Skip to main content

コロンビアのパパイヤ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新したデータによると、コロンビアのパパイヤ生産量は1961年の30,000トンから始まり、増減を伴いながらも長期的には全体として増加の傾向を示しています。特に2000年代以降は生産量の大幅な増加が見られ、2007年には史上最高の223,945トンに達しました。しかし、その後は生産量の変動が激しく、2018年以降急激な落ち込みを経て、2023年には178,471トンまで回復しました。この長期データは、農業政策や気候変動、経済情勢などがパパイヤ生産に与える影響を如実に示しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 178,471
37.29% ↑
2022年 129,993
-11.08% ↓
2021年 146,186
-25.42% ↓
2020年 196,017
35.21% ↑
2019年 144,967
15.67% ↑
2018年 125,328
-25.66% ↓
2017年 168,594
-5% ↓
2016年 177,458
0.7% ↑
2015年 176,220
13.48% ↑
2014年 155,290
-7.32% ↓
2013年 167,549
1.06% ↑
2012年 165,788
8.27% ↑
2011年 153,120
-2.85% ↓
2010年 157,620
-15.21% ↓
2009年 185,902
-10.49% ↓
2008年 207,698
-7.25% ↓
2007年 223,945
36.05% ↑
2006年 164,606
17.29% ↑
2005年 140,346
35.12% ↑
2004年 103,870
13.39% ↑
2003年 91,608
5.4% ↑
2002年 86,912
-21.53% ↓
2001年 110,764
-1.65% ↓
2000年 112,627
-2.38% ↓
1999年 115,376
9.84% ↑
1998年 105,042
18.73% ↑
1997年 88,471
21.62% ↑
1996年 72,741
13.66% ↑
1995年 64,000
1.59% ↑
1994年 63,000
1.55% ↑
1993年 62,038
-15.96% ↓
1992年 73,818
3.79% ↑
1991年 71,125
77.28% ↑
1990年 40,121
-49.8% ↓
1989年 79,916
12.23% ↑
1988年 71,205
22.48% ↑
1987年 58,137
19.57% ↑
1986年 48,622
-7.74% ↓
1985年 52,700
26.16% ↑
1984年 41,774
-17.77% ↓
1983年 50,800
-15.33% ↓
1982年 60,000
9.09% ↑
1981年 55,000
-15.44% ↓
1980年 65,040
0.49% ↑
1979年 64,720
11.43% ↑
1978年 58,080
15.51% ↑
1977年 50,280
28.73% ↑
1976年 39,060
-14.66% ↓
1975年 45,769
3.32% ↑
1974年 44,300
3.26% ↑
1973年 42,900
3.37% ↑
1972年 41,500
3.75% ↑
1971年 40,000
2.56% ↑
1970年 39,000
2.63% ↑
1969年 38,000
2.7% ↑
1968年 37,000
2.78% ↑
1967年 36,000
2.86% ↑
1966年 35,000
2.94% ↑
1965年 34,000
3.03% ↑
1964年 33,000
3.13% ↑
1963年 32,000
3.23% ↑
1962年 31,000
3.33% ↑
1961年 30,000 -

コロンビアにおけるパパイヤの生産量は、この62年間で著しい推移を見せています。1961年から1970年代半ばまでは年々緩やかに増加しましたが、1976年以降から1977年に急激な増加、1978年から1980年にかけて大幅なピークを記録するなど、一時的な急激な増加が特徴的です。その後、1980年代初頭から生産量の上下変動が顕著になり、1990年代後半の88,471トン(1997年)以降、2000年代には顕著な伸びを見せました。2007年には223,945トンという過去最高値に達しましたが、2008年以降は再び大幅な変動が目立つようになりました。2023年データでは再び178,471トンにまで回復しています。

このような生産量の浮き沈みは、いくつかの要因が絡み合っています。一つは気候変動の影響です。コロンビアは交錯した気候帯を持つ国ですが、パパイヤ生産を支える高湿度と安定した降雨量を必要とする農地が、干ばつや異常降雨の増加により影響を受けることが多くなっています。同時に、地域における農業インフラや支援体制の変化も生産効率に影響を及ぼしており、とりわけ収穫期の設備や技術が遅れているケースでは生産減が見られます。

1990年代と2000年代初頭の生産量増は、コロンビア国内農業の近代化及び輸出産業振興政策によるものと考えられます。しかし、政治的混乱や地域的な治安悪化が生産地域に影響を及ぼし、特に輸出用パパイヤ生産の効率が低下した可能性があります。また、近年の新型コロナウイルス感染症の流行も、労働力確保や物流の停滞をもたらし、2020年以降の生産の変動要因となりました。

2018年の急激な減少(125,328トン)までの一連の下落トレンドは、農業生産者が当時、世界市場での価格競争の激化に対応しきれなかったことと同時に、輸出市場開拓が進まなかった背景が挙げられます。これに対し、2020年の回復(196,017トン)は主に国内需要の高まりや輸出政策の一時的な改善、さらには品種改良や視点を変えた栽培方法の導入が奏功した結果と考えられます。

将来的には、農業の近代化だけでなく、気候変動への本格的な対応が重要となります。具体的には、灌漑施設の強化や耐乾性および病害虫耐性を持つパパイヤ品種の研究開発を進めることで、生産環境の安定性を高める必要があります。また、国内の流通システムの改善、とりわけ収穫後の輸送効率を向上させることが長期的な生産量の増加に寄与するでしょう。

国際的な視点から見ると、コロンビアのパパイヤ生産量はインドやフィリピン、メキシコといった主要生産国と比較してまだ規模が小さいと言えます。ただし、地理的な優位性と輸送コストの強みから、特にアメリカやヨーロッパ市場での競争力を強化する潜在力があります。そのため、今後は地域間の輸出協力枠組みを立案し、輸送ルートを確保することも併せて検討すべきです。

結論として、コロンビアのパパイヤ生産量は依然として多くの成長可能性を秘めています。農業技術や気候変動適応策を通じて継続的な改善を目指し、さらなる成長と国際競争力の強化を図ることが期待されています。一方で、政策の継続力と社会的安定が伴わなければ、せっかくの潜在力は活かされにくいことを十分に認識し、政治、経済、環境面でのバランスの取れた発展が必要です。

キーワード検索
楽天おすすめ