中国のパイナップル生産量は、1961年の40,000トンから2023年の2,093,596トンに急増しました。この期間中、成長率は著しく、特に1980年代から2000年代にかけて、テクノロジーの導入や農業インフラの改善などにより、飛躍的な伸びを達成しました。2018年以降、一時的な減少も見られましたが、2023年には再び過去最高を更新しました。これには、国内需要の増加や輸出市場の拡大が寄与しています。
中国のパイナップル生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 2,093,596 |
6.82% ↑
|
2022年 | 1,960,000 |
3.21% ↑
|
2021年 | 1,899,000 |
2.82% ↑
|
2020年 | 1,847,000 |
-14.44% ↓
|
2019年 | 2,158,691 |
4.94% ↑
|
2018年 | 2,057,084 |
37.62% ↑
|
2017年 | 1,494,800 |
6.81% ↑
|
2016年 | 1,399,500 |
4.56% ↑
|
2015年 | 1,338,500 |
3.17% ↑
|
2014年 | 1,297,400 |
2.02% ↑
|
2013年 | 1,271,700 |
6.72% ↑
|
2012年 | 1,191,600 |
7.07% ↑
|
2011年 | 1,112,900 |
9.28% ↑
|
2010年 | 1,018,400 |
1.9% ↑
|
2009年 | 999,400 |
10.16% ↑
|
2008年 | 907,200 |
1.74% ↑
|
2007年 | 891,700 |
0.11% ↑
|
2006年 | 890,700 |
4.92% ↑
|
2005年 | 848,900 |
5.02% ↑
|
2004年 | 808,300 |
-1.65% ↓
|
2003年 | 821,900 |
-0.65% ↓
|
2002年 | 827,300 |
-4.8% ↓
|
2001年 | 869,000 |
1.46% ↑
|
2000年 | 856,500 |
-2.96% ↓
|
1999年 | 882,600 |
36.85% ↑
|
1998年 | 644,925 |
22.31% ↑
|
1997年 | 527,288 |
-9.09% ↓
|
1996年 | 580,000 |
7.53% ↑
|
1995年 | 539,408 |
11.21% ↑
|
1994年 | 485,019 |
6.66% ↑
|
1993年 | 454,748 |
2.96% ↑
|
1992年 | 441,682 |
2.9% ↑
|
1991年 | 429,222 |
-7.21% ↓
|
1990年 | 462,549 |
-9.47% ↓
|
1989年 | 510,954 |
5.32% ↑
|
1988年 | 485,151 |
17.76% ↑
|
1987年 | 412,000 |
17.71% ↑
|
1986年 | 350,000 |
91.09% ↑
|
1985年 | 183,157 |
38.76% ↑
|
1984年 | 132,000 |
5.6% ↑
|
1983年 | 125,000 |
-6.72% ↓
|
1982年 | 134,000 |
47.25% ↑
|
1981年 | 91,000 |
21.01% ↑
|
1980年 | 75,200 |
-2.97% ↓
|
1979年 | 77,500 |
-3.13% ↓
|
1978年 | 80,000 |
6.67% ↑
|
1977年 | 75,000 |
-3.85% ↓
|
1976年 | 78,000 |
18.18% ↑
|
1975年 | 66,000 |
3.13% ↑
|
1974年 | 64,000 |
3.23% ↑
|
1973年 | 62,000 |
3.33% ↑
|
1972年 | 60,000 |
1.69% ↑
|
1971年 | 59,000 |
3.51% ↑
|
1970年 | 57,000 |
3.64% ↑
|
1969年 | 55,000 |
3.77% ↑
|
1968年 | 53,000 |
1.92% ↑
|
1967年 | 52,000 |
4% ↑
|
1966年 | 50,000 | - |
1965年 | 50,000 | - |
1964年 | 50,000 |
4.17% ↑
|
1963年 | 48,000 |
6.67% ↑
|
1962年 | 45,000 |
12.5% ↑
|
1961年 | 40,000 | - |
中国におけるパイナップルの生産量は、初期の低い規模から始まり、長期的な上昇傾向を続けてきました。1960年代から1970年代までは緩やかな増加が続き、1978年には初めて80,000トンに達しました。この成長は国内の農業政策が開始された時期と一致しており、重要な転換期となったことが伺えます。
1980年代以降、中国は農業近代化に注力しました。この結果、1982年には生産量が134,000トンに急増し、1986年には350,000トンに達しました。特に1980年代半ば以降、技術革新や効率化された農業手法の導入により、生産量が劇的に増加しました。この流れは1990年代にかけても続き、パイナップルの栽培は国内の主要農産物の一部として確立されました。この時期には、世界市場への輸出需要が関連し、中国産パイナップルの国際的な評価が向上しました。
2000年代以降も全体的な増加傾向が続きましたが、一部の年で生産量が減少する局面も見られました。例えば、2010年代前半には気候変動や農地の不足が一因となり、増加が鈍化しました。それでもなお、農業政策の強化と需要増加に支えられ、2018年には2,057,084トンの生産量を記録しました。しかし、2020年には、主に新型コロナウイルス感染症の影響で人手不足や物流の遅れが発生し、生産量が1,847,000トンに減少しています。それでもその後、回復基調に転じて2023年には2,093,596トンと再び最高記録を更新しました。
中国の生産量が近年これほど増加している理由には、主に二つ挙げられます。一つは、国内消費の増大です。パイナップルは、手頃な価格の果実として多くの消費者に受け入れられており、加工食品としても利用され、その需要が増しています。もう一つは、輸出市場の拡大です。特にアジア諸国や欧州、北米向けに品質改善されたパイナップルが輸出され、中国経済に寄与しています。
今後の課題としては、いくつかの要因が挙げられます。一つめは、気候変動による農業生産への影響です。高温や降雨パターンの変化がパイナップル栽培に悪影響を及ぼす可能性があります。これに対処するためには、灌漑技術の導入や耐気候性のある品種の開発が必要です。二つめの課題は農業労働力の確保です。若年層の農業離れが進行しており、長期的な生産維持を危うくさせています。自動化やAIによる農業技術の活用が有望な解決策として検討できます。さらに、生産拠点が大都市近郊や沿海部に集中しており、地域間での収益格差が拡大しています。この課題を是正するため、内陸部や地方地域へのインフラ整備や資金援助が重要と言えます。
結論として、中国のパイナップル生産はここ数十年で大幅な成長を遂げ、国内外でその重要性を増しています。ただし、今後は気候変動への適応、生産性向上のための技術導入、地域間の格差是正などに継続的に取り組む必要があります。国際的な協力体制を築くことで、持続可能な農業の実現が可能となり、中国の果物産業がさらに繁栄する道筋を描けると考えられます。