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コロンビアのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、コロンビアのキャベツ生産量は1960年代から1970年代にかけて着実に増加し、1976年にはピークとなる430,680トンを記録しました。しかし、それ以降は大きな変動を伴いながら減少に転じ、特に1990年代から急激な減少が見られました。2022年には42,416トンと、ピーク時の10分の1程度にまで縮小しています。この減少の背景には、地政学的リスクや国内外の市場変化が影響していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 41,961
-1.07% ↓
2022年 42,416
-8.11% ↓
2021年 46,158
-5.58% ↓
2020年 48,885
2.61% ↑
2019年 47,640
-15.36% ↓
2018年 56,283
-15.95% ↓
2017年 66,961
-2.94% ↓
2016年 68,989
14.24% ↑
2015年 60,391
-10.54% ↓
2014年 67,506
-14.63% ↓
2013年 79,070
-10.91% ↓
2012年 88,757
24.94% ↑
2011年 71,039
-15.24% ↓
2010年 83,808
-18.36% ↓
2009年 102,660
-17.58% ↓
2008年 124,550
10.26% ↑
2007年 112,956
-38.6% ↓
2006年 183,955
58.22% ↑
2005年 116,267
-14.2% ↓
2004年 135,509
9.91% ↑
2003年 123,295
0.75% ↑
2002年 122,377
-14.99% ↓
2001年 143,958
11.68% ↑
2000年 128,902
-5.74% ↓
1999年 136,754
36.89% ↑
1998年 99,903
-11.82% ↓
1997年 113,297
6.51% ↑
1996年 106,367
4.28% ↑
1995年 102,000
4.08% ↑
1994年 98,000
2.08% ↑
1993年 96,000
1.05% ↑
1992年 95,000
5.56% ↑
1991年 90,000
2.27% ↑
1990年 88,000
-2.22% ↓
1989年 90,000
-69.28% ↓
1988年 293,000
12.69% ↑
1987年 260,000
-22.39% ↓
1986年 335,000
0.87% ↑
1985年 332,100
2.31% ↑
1984年 324,600
-0.64% ↓
1983年 326,700
6.24% ↑
1982年 307,500
-33.44% ↓
1981年 462,000
1.54% ↑
1980年 455,000
1.37% ↑
1979年 448,840
1.54% ↑
1978年 442,020
5.81% ↑
1977年 417,760
-3% ↓
1976年 430,680
50.68% ↑
1975年 285,820
5.86% ↑
1974年 270,000
2.66% ↑
1973年 263,000
3.14% ↑
1972年 255,000
2.82% ↑
1971年 248,000
2.48% ↑
1970年 242,000
3.86% ↑
1969年 233,000
4.02% ↑
1968年 224,000
6.67% ↑
1967年 210,000
5% ↑
1966年 200,000
11.11% ↑
1965年 180,000
12.5% ↑
1964年 160,000
14.29% ↑
1963年 140,000
16.67% ↑
1962年 120,000
20% ↑
1961年 100,000 -

コロンビアは、農業が重要な経済基盤の一つとして国家経済に寄与している国の一つです。キャベツはその中でも主要な農作物の一部を占めてきました。データを見ると、1961年から1976年にかけて生産量は持続的に増加を示し、最高で430,680トン(1976年)に達しました。この時期は、国内農業の技術革新や気候条件の恩恵を受けて生産効率が向上した時期だと考えられます。しかし、それ以降は減少、停滞、ないし変動を繰り返し、2000年代には以前の生産規模を大きく下回るレベルに低下しました。

特に1990年代に入ると、キャベツ生産量は著しく縮小しました。1990年の生産量は88,000トンと1970年代と比較して劇的な下降を記録しています。この減少傾向の背景には、内戦や地政学的リスクといった要因に加え、農地利用の多様化や輸出市場の変化が影響しており、国内農業の競争力が衰退したことが要因として考えられます。また、気候変動がキャベツの栽培適地や収穫量に影響している可能性も無視できません。

さらに2020年代以降は、新型コロナウイルスのパンデミックやそれに伴う経済の停滞も影響したと推測されます。2022年には生産量が42,416トンまで落ち込み、1960年代の水準をも下回る厳しい状況となっています。この減少が示すのは、キャベツ生産業が持続的に危機に直面しているという現実です。

このような長期的な生産量の減少に対する具体的な課題としては、気候変動への適応戦略、キャベツ市場の需要供給の変化対応、農業技術の更新の遅れ、農家への適切な支援政策の欠如などが挙げられます。特に、気候変動が作物の生産に及ぼす影響を緩和するためには、乾燥耐性や病害虫耐性を持つ品種の導入や、効率的な灌漑管理の実施が求められます。また、地政学的リスクによる輸送コストや商品価格への影響を軽減するため、地域間の協力ネットワークを構築することも重要です。

国や国際機関は、これらの課題に対応するために具体的な施策を講じる必要があります。たとえば、農民への技術指導や保険制度の整備、持続可能な農業を推進するための補助金の提供が挙げられます。また、地域の農産物市場を活性化するため、国際的な輸出ルートを再評価し、潜在的な市場を開拓する取り組みも必要でしょう。

結論として、コロンビアのキャベツ生産量の減少が続く中で、その背後にある複合的な要因に対応する必要性が高まっています。持続可能な農業を実現するためには、政策、技術、国際協力の側面から包括的な取り組みを進めるべきです。これにより、キャベツ生産の安定と将来的な成長が期待されます。