 79 | 820トン | 南アメリカ | |
| 80 | 403トン | アフリカ | |
| 81 | 135トン | アジア | |
| 82 | 127トン | アジア | |
| 83 | 59トン | 南アメリカ | |
| 84 | 47トン | 南アメリカ | |
| 85 | 32トン | アフリカ | |
| 86 | 17トン | オセアニア | |
| 87 | 7トン | 南アメリカ | |
| 88 | 7トン | 南アメリカ | |
| 89 | 1トン | 南アメリカ |
ランキング指標の意味と注意点を短く整理します。
現在のパイナップル生産量ランキングでは...
1961年から2024年までの年度別ページを比較すると、増加地域や順位変動が見えます。
気になる国の1961年から2024年までの推移がわかります。
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