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モザンビークのパイナップル生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、モザンビークのパイナップル生産量は、1960年代以降、一時的な減少期を経て徐々に安定した成長を見せています。特に2000年代半ば以降、大幅な増加が見られましたが、2010年代後半からは毎年約54,000~56,000トンの範囲で推移する安定傾向にあります。このデータはモザンビークの農業開発と地域的な課題を反映しており、その背景には社会情勢や気候変動などさまざまな要因があります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 56,175
-0.04% ↓
2022年 56,199
0.37% ↑
2021年 55,990
0.38% ↑
2020年 55,781
-0.7% ↓
2019年 56,175
2.68% ↑
2018年 54,709
-0.19% ↓
2017年 54,812 -
2016年 54,811
-6.11% ↓
2015年 58,379
10.04% ↑
2014年 53,053
0.1% ↑
2013年 53,000
-1.85% ↓
2012年 54,000 -
2011年 54,000
-1.26% ↓
2010年 54,688
21.53% ↑
2009年 45,000
12.5% ↑
2008年 40,000
14.29% ↑
2007年 35,000
34.62% ↑
2006年 26,000
62.5% ↑
2005年 16,000
25.15% ↑
2004年 12,785
11.17% ↑
2003年 11,500
-13.17% ↓
2002年 13,244
-1.94% ↓
2001年 13,506
3.89% ↑
2000年 13,000
-31.58% ↓
1999年 19,000
5.56% ↑
1998年 18,000
5.88% ↑
1997年 17,000
6.25% ↑
1996年 16,000
6.67% ↑
1995年 15,000
15.38% ↑
1994年 13,000
-13.33% ↓
1993年 15,000
50% ↑
1992年 10,000
-33.33% ↓
1991年 15,000
-3.23% ↓
1990年 15,500
3.33% ↑
1989年 15,000
3.45% ↑
1988年 14,500
3.57% ↑
1987年 14,000
3.7% ↑
1986年 13,500
3.85% ↑
1985年 13,000 -
1984年 13,000 -
1983年 13,000 -
1982年 13,000 -
1981年 13,000 -
1980年 13,000 -
1979年 13,000 -
1978年 13,000 -
1977年 13,000 -
1976年 13,000
8.33% ↑
1975年 12,000
-33.33% ↓
1974年 18,000 -
1973年 18,000 -
1972年 18,000 -
1971年 18,000 -
1970年 18,000 -
1969年 18,000 -
1968年 18,000 -
1967年 18,000
5.88% ↑
1966年 17,000 -
1965年 17,000 -
1964年 17,000
6.25% ↑
1963年 16,000 -
1962年 16,000 -
1961年 16,000 -

モザンビークのパイナップル生産量の推移を振り返ると、1960年代は年間約16,000~18,000トンでほぼ安定していましたが、1975年以降、生産量が急激に減少したことが確認できます。この時期の減少は、モザンビーク独立後の不安定な社会情勢、内戦によるインフラ破壊や農業の停滞が主な原因と考えられます。その後、1990年代後半にかけて断続的な回復の兆しが見られましたが、2000年に再び減少したことから、当時の気候変動や輸送網の未整備が影響した可能性が高いと言えます。

しかし、2005年以降、モザンビークのパイナップル生産量は急激な増加を示しています。特に2006年から2010年にかけて約30,000トンもの増加が見られ、最高で54,688トンに達しました。この背景には、農業技術の進歩、政府による農業支援策、および地域社会の安定向上など複数の要素が相互に関わっていると考えられます。他国と比較すると、例えばインドやフィリピンの一部地域での大規模生産と比べて全体的には小規模な生産量ですが、この急増は明確にポジティブな動向を示しています。

一方で、2010年代後半以降の状況を見ると、パイナップル生産量はやや停滞気味で、大幅な増減は見られず、年間約54,000~56,000トン付近で推移しています。この安定した生産量は、ある意味安定した市場システムや生産基盤を反映していますが、一方で農業の成長停滞とも考えられます。この状況を改善するには、さらなる技術革新や気候対策、輸出戦略の強化が重要です。

モザンビークは熱帯気候の恩恵を受け、パイナップルに適した栽培環境を有していますが、干ばつや洪水など気候変動がもたらす自然災害が農業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。また、交通インフラの未整備が地方農家の市場アクセスを制限しており、農業の効率化と経済成長を阻害しています。

さらに、地政学的背景を考慮すると、モザンビーク北部では天然ガス資源を巡る紛争が続いており、これが間接的に農業従事者や農村部の経済活動に影響を及ぼしています。このような課題を克服するためには、国際機関や近隣諸国の協力を得て、農業インフラと気候適応型農業技術の導入を進めることが急務です。

具体的な対策としては、小規模農家に対し生産資材や技術的支援を提供する政策の拡充が必要です。また、地方道路網の整備や、パイナップルの加工・輸出拠点の建設も地域経済の発展に寄与すると考えられます。また、長期的には気候変動に強い品種開発や、デジタル農業技術の導入による生産性向上も視野に入れるべきです。

結論として、モザンビークのパイナップル生産量は、社会経済や環境の動向を反映しつつ着実に進歩してきましたが、依然として多くの課題が残されています。これを克服することにより、生産量のさらなる拡大と農村部の経済発展が期待されます。国際機関との協力や地域間での経済連携の枠組みを整備し、包括的な農業支援を実施することでモザンビークの農業部門が持続可能な発展を遂げることが重要です。