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タンザニア連合共和国の落花生生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、タンザニア連合共和国の落花生生産量は、1960年代から2023年までの間で劇的な増減を見せてきました。1961年の4万トンから始まり、生産量は2000年代以降特に急激な拡大を遂げました。特に2013年から2015年にかけては150万トンを超えるピークを記録しましたが、その後は減少と増加を繰り返しています。2023年においては586,216トンとやや落ち込んでいます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 586,216
-17.43% ↓
2022年 710,000 -
2021年 710,000
2.9% ↑
2020年 690,000
1.47% ↑
2019年 680,000
1.49% ↑
2018年 670,000
3.08% ↑
2017年 650,000
1.56% ↑
2016年 640,000
-65.14% ↓
2015年 1,835,933
12.27% ↑
2014年 1,635,335
14.76% ↑
2013年 1,425,000
75.93% ↑
2012年 810,000
24.35% ↑
2011年 651,397
40% ↑
2010年 465,290
33.72% ↑
2009年 347,970
2.11% ↑
2008年 340,770
-16.49% ↓
2007年 408,058
16.59% ↑
2006年 350,000
19.1% ↑
2005年 293,870
-11.39% ↓
2004年 331,660
-2.23% ↓
2003年 339,225
-2.18% ↓
2002年 346,790
67.69% ↑
2001年 206,800
297.69% ↑
2000年 52,000
-29.73% ↓
1999年 74,000
1.37% ↑
1998年 73,000
1.39% ↑
1997年 72,000
-2.7% ↓
1996年 74,000
2.78% ↑
1995年 72,000
1.64% ↑
1994年 70,836
1.19% ↑
1993年 70,000
7.69% ↑
1992年 65,000
-7.14% ↓
1991年 70,000
16.67% ↑
1990年 60,000
9.09% ↑
1989年 55,000
2.04% ↑
1988年 53,900
-10.17% ↓
1987年 60,000
2.21% ↑
1986年 58,701
-0.51% ↓
1985年 59,000 -
1984年 59,000
1.72% ↑
1983年 58,000 -
1982年 58,000
3.57% ↑
1981年 56,000
3.7% ↑
1980年 54,000
3.85% ↑
1979年 52,000
15.56% ↑
1978年 45,000
-5.35% ↓
1977年 47,546
-35.75% ↓
1976年 74,000
60.87% ↑
1975年 46,000
4.55% ↑
1974年 44,000
-17.85% ↓
1973年 53,559
83.86% ↑
1972年 29,131
-16.18% ↓
1971年 34,756
2.78% ↑
1970年 33,817
20.23% ↑
1969年 28,128
-48.75% ↓
1968年 54,889
22.53% ↑
1967年 44,796
-10.6% ↓
1966年 50,106
2.6% ↑
1965年 48,837
6.97% ↑
1964年 45,656
1.46% ↑
1963年 45,000 -
1962年 45,000
12.5% ↑
1961年 40,000 -

タンザニア連合共和国の落花生生産量について1970年代から2023年のデータを振り返ると、時代ごとの政治、経済、技術的要因、及び世界的な市場動向が生産量の変動に密接に関連していることが分かります。

まず1960年代から1980年代半ばまでの期間では、落花生の生産は年間3万トンから5万トン前後で推移しており、経済の構造転換や農業技術の発展が限定的だったことが背景にあります。しかしながら、1980年代末から1990年代に入ると、農業改革や新技術の導入、さらには地域間協力の促進により徐々に生産量が7万トン程度まで増加しました。特筆すべきは、2001年から2013年にかけての急激な成長です。この間、タンザニアは206,800トンから1,425,000トンへと生産量を大幅に増加させ、市場における地位を飛躍的に強化しました。

この劇的な拡大の背景には、政府の農業振興政策、農地の拡大、効率的な灌漑(かんがい)システムの構築、さらには農業機械の導入が挙げられます。また、中国やインドといった新興国市場への輸出需要が増加し、これが生産の活発化を促進しました。同時に、落花生はタンザニア国内におけるタンパク源としての重要性も高まり、食料保安の側面から生産が奨励されました。

しかしながら、2016年以降のデータを見ると、ピーク時からの減少が確認されます。例えば、2016年には640,000トン、2023年には586,216トンと、2015年の1,835,933トンと比較して約3分の1以下の水準に落ち込んでいます。この減少の背景には、いくつかの地政学的および気候的要因が考えられます。まず、気候変動による干ばつや洪水の発生頻度が増加し、特に2020年代においては自然災害の影響が顕在化しました。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックが農業労働力の減少や物流の停滞を引き起こし、生産および貿易の拡大を妨げた可能性があります。

また、国際市場での競争激化も影響しています。アメリカや中国、インドといった主要な農産物輸出国との競争の中で、供給過剰や価格低迷がタンザニアの農業に負担をもたらしています。これにより、生産側の収益性が低下し、栽培面積の縮小や生産意欲の減退といった問題を引き起こしています。

今後の課題としては、持続可能な農業の実現が挙げられます。具体的には、気候変動への適応策としての耐乾性品種の開発や導入、気候予測技術の活用、灌漑インフラのさらなる整備が検討すべき優先課題です。また、国内外の市場アクセスを改善することで、生産者が十分な利益を享受できるよう、政府や国際機関が物流インフラの改善や輸出支援策を強化することも重要です。さらに、地域紛争や地政学的リスクにも備える必要があります。特に、隣国との貿易協力体制の強化を通じて、輸出市場の安定化を図るべきです。

結論として、タンザニアの落花生生産は、国内経済や食料供給、国際市場における競争力の観点で大きな可能性を秘めています。政府や国際機関による一層の支援と適切な政策介入が実現すれば、タンザニアの農業が持続的に発展し、地域ひいては世界の食糧安全保障への貢献をさらに強化することが期待されます。

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