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タンザニア連合共和国の茶葉生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2024年7月更新のデータによると、タンザニア連合共和国の茶葉生産量は1961年の4,459トンから一貫して増加し、1991年には85,000トンを記録しました。その後も増加傾向が続き、ピークは2008年の151,000トンに達しました。しかし、それ以降は年間ごとに変動がみられ、2022年には110,000トンに減少する結果となっています。この変動の背景には、気候変動や社会経済的要因が複雑に影響していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 103,000
-6.36% ↓
2022年 110,000
-21.43% ↓
2021年 140,000
12% ↑
2020年 125,000
-22.84% ↓
2019年 162,000
9.46% ↑
2018年 148,000
26.5% ↑
2017年 117,000
-17.61% ↓
2016年 142,000
-8.39% ↓
2015年 155,000
6.16% ↑
2014年 146,000
-0.68% ↓
2013年 147,000
2.8% ↑
2012年 143,000
2.88% ↑
2011年 139,000
-3.47% ↓
2010年 144,000
-3.36% ↓
2009年 149,000
-1.32% ↓
2008年 151,000
11.03% ↑
2007年 136,000
3.03% ↑
2006年 132,000
-0.75% ↓
2005年 133,000
1.53% ↑
2004年 131,000
9.17% ↑
2003年 120,000
12.15% ↑
2002年 107,000
-3.6% ↓
2001年 111,000
7.77% ↑
2000年 103,000
-5.5% ↓
1999年 109,000
14.74% ↑
1998年 95,000
-14.41% ↓
1997年 111,000
6.73% ↑
1996年 104,000
-1.89% ↓
1995年 106,000
-1.85% ↓
1994年 108,000
11.34% ↑
1993年 97,000
1.04% ↑
1992年 96,000
12.94% ↑
1991年 85,000
369.87% ↑
1990年 18,090
-10.36% ↓
1989年 20,180
26.57% ↑
1988年 15,944
-7.3% ↓
1987年 17,200
22.3% ↑
1986年 14,064
-9.48% ↓
1985年 15,537
-7.46% ↓
1984年 16,790
10.5% ↑
1983年 15,195
-13.42% ↓
1982年 17,551
12.96% ↑
1981年 15,537
-5.37% ↓
1980年 16,418
-5.14% ↓
1979年 17,307
1.75% ↑
1978年 17,009
-7.81% ↓
1977年 18,450
41.39% ↑
1976年 13,049
-5.94% ↓
1975年 13,873
13.18% ↑
1974年 12,258
-7.77% ↓
1973年 13,291
14.45% ↑
1972年 11,613
26.48% ↑
1971年 9,182
8.13% ↑
1970年 8,492
-3.5% ↓
1969年 8,800
6.13% ↑
1968年 8,292
12.07% ↑
1967年 7,399
7.06% ↑
1966年 6,911
21.63% ↑
1965年 5,682
18.08% ↑
1964年 4,812
-4.12% ↓
1963年 5,019
16.45% ↑
1962年 4,310
-3.34% ↓
1961年 4,459 -

タンザニア連合共和国はアフリカの茶葉生産国の中でも有力な地位を占めており、その生産量の推移は同国の農業経済や国際貿易にも大きな影響を与えます。1961年には4,459トンだった生産量は、次第に着実な拡大を遂げ、1991年以降10万トンを超える年が続きました。この成長は、主に農業技術の導入、輸出市場の拡大、国際的な需要の高まりなどによるものです。特にタンザニア南部やケニアとの国境地域では茶葉栽培が盛んで、地理的条件や降雨量が生産を支えています。

しかし、2008年の151,000トンをピークに、生産量の変動が目立つようになります。その後、2017年には117,000トン、2022年には110,000トンまで一時的な減少が記録されています。この背景には気候変動による降雨パターンの変化や、土壌の劣化、生産過程での人的資源やインフラの管理不足が挙げられます。また、継続的な社会不安や新型コロナウイルス感染症の影響が農業生産にも悪影響を及ぼしたと考えられます。

タンザニアの茶葉生産量の推移を他の主要茶葉生産国と比較してみると、中国やインドは同時期に一貫して生産量を増加させています。これらの国々は、茶葉生産を支えるための政府の補助金、技術革新、および国際市場での競争力強化を図る政策を実施しています。一方、タンザニアでは細かな政策目標の策定が求められる状況です。

この変動の課題を解決するためには、複数の具体的な対策が必要です。まず、気候変動に対する適応策として干ばつ耐性のある品種の開発と導入を進めるべきです。また、農地の土壌劣化を防止するための知識普及や資金援助も重要です。さらに、労働力やインフラの整備に投資を行い、国際市場での競争力を高める必要があります。

さらに、地政学的なリスクとして、タンザニアが茶葉輸出国として成長を続けるためには地域協力の強化が重要です。特に、ケニアやウガンダなど近隣諸国との協調を図り、共通の輸出プラットフォームやインフラ整備プロジェクトを立ち上げることが有効です。これにより、輸送コストの低減や市場アクセスの改善が見込まれます。

結論として、タンザニアの茶葉生産は長期的には拡大傾向にありますが、最近の下落傾向を踏まえると持続可能な生産体制の構築が急務です。これには具体的な政策対応が必要であり、政府だけでなく国際的な支援や民間投資の役割も不可欠です。タンザニアが引き続き国際市場で競争力を高めるためには、気候変動への適応策、品質向上、そして地域協力の推進が鍵となるでしょう。この取り組みが実現すれば、地元経済の強化とともに、国際的な持続可能な農業モデルの一つとして注目を集める存在になることが期待されます。