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コスタリカのパイナップル生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が最新の2024年7月に更新したデータによると、コスタリカは長年にわたりパイナップルの主要生産国として高い生産量を維持しています。1961年には年間生産量が約3,500トンだったのに対し、ピークの2018年には3,418,155トンに到達しました。その後、生産量はやや減少と増減を繰り返していますが、近年の数値(2023年時点)からみると、依然として高位を保っています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 2,937,807
0.96% ↑
2022年 2,909,750
-0.97% ↓
2021年 2,938,334
10.96% ↑
2020年 2,648,138
-5.52% ↓
2019年 2,802,712
-18.01% ↓
2018年 3,418,155
3.05% ↑
2017年 3,317,028
13.47% ↑
2016年 2,923,158
5.47% ↑
2015年 2,771,577
-3.7% ↓
2014年 2,877,982
5.82% ↑
2013年 2,719,760
2.87% ↑
2012年 2,643,889
5.66% ↑
2011年 2,502,228
8.19% ↑
2010年 2,312,733
18.84% ↑
2009年 1,946,054
16.7% ↑
2008年 1,667,530
7.78% ↑
2007年 1,547,139
-21.87% ↓
2006年 1,980,146
23.36% ↑
2005年 1,605,237
49.01% ↑
2004年 1,077,300
9.46% ↑
2003年 984,233
-0.78% ↓
2002年 992,000
4.38% ↑
2001年 950,400
5.23% ↑
2000年 903,125
5.26% ↑
1999年 857,969
31.79% ↑
1998年 651,000
1.41% ↑
1997年 641,918
11.9% ↑
1996年 573,650
35.14% ↑
1995年 424,480
-13.47% ↓
1994年 490,576
0.12% ↑
1993年 490,000 -
1992年 490,000
16.67% ↑
1991年 420,000
-0.83% ↓
1990年 423,500
-6.92% ↓
1989年 455,000
279.17% ↑
1988年 120,000
34.68% ↑
1987年 89,100
24.95% ↑
1986年 71,307
161.61% ↑
1985年 27,257
12.61% ↑
1984年 24,204
48.91% ↑
1983年 16,254
69.31% ↑
1982年 9,600
-12.73% ↓
1981年 11,000
15.79% ↑
1980年 9,500
5.56% ↑
1979年 9,000
2.27% ↑
1978年 8,800 -
1977年 8,800
2.33% ↑
1976年 8,600
2.38% ↑
1975年 8,400
2.44% ↑
1974年 8,200
2.95% ↑
1973年 7,965
37.33% ↑
1972年 5,800
2.65% ↑
1971年 5,650
4.63% ↑
1970年 5,400
5.88% ↑
1969年 5,100
4.08% ↑
1968年 4,900
6.52% ↑
1967年 4,600
4.55% ↑
1966年 4,400
4.76% ↑
1965年 4,200
7.69% ↑
1964年 3,900
5.41% ↑
1963年 3,700
2.78% ↑
1962年 3,600
2.86% ↑
1961年 3,500 -

コスタリカのパイナップル生産量は、1960年代から現在に至るまで、顕著な成長を示しています。当初の1961年、年間生産量は3,500トンという小規模な規模でしたが、1970年代以降徐々に増加し、1980年代後半から急激な生産拡大が見られました。この急増の背景には、需要拡大を受けた輸出産業の強化、および農業技術の進歩が挙げられます。

1983年から1986年、特に1989年には、生産量が120,000トンから455,000トンへと飛躍しました。この時期は、コスタリカのパイナップルが輸出市場で高い競争力を持つようになった節目と考えられます。そして1990年代も生産は持続的に増加し、とりわけ2000年代以降、年間生産量が100万トンを超え、2010年代にかけて上昇が加速しました。

2018年に記録された生産量3,418,155トンは、コスタリカ生産史上最高となっています。しかし、2019年以降は環境要因や国際市場の需要変動、新型コロナウイルスの影響などを背景に生産量が減少し、2020年には2,648,138トンにまで落ち込みました。その後、生産量は回復基調にあり、2023年には2,937,807トンに達しました。この増加トレンドは農業政策の改善や輸出需要の安定化に起因していると考えられます。

コスタリカにおけるパイナップル生産の特徴は、独特の地理的条件と持続可能性問題です。同国は気候と土地の適性により品質の高いパイナップル栽培が可能ですが、生産の拡大は農地の拡張や森林破壊に繋がるリスクを伴います。さらに、市場競争の激化により、環境負荷と生産効率をどうバランスさせるかが課題となっています。

具体的な解決策としては、持続可能な農業技術の導入が挙げられます。たとえば、化学肥料や農薬の使用量削減、環境保護基準に適合した生産プロセスの普及が有効です。また、国内外の市場開拓も重要で、既存の輸出先のみならず、成長市場であるアジア諸国への輸出拡大を図るべきでしょう。さらに、地元農家の支援プログラムを組み込むことで、生産者が直接恩恵を受けられる持続可能なサプライチェーンの構築が進むはずです。

将来的には、コスタリカは地政学的なリスクにも注意する必要があります。例えば、気候変動の影響で異常気象が増加する可能性が高く、多雨や台風の頻発が収穫量に大きく影響する可能性も懸念されます。これに対応するため、災害に強い栽培方法の研究や、灌漑技術の改善に重点を置く必要があります。

まとめると、コスタリカのパイナップル産業はグローバル需要を背景に発展してきましたが、同時に持続可能性や天候リスクへの対応といった課題が見えてきています。同国が引き続き業界をリードするためには、生産・流通体制の効率化、環境保護政策の強化、国際市場での競争力向上が不可欠です。国際連合や他国とも協力した農業改善プロジェクトの実施が、この目標達成を後押しすると考えられます。