ガボンのパイナップル生産量は長期的に見ると増加傾向にあります。特に1986年の574トンから2023年の1,262トンまで、37年間で約2.2倍に拡大しました。ただし、年ごとに生産量に波があり、近年(2020年以降)は横ばいの状態になっています。2007年には750トンと一時的に減少が見られましたが、その後急回復し、2012年には1,250トンと急成長を実現しました。しかし、2023年には過去最高値の1,282トン(2020年)からわずかに減少しています。
ガボンのパイナップル生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 1,262 |
-1.06% ↓
|
2022年 | 1,276 |
0.47% ↑
|
2021年 | 1,270 |
-0.96% ↓
|
2020年 | 1,282 |
0.53% ↑
|
2019年 | 1,275 |
1.87% ↑
|
2018年 | 1,252 |
1.95% ↑
|
2017年 | 1,228 |
2.32% ↑
|
2016年 | 1,200 |
-2.91% ↓
|
2015年 | 1,236 |
3% ↑
|
2014年 | 1,200 |
3.06% ↑
|
2013年 | 1,164 |
-6.85% ↓
|
2012年 | 1,250 |
15.34% ↑
|
2011年 | 1,084 |
5.49% ↑
|
2010年 | 1,027 |
5.96% ↑
|
2009年 | 969 |
6.51% ↑
|
2008年 | 910 |
21.36% ↑
|
2007年 | 750 |
-9.02% ↓
|
2006年 | 824 |
0.32% ↑
|
2005年 | 822 |
2.72% ↑
|
2004年 | 800 |
2.08% ↑
|
2003年 | 784 |
1.82% ↑
|
2002年 | 770 |
1.76% ↑
|
2001年 | 756 |
1.55% ↑
|
2000年 | 745 |
6.39% ↑
|
1999年 | 700 |
-1.66% ↓
|
1998年 | 712 |
2.48% ↑
|
1997年 | 695 |
2.55% ↑
|
1996年 | 677 |
4.2% ↑
|
1995年 | 650 |
0.71% ↑
|
1994年 | 645 |
0.84% ↑
|
1993年 | 640 |
3.26% ↑
|
1992年 | 620 |
2.05% ↑
|
1991年 | 607 |
-3.6% ↓
|
1990年 | 630 |
1.29% ↑
|
1989年 | 622 |
-0.16% ↓
|
1988年 | 623 |
45.22% ↑
|
1987年 | 429 |
-25.26% ↓
|
1986年 | 574 | - |
ガボンのパイナップル生産量における長期的な推移を見てみると、全体としては着実な成長の流れが見られます。このような成長には、国内の農業技術の向上やインフラ整備、さらには市場の需要拡大などが寄与していると考えられます。1986年には574トンに過ぎなかった生産量が、2023年には1,262トンに達し、倍以上に増加しています。これはガボンが徐々に効率的な農業体制を整え、食料供給の拡充に向けた施策を適切に実行してきたことを示しています。
一方で、各年度には生産の変動も顕著に見られます。例えば2007年に生産量が750トンと前年から急減しましたが、その後、2008年から10年間で大きく回復し、2012年には1,250トンに達するなど成長を遂げました。この背景には、政策の見直しや天候条件の改善、市場の需要変化が影響していると推測されます。
近年では、2020年以降の1,282トンをピークに停滞傾向が見られます。この横ばい状態の一因として、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が考えられます。パンデミックによる物流の混乱や、農業労働力への影響が生産活動を一部停滞させた可能性があります。また、農業輸出構造の一部依存が減少したことも影響していると考えられます。このような背景を考慮すると、農業の持続可能性を維持するためにはさらなる政策の支援が必要です。
さらに、ガボンが属する中部アフリカ地域特有の課題として、降雨量の変動や気候変動、資源争奪を巡る地域的な不安定性があります。これらの要因は農地の品質や農業従事者の生産活動に直接的な影響を及ぼします。このような課題を克服するため、灌漑技術の導入、気候に適応した農業技術の普及、国際市場との協力を強化することが重要です。
将来的な展望としては、ガボンが持つ農業ポテンシャルを最大限に活かすため、まずは国内の物流ネットワークの整備を進め、市場アクセスを改善することが必要です。また、他地域との協力体制を強化し、アフリカ大陸内で農業技術や資源を共有する仕組みを構築することも課題解決に寄与します。さらに、国際的な援助機関からの技術支援や資金調達の利用を通じて、持続可能な農業基盤を強化することも考えられるでしょう。
結論として、ガボンのパイナップル生産量の推移を振り返ると、生産性の向上が明らかな一方で、課題も少なくありません。特に最近の停滞傾向を改善するためには、気候変動への対応や物流の効率化、持続可能な農業経営の確立が急務です。国際機関や地域協力を活用した包括的な支援策を導入することで、ガボンの農業はさらに成長し、地域の食料安全保障を強化する道筋が見えてくるでしょう。