Skip to main content

コロンビアのニンジン・カブ類生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国連食糧農業機関)が2024年7月に更新した最新のデータによると、コロンビアのニンジン・カブ類の生産量は、1961年の65,000トンから2023年には273,337トンまで増加しています。この間、一貫した増加傾向だけでなく、特定の年で急増や急減が見られるなど、生産の変動も特徴とされています。特に2008年と2020年にそれぞれ生産量が約300,000トンを記録したほか、1986年や1991年には大きな減少が見られるなど、安定した成長とは言えない状況も確認できます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 273,337
-6.16% ↓
2022年 291,279
5.55% ↑
2021年 275,965
-8.32% ↓
2020年 301,002
17.11% ↑
2019年 257,023
15.53% ↑
2018年 222,469
-22.35% ↓
2017年 286,505
28.15% ↑
2016年 223,569
-1.04% ↓
2015年 225,914
1.33% ↑
2014年 222,957
-6.33% ↓
2013年 238,031
-2.77% ↓
2012年 244,808
-7.23% ↓
2011年 263,874
0.5% ↑
2010年 262,568
-9% ↓
2009年 288,522
-3.65% ↓
2008年 299,452
29.73% ↑
2007年 230,832
2.1% ↑
2006年 226,079
5.81% ↑
2005年 213,670
18.93% ↑
2004年 179,665
3.09% ↑
2003年 174,283
20.21% ↑
2002年 144,980
-20.65% ↓
2001年 182,699
2.48% ↑
2000年 178,276
-1.31% ↓
1999年 180,647
3.23% ↑
1998年 175,000
2.94% ↑
1997年 170,000
3.03% ↑
1996年 165,000
3.13% ↑
1995年 160,000
9.17% ↑
1994年 146,558
-11.08% ↓
1993年 164,811
38.12% ↑
1992年 119,322
-6.88% ↓
1991年 128,139
-28.16% ↓
1990年 178,365
5.22% ↑
1989年 169,510
3.97% ↑
1988年 163,031
4.54% ↑
1987年 155,945
-22.71% ↓
1986年 201,778
15.95% ↑
1985年 174,024
20.02% ↑
1984年 145,000
7.89% ↑
1983年 134,400
-6.67% ↓
1982年 144,000
-4% ↓
1981年 150,000
-4.32% ↓
1980年 156,780
2.2% ↑
1979年 153,400
7.27% ↑
1978年 143,000
6.8% ↑
1977年 133,900
22.62% ↑
1976年 109,200
7.97% ↑
1975年 101,140
1.14% ↑
1974年 100,000
3.09% ↑
1973年 97,000
3.19% ↑
1972年 94,000
3.3% ↑
1971年 91,000
3.41% ↑
1970年 88,000
3.53% ↑
1969年 85,000
3.66% ↑
1968年 82,000
3.8% ↑
1967年 79,000
3.95% ↑
1966年 76,000
2.7% ↑
1965年 74,000
2.78% ↑
1964年 72,000
2.86% ↑
1963年 70,000
2.94% ↑
1962年 68,000
4.62% ↑
1961年 65,000 -

データ全体を通じて、コロンビアのニンジン・カブ類の生産量はおおむね増加傾向を示しています。しかし、いくつかの年で顕著な変動も見られます。1960年代から1970年代にかけては持続的な増加が確認され、1961年の65,000トンから1978年には143,000トンにまで倍以上の規模に成長しました。これは、当時の農業技術の進化やコロンビア国内での農地拡大の成果と言えるでしょう。しかし1980年代に入ると一時的な生産量の大幅な減少が見られ、これは内戦や治安悪化、農地の管理リスクが影響した可能性があります。この頃、コロンビアは麻薬問題が深刻化しており、合法作物の生産に影響を与えたことが考えられます。

2000年以降、特に2008年には299,452トンと過去最高の生産量を記録したことから、農業政策の改革や輸出先拡大が成功したと考えられます。ただし、その後も生産量は一貫して安定せず、2018年、2021年以降では特に環境リスクや市場需要の変動が影響を与えています。例として、極端な気象現象や新型コロナウイルスのパンデミックが農業従事者や流通インフラに及ぼした影響が挙げられます。2020年の300,000トン付近の復活傾向が見られた後、2023年には再度273,337トンと減少しています。これは、主として天候やコスト高騰による農家の負担増と推察されます。

コロンビアの地政学的背景を考えると、土地の肥沃さと農業多様化の可能性を有する一方で、組織的犯罪や土地の権利を巡る紛争が農業生産に不安定性をもたらしていることは否めません。また、国際市場での競争力強化として、効率的な農業技術の導入や、製品の輸送コスト低減に向けた政策が重要です。他国と比較すると、例えば米国や中国、日本のニンジン・カブ類生産がより規模の大きい機械化された農法に立脚しているのに対し、コロンビアは依然として農業従事者の労働集約的な作業に頼る傾向があります。これがコスト競争力の課題として浮かび上がっています。

今後は、生産の安定化を目指すため、気候変動への適応策、農業労働力への投資、さらには地域間協力の強化が求められます。特に中長期では、灌漑設備や防災インフラの充実、労働者支援策を講じることで、農業生産の持続可能性を確保することが適切でしょう。また、輸出市場開拓の支援と品質管理基準の厳格化も必要です。国際的な協力の枠組みに基づき、先進国からの技術的支援を得ることも視野に入れるべきです。

以上より、コロンビアのニンジン・カブ類生産は今後も潜在的な成長を遂げる可能性を秘めていますが、持続可能で競争力のある農業モデルへのシフトがその鍵を握っています。そして、これを実現するために、地政学的リスクの軽減とインフラ投資が引き続き重要な課題となるでしょう。