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パラグアイのパイナップル生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、パラグアイのパイナップル生産量は1961年の10,000トンから2023年の72,889トンと、長期的に見て大幅な増加を記録しています。特に2002年には過去最高の82,249トンを達成しましたが、そこから再び変動を続けています。2022年には59,260トンに減少した後、翌年には72,889トンまで回復しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 72,889
23% ↑
2022年 59,260
-31.17% ↓
2021年 86,092
1.12% ↑
2020年 85,136
-0.09% ↓
2019年 85,216
14.66% ↑
2018年 74,320
17.22% ↑
2017年 63,400
0.03% ↑
2016年 63,383
-0.11% ↓
2015年 63,454
0.61% ↑
2014年 63,070
0.02% ↑
2013年 63,060
11.78% ↑
2012年 56,412
-4.59% ↓
2011年 59,126 -
2010年 59,126
6.92% ↑
2009年 55,300
1.92% ↑
2008年 54,257
-25.68% ↓
2007年 73,000
0.76% ↑
2006年 72,450
28.12% ↑
2005年 56,550
7.94% ↑
2004年 52,392
-28.69% ↓
2003年 73,472
-10.67% ↓
2002年 82,249
98.71% ↑
2001年 41,392
7.36% ↑
2000年 38,553
-5.32% ↓
1999年 40,719
4.75% ↑
1998年 38,872
1.22% ↑
1997年 38,405
25.2% ↑
1996年 30,676
1.41% ↑
1995年 30,250
-14.06% ↓
1994年 35,198
-18.05% ↓
1993年 42,949
7.91% ↑
1992年 39,800
18.94% ↑
1991年 33,462
2.3% ↑
1990年 32,710
2.3% ↑
1989年 31,974
20% ↑
1988年 26,646
-42.3% ↓
1987年 46,179
4.72% ↑
1986年 44,096
5% ↑
1985年 41,995
5% ↑
1984年 39,995
59.96% ↑
1983年 25,003
2.37% ↑
1982年 24,424
44.21% ↑
1981年 16,936
-47.64% ↓
1980年 32,344
-5.48% ↓
1979年 34,220
3.01% ↑
1978年 33,220
0.97% ↑
1977年 32,900
-5.05% ↓
1976年 34,650
10% ↑
1975年 31,500
-19.97% ↓
1974年 39,360
5% ↑
1973年 37,486
5% ↑
1972年 35,700
3% ↑
1971年 34,660
-0.4% ↓
1970年 34,800
1.75% ↑
1969年 34,200
9.62% ↑
1968年 31,200
-2.5% ↓
1967年 32,000
3.09% ↑
1966年 31,040
72.44% ↑
1965年 18,000
26.76% ↑
1964年 14,200
-9.55% ↓
1963年 15,700
57% ↑
1962年 10,000 -
1961年 10,000 -

パラグアイは適度な熱帯気候と適した土壌条件から、パイナップル生産に有利な環境を有しています。データを俯瞰すると、1961年に10,000トンであった生産量が1970年代半ばには約35,000トンに達し、以後も増減を繰り返しながら徐々に成長してきました。しかし、大きな変動が見られる年もあり、例えば1981年には16,936トンと前年の半分以下に落ち込みました。こうした激しい変動は、天候不順や、輸送網や市場の問題、さらには農業政策の変化などが影響している可能性があります。

2002年に記録された82,249トンは過去最高の生産量であり、この一時的な成功は、農業技術の導入や既存の農業インフラの改善が要因と考えられます。しかし、その後、2002年以降の生産量は減少や停滞を見せ、2010年代後半には約63,000トン前後で安定していました。2022年には59,260トンに減少したものの、2023年には72,889トンへと回復しました。

この長期的な生産の増減には、地政学的背景も影響しています。たとえば、近年の気候変動による降水量のパターンの変化が、農産物の収量に重要な役割を果たしている可能性があります。パラグアイにおける季節的な干ばつや洪水は、パイナップルの栽培に適した条件を一時的に阻害することがあります。また、隣国との貿易政策や物流の整備状況が、輸出市場に影響を与えていることも要因として挙げられます。

こうした変動を踏まえ、パラグアイのパイナップル生産量を持続的に増加させるためには、いくつかの課題が浮かび上がります。まず、小規模農家に対する技術支援や融資制度の拡充が求められます。一部の農家は旧式の農業方法に依存しており、最新の農業技術や灌漑施設の整備が普及しないままです。これを是正することにより、気候変化への対応力を高めることが可能です。

また、国内消費だけでなく輸出促進策を強化することが重要です。近年、世界的に健康志向の食品需要が高まる中で、質の高いパラグアイ産パイナップルの市場をアジアやヨーロッパ諸国に広げることで、さらなる生産拡大が見込まれます。特に日本や韓国では、高品質の輸入パイナップルが人気であるため、これらの市場を視野に入れるべきでしょう。

さらに、気候変動への対策として、より耐性の高いパイナップル品種の研究開発や、持続可能な農業技術の導入が推進されるべきです。これに加えて、主要なパイナップル輸出国であるフィリピン、コスタリカなどとの経験やノウハウの共有が、パラグアイの生産性向上に貢献するでしょう。

結論として、パラグアイのパイナップル生産量は過去60年で全体的に増加傾向にあるものの、気候や市場動向に左右されやすい状況にあります。今後、技術支援の強化、輸出戦略の見直し、持続可能性を視野に入れた農業政策の採用により、より安定した生産体制を構築することが期待されます。国際機関や隣国との連携も重要なカギとなるでしょう。