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グアテマラのパイナップル生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによれば、1961年から2023年までのグアテマラのパイナップル生産量は着実に増加しており、特に2000年代以降は大幅な伸びを見せています。1961年の生産量が11,000トンだったのに対し、2023年には388,362トンと約35倍に拡大しました。一方で、2001年や2003年に見られる減少など、生産量の変動も目立ちます。ここからは、こうした生産量の推移に影響を与える要因や背景、将来的な課題と対策について考察します。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 388,362
13.49% ↑
2022年 342,204
0.5% ↑
2021年 340,515
-5.07% ↓
2020年 358,714
4.71% ↑
2019年 342,574
-1.52% ↓
2018年 347,878
5.85% ↑
2017年 328,651
0.37% ↑
2016年 327,453
15.25% ↑
2015年 284,121
10.79% ↑
2014年 256,457
4.86% ↑
2013年 244,568
1.95% ↑
2012年 239,882
-1.45% ↓
2011年 243,416
3.88% ↑
2010年 234,326
-1.91% ↓
2009年 238,884
17.03% ↑
2008年 204,117
-0.2% ↓
2007年 204,529
5.2% ↑
2006年 194,423
-1.36% ↓
2005年 197,095
174.56% ↑
2004年 71,785
38.25% ↑
2003年 51,923
-9.69% ↓
2002年 57,493
52.67% ↑
2001年 37,657
-62.26% ↓
2000年 99,790
-1.05% ↓
1999年 100,847
0.52% ↑
1998年 100,326
0.82% ↑
1997年 99,507
1.1% ↑
1996年 98,429
12.32% ↑
1995年 87,634
5.25% ↑
1994年 83,260
4.29% ↑
1993年 79,832
3.53% ↑
1992年 77,110
7.59% ↑
1991年 71,667
6.76% ↑
1990年 67,131
-4.52% ↓
1989年 70,307
6.9% ↑
1988年 65,770 -
1987年 65,770
50.71% ↑
1986年 43,640
16.68% ↑
1985年 37,400
2.47% ↑
1984年 36,500
1.11% ↑
1983年 36,100
4.64% ↑
1982年 34,500
1.47% ↑
1981年 34,000
5.18% ↑
1980年 32,326
4.28% ↑
1979年 31,000
3.33% ↑
1978年 30,000
5.26% ↑
1977年 28,500
29.55% ↑
1976年 22,000
-13.39% ↓
1975年 25,400
8.55% ↑
1974年 23,400
8.84% ↑
1973年 21,500
10.26% ↑
1972年 19,500
11.43% ↑
1971年 17,500
2.94% ↑
1970年 17,000
3.03% ↑
1969年 16,500
8.55% ↑
1968年 15,200
3.4% ↑
1967年 14,700
4.26% ↑
1966年 14,100
8.46% ↑
1965年 13,000
1.56% ↑
1964年 12,800
4.92% ↑
1963年 12,200
7.96% ↑
1962年 11,300
2.73% ↑
1961年 11,000 -

グアテマラのパイナップル生産量推移データに基づいて、約60年間の生産状況を振り返ると、国の農業におけるパイナップル生産の重要性が高まっていることが分かります。この流れは、国内需要の増加だけでなく、輸出拡大に伴う積極的な生産体制の強化や技術革新が影響していると考えられます。

特に1970年代から1980年代にかけての増加は、一部の農業政策の支援や経済成長の波に伴い、農地拡張や人手の確保が進んだことと関連があるといえます。しかし、1986年以降の急激な増加は、パイナップル産業自体が輸出向けの主要産品として重視されたことが要因と考えられます。この時期、多くの発展途上国で同様の傾向が見られ、自由貿易の促進と同時にグアテマラもその恩恵を享受したとの見方ができます。一方で、1990年代後半から2000年前後にかけて記録された一時的な減少(特に2001年や2003年の顕著な低迷)は、当時の不安定な国内情勢や国際市場価格の変動、気象災害による影響も考慮すべきです。

また、2005年以降の劇的な増加傾向は、グローバルな健康志向の高まりやスムージー、フルーツジュース市場の拡大とシンクロしており、グアテマラのパイナップル産業が世界的な需要に対応する柔軟性を持つことを示しています。さらに、農業技術や効率的な栽培方法の導入、輸送インフラの改善が生産量増加を後押ししていることも明らかです。

しかし、年間生産量の推移には依然として課題が見られます。例えば、近年の2020年や2021年の生産量減少は、新型コロナウイルス感染症の世界的影響が関連しています。パンデミックは、労働力不足や物流の遅延を引き起こし、農業生産全体に大きな課題をもたらしました。一方、2023年には生産量が過去最高に達しており、産業の回復力と市場適応能力の高さが伺えます。

グアテマラの地政学的背景もこの産業に影響を与えています。例えば、隣国との関係は輸出動向を決定する重要な要素であり、近年の対中貿易関係強化やアメリカ市場への依存構造も今後の生産量に影響を与えるでしょう。また、気候変動による天候異常が近年増加しており、特に降雨パターンの変化や干ばつ頻発が農業生産にとってリスク要因となっています。適切な灌漑技術や気候変動に対応できるパイナップル品種の導入は、将来の持続可能性を確保するために不可欠です。

今後、グアテマラが直面する課題には、安定した労働力確保、生産性向上、輸出先多角化、そして気候変動リスクへの対応が挙げられます。そのためには、国際機関や民間セクターとの協力が求められています。具体的には、農家に対する技術研修の実施や、農業経営データを活用した効率的な生産計画の策定が重要です。また、地元での加工産業の発展も輸出価値を高める可能性があります。

結論として、グアテマラのパイナップル産業は大きな可能性を秘めていますが、その持続的な発展のためには国内外の課題に柔軟に対応する必要があります。環境保護と経済成長を両立させる政策が適切に実行されれば、グアテマラはさらなる発展が期待できるでしょう。