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コロンビアのイチゴ生産量推移(1961-2022)

Food and Agriculture Organization(FAO)が発表した最新データによると、2022年のコロンビアにおけるイチゴの生産量は113,949トンに達し、これは過去最高の記録となりました。イチゴ生産は1986年から着実に増加し、特に2007年以降、急激な成長を見せています。しかし、生産量の推移には波動があり、いくつかの年度では減少が見られます。2020年には99,901トンと大きく増加し、2022年にはさらなる拡大が実現しました。

年度 生産量(トン)
2022年 113,949
2021年 91,279
2020年 99,901
2019年 53,730
2018年 51,838
2017年 80,293
2016年 57,172
2015年 55,719
2014年 44,844
2013年 42,451
2012年 43,537
2011年 45,024
2010年 43,255
2009年 48,709
2008年 43,920
2007年 40,710
2006年 32,884
2005年 17,913
2004年 23,228
2003年 26,591
2002年 23,362
2001年 22,934
2000年 19,142
1999年 15,734
1998年 14,533
1997年 15,300
1996年 15,260
1995年 14,840
1994年 14,400
1993年 14,000
1992年 13,500
1991年 13,000
1990年 11,000
1989年 9,000
1988年 7,000
1987年 5,000
1986年 3,000

コロンビアのイチゴ生産は、1986年の3,000トンから2022年の113,949トンへと大きく増加しており、農業生産における一つの成功例といえます。1980年代後半から1990年代初頭にかけて顕著な成長がみられた後、1990年代中盤から2000年代初頭には緩やかな増加に転じ、2007年以降に劇的な成長を遂げました。この成長は、コロンビア国内の農業技術の進展、イチゴに対する世界的な需要の高まり、および輸出市場への参入強化によるものと推測されます。

しかしながら、データを見ると、いくつかの年度では減少が生じています。例えば、2004年の23,228トンは前年度の26,591トンから減少し、2005年にはさらに17,913トンにまで低下しています。同様に、2018年の51,838トンは2017年の80,293トンから大幅に低下しており、イチゴ生産には一定のリスクや不安定要素が存在していることがわかります。こうした要因には、気候変動による気象の不安定化、農地管理の課題、あるいは国際市場の状況変化が影響している可能性があります。

2020年になると、コロンビアのイチゴ生産は99,901トンに急増しました。この時期には新型コロナウイルスの世界的流行があり、国内外ともに農産品の需要構造や輸送網が変化しました。特に健康志向の高まりから、イチゴのような果物の需要が増加したと考えられます。2022年には最終的に113,949トンに到達し、コロンビアは新たな生産記録を打ち立てています。

このように発展を遂げる一方で、いくつかの課題に直面しています。例えば、大規模な生産増加が自然環境やエコシステムに与える影響に対する配慮が必要です。特に、農薬や化学肥料の使用が土壌や水源に与えるダメージを最小限に抑える対策が求められています。また、気候変動に伴うリスク管理として、持続可能な灌漑技術や耐候性の高い品種の導入が有効です。

国際市場において競争力を維持するためには、品質向上のための標準化の推進と輸出パートナーシップの強化が不可欠です。例えば、同じ中南米地域における競争相手であるメキシコやチリと比較すると、コロンビアの生産量はまだ追いつけていない局面がありますが、土地資源や気候の多様性を活用すれば、さらなる成長のポテンシャルがあります。

結論として、コロンビアのイチゴ生産は今後もさらなる成長が期待されていますが、持続可能性を考慮した政策と技術的拡張が鍵となります。このために、国内外での協力関係を強化しながら、環境保護と市場拡張を両立させる取り組みが必要です。農業部門における人材育成プログラムの実施や、地域住民を巻き込んだ生産支援政策も、長期的な成功への重要な要素となるでしょう。