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タンザニア連合共和国のカカオ豆生産量推移(1961年~2023年)

タンザニア連合共和国のカカオ豆生産量は、1960年代には100~500トン規模と小規模なものでしたが、その後徐々に増加しました。2002年には4,000トン、2006年に6,900トン、2015年には過去最高の16,000トンに到達するという長期的な成長が見られました。しかし、近年は変動が見られ、2019年には7,000トンと一時的に減少したものの、2020年から2022年には14,000トンで安定しています。この傾向は、気候変動や農業技術、国際市場の需要など多くの要因に影響されています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 12,000
-14.29% ↓
2022年 14,000 -
2021年 14,000 -
2020年 14,000
100% ↑
2019年 7,000
-53.33% ↓
2018年 15,000
15.38% ↑
2017年 13,000 -
2016年 13,000
-18.75% ↓
2015年 16,000
39.13% ↑
2014年 11,500
91.67% ↑
2013年 6,000
-33.33% ↓
2012年 9,000
-5.26% ↓
2011年 9,500
18.75% ↑
2010年 8,000
-5.88% ↓
2009年 8,500
21.43% ↑
2008年 7,000 -
2007年 7,000
1.45% ↑
2006年 6,900
38% ↑
2005年 5,000
42.86% ↑
2004年 3,500
-22.22% ↓
2003年 4,500
12.5% ↑
2002年 4,000
73.91% ↑
2001年 2,300
9.52% ↑
2000年 2,100
-43.12% ↓
1999年 3,692
15.38% ↑
1998年 3,200 -
1997年 3,200
28% ↑
1996年 2,500
-7.41% ↓
1995年 2,700
237.5% ↑
1994年 800
-60% ↓
1993年 2,000
-13.12% ↓
1992年 2,302
-6.54% ↓
1991年 2,463
15.96% ↑
1990年 2,124
-4.84% ↓
1989年 2,232
12.56% ↑
1988年 1,983
0.05% ↑
1987年 1,982
24.58% ↑
1986年 1,591
28.83% ↑
1985年 1,235
-14.53% ↓
1984年 1,445
2.85% ↑
1983年 1,405
21.23% ↑
1982年 1,159
18.99% ↑
1981年 974
-7.33% ↓
1980年 1,051
-4.45% ↓
1979年 1,100
-29.94% ↓
1978年 1,570
108.5% ↑
1977年 753
-5.88% ↓
1976年 800
-11.11% ↓
1975年 900
28.57% ↑
1974年 700
16.67% ↑
1973年 600 -
1972年 600
20% ↑
1971年 500
25% ↑
1970年 400 -
1969年 400 -
1968年 400
100% ↑
1967年 200
100% ↑
1966年 100 -
1965年 100
-33.33% ↓
1964年 150
-25% ↓
1963年 200
-33.33% ↓
1962年 300
-33.33% ↓
1961年 450 -

最新のデータ(2024年7月時点)より、タンザニア連合共和国のカカオ豆生産量の長期的な傾向を見ると、初期の1960年代には低い生産量が続いていましたが、1970年代以降から徐々に増加し始めました。この当時の増加の理由の一つには、農業政策と国際市場の動向が考えられます。その後、1990年代初期には、一部で2,000トン以上の生産が見られ、1997年には3,200トン、2003年には4,500トンとさらなる拡大が見られました。

特に注目すべきポイントとして、2005年以降の大幅な成長が挙げられます。2006年には6,900トン、2011年には9,500トンと着実に記録を伸ばし、2014年には11,500トン、そして2015年には16,000トンという過去最高を達成しました。この時期には、グローバルな需要の高まりが生産拡大を促す要因となったほか、先進国や国際機関による農業支援プロジェクトも大きく寄与したと考えられます。しかし、その後の2019年には大きく下落し7,000トンとなり、近年(2020年から2022年)は14,000トン前後で安定した水準に落ち着いています。

地域的な課題としては、気候変動の影響が挙げられます。タンザニアは特に気温の上昇や降雨パターンの変化にさらされており、カカオ豆の栽培に適した地域が縮小する可能性が指摘されています。さらに、農家の高齢化や若年層の農業離れも生産量の安定にとって重要な課題です。国際市場での価格変動もまた、生産規模に影響を与える要因として無視できません。

将来的には、タンザニアが持続可能なカカオ豆生産を拡大するために、いくつかの取り組みが不可欠です。一つ目は、生産技術の向上や品種改良を通じた収穫効率の増加です。高収量の品種導入や適切な肥料・農薬の利用、灌漑技術の改良が重要です。二つ目は、農家や労働者への教育やトレーニングの強化であり、これにより品質向上と生産性の向上が期待されます。そして三つ目として、気候変動への適応策が挙げられます。具体的には、持続可能な農法の導入や森林伐採の防止、さらに代替となる収益源の確保が必要です。

また、タンザニアがこの分野で競争力を維持しつつ、国際市場での地位を高めるためには、政策と国際協力が重要です。アフリカ内での共同市場の拡大や取引先の多様化、さらにはフェアトレード認証の促進によって、農家の安定収入を支えることが可能です。加えて、EUやアメリカ、アジア市場での需要拡大を見据えた輸出戦略も有益でしょう。

結論として、カカオ豆生産量における長期的な増加傾向は国にとって好材料ですが、近年の変動や気候変動の影響を考慮すると、持続可能性に注力することが必要です。タンザニア政府のみならず、国際機関や民間企業の協力が、地域の農業発展や経済成長に大きな役割を果たすと期待されています。