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タンザニア連合共和国のココナッツ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、タンザニア連合共和国のココナッツ生産量は年ごとに大きな変動を見せています。特に1990年代以降増加傾向が見られ、ピークは2000年代後半から2010年代にかけて記録されました。一方で、2018年以降は減少傾向が顕著で、2020年から2021年には過去25年間の中でも低い水準となっています。2022年と2023年にはやや回復を見せましたが、未だ安定していない状況にあります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 489,624
2.07% ↑
2022年 479,711
4.51% ↑
2021年 459,000 -
2020年 459,000
-8.93% ↓
2019年 504,000
-4% ↓
2018年 525,000
-18.22% ↓
2017年 642,000 -
2016年 642,000
20.68% ↑
2015年 532,000
-18.78% ↓
2014年 655,000
2.99% ↑
2013年 636,000
22.31% ↑
2012年 520,000
-5.45% ↓
2011年 550,000
-3.51% ↓
2010年 570,000
0.8% ↑
2009年 565,489
0.85% ↑
2008年 560,738
1.39% ↑
2007年 553,074
2.32% ↑
2006年 540,550
12.33% ↑
2005年 481,216
4.93% ↑
2004年 458,595
5.81% ↑
2003年 433,429
5.46% ↑
2002年 410,991
5.45% ↑
2001年 389,740
5.34% ↑
2000年 370,000
5.71% ↑
1999年 350,000
2.94% ↑
1998年 340,000
-8.11% ↓
1997年 370,000
-1.33% ↓
1996年 375,000
1.35% ↑
1995年 370,000
1.37% ↑
1994年 365,000
1.39% ↑
1993年 360,000
1.57% ↑
1992年 354,443
1.63% ↑
1991年 348,746
-23.62% ↓
1990年 456,568
30.45% ↑
1989年 350,000 -
1988年 350,000
2.94% ↑
1987年 340,000
3.03% ↑
1986年 330,000
3.13% ↑
1985年 320,000 -
1984年 320,000 -
1983年 320,000 -
1982年 320,000 -
1981年 320,000
3.23% ↑
1980年 310,000
3.33% ↑
1979年 300,000
3.45% ↑
1978年 290,000
7.41% ↑
1977年 270,000
-3.57% ↓
1976年 280,000
-3.45% ↓
1975年 290,000
-3.33% ↓
1974年 300,000 -
1973年 300,000
7.14% ↑
1972年 280,000
-3.45% ↓
1971年 290,000
-9.77% ↓
1970年 321,400
0.44% ↑
1969年 320,000
18.52% ↑
1968年 270,000
-6.9% ↓
1967年 290,000
5.07% ↑
1966年 276,000
0.85% ↑
1965年 273,670
-5.63% ↓
1964年 290,000
16% ↑
1963年 250,000
12.16% ↑
1962年 222,900
-3.45% ↓
1961年 230,856 -

タンザニア連合共和国はアフリカ大陸東部に位置しており、その温暖な気候はココナッツ栽培に適しています。データを振り返ると、1960年代から1980年代にかけて、ココナッツ生産量は年間約30万トン前後で概ね安定していました。しかし、1990年には45万6,568トンと急激な増加が見られ、これは生産技術の改善や農業政策による支援が影響した可能性があります。その後、1990年代から2000年代にかけても生産量は増加し、2006年には54万550トン、2009年には56万5,489トン、2013年には過去最高値となる約63万6,000トンを記録しました。

しかし、2014年以降のデータからは、一部の年で顕著な減少が確認されます。特に2018年には52万5,000トンまで低下し、2020年と2021年には45万9,000トンと30年ぶりの低水準に達しました。これにはいくつかの要因が考えられます。一つは、地球温暖化による気候変動です。タンザニアでは特に乾季の延長や降水量の不安定化が農業に影響を及ぼしています。また、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の世界的影響も軽視できません。労働力の供給が不足し、輸送や市場アクセスが制限される中で生産体制に混乱が生じたことが推測されます。

一方で、2022年と2023年には小幅ながら回復基調がみられ、それぞれ47万9,711トンおよび48万9,624トンに達しました。この回復は、政府と国際機関による農業支援プログラムなどが奏功した可能性があります。それでも、依然として2013年のピーク水準には程遠い状況にあります。

タンザニアのココナッツ生産が直面する課題には、農業インフラの近代化の遅れ、生産効率の限界、そして気候変動の影響があります。特に地政学的背景としては、急速に成長するアジア市場(特に中国やインド)の需要増加に対応する能力不足が挙げられます。これらの国々は輸入元を多様化し、高品質で持続可能な供給を求めていますが、タンザニアの供給チェーンはそのレベルに達していません。

これらの状況を踏まえた具体的な提言として、以下の施策が考えられます。短期的には、生産者への直接的な資金援助や災害時のリスク軽減を目指した保険制度の導入が必要です。中長期的には、耐干ばつ性や病害虫に強い品種の研究開発を進めるとともに、灌漑設備の拡充を行うことで、安定した収穫量を確保できる持続可能な農業基盤を構築することが求められます。また、輸送網の改善やデジタル技術を活用した市場情報の提供を通じて、国内外の需要に迅速かつ柔軟に応じられる供給体制を整備することも重要です。

国際的な協力も不可欠です。国際連合などのグローバル機関やアフリカ諸国間の連携の強化により、技術支援や資金調達を拡大し、持続可能な農業生産のモデルを構築することが期待されます。さらには、気候変動対策として、排出削減の取り組みを強化しつつ、リスク管理のノウハウを他国から積極的に吸収することが必要です。

全体として、タンザニアは豊かな自然条件を生かしながら、農業基盤の改革と国際市場との調和を進めることで、ココナッツ生産をさらなる発展へと導く可能性を秘めています。

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