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バングラデシュのパイナップル生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、バングラデシュにおけるパイナップルの生産量は、1961年の19,305トンから2023年の196,735トンまで増加してきました。しかし、1990年代の停滞期や近年の減少傾向など、生産量の推移には大きな変動が見られます。また、近年の生産量はやや下降傾向にあるため、持続可能な農業生産体制を整えることが課題となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 196,735
-4.57% ↓
2022年 206,164
-0.95% ↓
2021年 208,141
-4.54% ↓
2020年 218,048
0.28% ↑
2019年 217,439
4.34% ↑
2018年 208,401
-1.62% ↓
2017年 211,833
5.55% ↑
2016年 200,701
1.61% ↑
2015年 197,518
-0.72% ↓
2014年 198,946
6.58% ↑
2013年 186,667
3.17% ↑
2012年 180,938
-17.22% ↓
2011年 218,582
-6.79% ↓
2010年 234,493
2.37% ↑
2009年 229,068
8.93% ↑
2008年 210,283
-11.78% ↓
2007年 238,360
-6.09% ↓
2006年 253,825
8.07% ↑
2005年 234,865
10.38% ↑
2004年 212,775
37.96% ↑
2003年 154,230
0.8% ↑
2002年 153,000
0.66% ↑
2001年 152,000
2.7% ↑
2000年 148,000
1.37% ↑
1999年 146,000
-1.74% ↓
1998年 148,580
0.06% ↑
1997年 148,485
-0.06% ↓
1996年 148,575
-0.42% ↓
1995年 149,205 -
1994年 149,205
0.04% ↑
1993年 149,145
0.68% ↑
1992年 148,140
-1.27% ↓
1991年 150,050
-7.63% ↓
1990年 162,445
3.63% ↑
1989年 156,755
7.37% ↑
1988年 146,000
0.37% ↑
1987年 145,455
9.37% ↑
1986年 132,990
4.07% ↑
1985年 127,790
-2.93% ↓
1984年 131,653
-3.63% ↓
1983年 136,613
-12.57% ↓
1982年 156,257
0.28% ↑
1981年 155,822
1.6% ↑
1980年 153,365
7.91% ↑
1979年 142,129
1.79% ↑
1978年 139,627
-2.84% ↓
1977年 143,706
-0.08% ↓
1976年 143,822
3.85% ↑
1975年 138,489
11.46% ↑
1974年 124,253
11.5% ↑
1973年 111,440
12.37% ↑
1972年 99,172
9% ↑
1971年 90,982
-2.69% ↓
1970年 93,500
-11.54% ↓
1969年 105,700
9.53% ↑
1968年 96,500
4.38% ↑
1967年 92,451
62.48% ↑
1966年 56,900
25.99% ↑
1965年 45,162
1% ↑
1964年 44,714
22.25% ↑
1963年 36,577
72.83% ↑
1962年 21,163
9.62% ↑
1961年 19,305 -

バングラデシュのパイナップル生産量は1960年代から着実に増加し、1970年代半ばには100,000トンを超える重要な農産物の一つとなりました。この成長は、農地の拡大や生産技術の向上、パイナップルの需要増加が大きな要因となっています。その後、1980年代から1990年代前半にかけては比較的安定した生産量を維持していましたが、1990年代半ばから増産のペースが鈍化しました。また、2000年代には生産量が再び向上し、特に2004年から2006年にかけて飛躍的な伸びを記録しています。2006年における生産量のピークである253,825トンは、バングラデシュにおける農業政策の成功例の一つとされています。

しかし、その後の推移を見てみると、2012年頃から減少傾向が生じ、2023年には200,000トンを下回る結果となっています。この減少の背景には、気候変動や天候不順、耕作地の変化などの影響があると言われています。例えば、一部地域では洪水や土壌劣化が農地に打撃を与えており、農家がパイナップルの栽培を維持することが困難となっているケースが確認されています。また、市場価格の変動や輸送インフラの不安定さが農業生産や流通に悪影響を及ぼしている可能性も無視できません。

他国の状況と比較すると、バングラデシュの生産量はインドやフィリピンほど大規模ではないものの、地域市場において重要な役割を果たしています。一方で、生産性の効率性や持続可能性の観点では、バングラデシュは他のアジア諸国にやや遅れを取っている可能性があります。特に日本のように高度な技術を用いた農業生産国や、韓国のような付加価値型の農産物輸出戦略を考慮すると、バングラデシュの農業部門にはさらなる改善の余地が残されています。

将来的な課題としては、持続可能な農業の推進が重要です。これは、土地の保全、効率的な灌漑技術の利用、病害虫対策の改善などを含みます。また、研究開発を通じて、気候変動に適応できる新しいパイナップルの品種を開発することが必要です。他にも、輸送インフラや冷蔵設備の整備により、収穫後の物流効率を向上させることも、生産地の収益性を高めるための施策となるでしょう。さらに、地域間協力の枠組みを構築し、近隣諸国と共同で市場拡大を図ることも一つの方策です。

結論として、バングラデシュのパイナップル生産は過去数十年の間に大きく成長してきましたが、近年見られる停滞や減少を克服するためには、農業の現代化と持続可能性の確保が急務です。この課題を解決するためには、政府や国際機関、さらには農業従事者間の協力が欠かせません。これにより、バングラデシュはパイナップルの生産国としての地位をさらに強化し、地域経済への貢献と農家の生活向上を実現できるはずです。