Skip to main content

コロンビアのメロン生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによれば、コロンビアのメロン生産量は1961年の5,700トンから2023年の71,606トンに大きく伸びています。生産量は全般的に増加し続けていますが、特に1990年代以降の伸びが著しいです。一方で、気候変動や経済的要因が影響して一部に大きな変動を見せた時期も見られます。2022年から2023年にかけてはやや落ち着いているものの、比較的安定した生産量を維持しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 71,606
4.93% ↑
2022年 68,242
-7.1% ↓
2021年 73,455
-9.48% ↓
2020年 81,148
-20.27% ↓
2019年 101,782
40.02% ↑
2018年 72,691
22.16% ↑
2017年 59,504
-15.84% ↓
2016年 70,699
21.58% ↑
2015年 58,148
-18.78% ↓
2014年 71,595
23.03% ↑
2013年 58,195
24.29% ↑
2012年 46,820
7.02% ↑
2011年 43,751
-10.27% ↓
2010年 48,761
4.9% ↑
2009年 46,485
18.15% ↑
2008年 39,344
-1.53% ↓
2007年 39,956
84.39% ↑
2006年 21,669
-33.17% ↓
2005年 32,425
18.92% ↑
2004年 27,267
-17.22% ↓
2003年 32,941
7.89% ↑
2002年 30,533
52.11% ↑
2001年 20,073
38.55% ↑
2000年 14,488
28.78% ↑
1999年 11,250
-22.18% ↓
1998年 14,456
11.66% ↑
1997年 12,947
36.28% ↑
1996年 9,500
-10.7% ↓
1995年 10,638
11.59% ↑
1994年 9,533
5.92% ↑
1993年 9,000
14.83% ↑
1992年 7,838
-23.95% ↓
1991年 10,307
104.67% ↑
1990年 5,036
-27.18% ↓
1989年 6,916
-5.58% ↓
1988年 7,325
-46.14% ↓
1987年 13,599
2.61% ↑
1986年 13,253
19.94% ↑
1985年 11,050
8.33% ↑
1984年 10,200
47.83% ↑
1983年 6,900
1.47% ↑
1982年 6,800
1.49% ↑
1981年 6,700
1.52% ↑
1980年 6,600 -
1979年 6,600
5.26% ↑
1978年 6,270
1.79% ↑
1977年 6,160
12% ↑
1976年 5,500
-12.81% ↓
1975年 6,308
-13.67% ↓
1974年 7,307
4.39% ↑
1973年 7,000
1.45% ↑
1972年 6,900
2.99% ↑
1971年 6,700
1.52% ↑
1970年 6,600
1.54% ↑
1969年 6,500
1.56% ↑
1968年 6,400
1.59% ↑
1967年 6,300
1.61% ↑
1966年 6,200
1.64% ↑
1965年 6,100
1.67% ↑
1964年 6,000
1.69% ↑
1963年 5,900
1.72% ↑
1962年 5,800
1.75% ↑
1961年 5,700 -

コロンビアのメロン生産量は、1960年代から始まった農業の近代化を背景として着実に増加を見せてきました。当初の生産量は5,700〜7,000トン程度で推移していましたが、1984年から1987年にかけて短期間で急増し、一時は13,000トンを超える水準にまで達しました。この時期の急激な増加は、耐病性の高い新品種の導入や国内流通の効率化、そして国際市場の需要の高まりに起因していると考えられます。

一方で、1988年以降には経済的な不安定性や輸送インフラの課題が顕在化し、1990年には一時的に5,036トンまで減少しました。しかし、その後は政策的な支援や技術導入が進み、2000年代になると急上昇を見せ 2009年には初めて46,000トン台に達し、2018年には70,000トンを超えました。そして2019年には100,000トンを突破して記録的な生産量を達成しました。

その背景には、国際市場での需要の拡大とコロンビアのメロンの高品質が評価されたことが挙げられます。また、農業における効率向上のための灌漑システムや施肥技術の普及が功を奏し、生産効率が向上したことも大きな要因です。ただし、2020年から2023年にかけては新型コロナウイルス感染症の影響で労働力不足や物流の問題が生じ、2020年には81,148トンとやや低下しました。その後一旦持ち直しを見せましたが、2022年に再度68,242トンと減少しました。これには、気候変動や異常気象による農業への影響も含まれています。

現状における課題としては、気候変動の影響緩和と生産の近代化が挙げられます。特に近年は異常気象がメロンの品質や収量に直接的な影響を及ぼしています。これに対しては、耐寒性や耐乾性に優れた新品種の開発や、安定した灌漑システムの整備、気象データの活用を通じたリスク管理が急務です。また、国内外市場の需要の変化をより迅速に把握し、生産と輸出を適切にコントロールするためのマーケティング戦略も重要です。さらに、農業労働者の待遇改善や専用の育成プログラムの実行は、長期的な農業の安定に欠かせません。

地政学的なリスクもまた、対策を講ずる上で無視できません。特定の地域での紛争や社会的な不安定性が農業の展開や輸出業務の妨げになる可能性があります。これを踏まえ、地域間の協力や国際的な枠組みを通じて安定的な農業ビジネス環境を構築することが重要だと言えます。

今後の具体的な対策として、政府や国際組織が積極的に資金援助を行い、灌漑技術の輸出や農業研究に投資することが勧められます。また、農業セクターに対する若年層の参入を促進するために、農業教育プログラムの強化や補助金制度の拡充も有効です。

コロンビアのメロン生産は今や世界的にも強い競争力を持つ部門の一つです。その持続的な成長のためには、生産だけでなく輸出・流通の効率性向上を図り、より広い市場への進出を目指すことが求められます。地球環境や市場の変化に柔軟に対応するための体制づくりが今後の鍵を握っていると言えます。