世界のキュウリ類生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2022年度のキュウリ類生産量ランキングによると、1位は中国で約7725万トン、生産量の大部分を占めています。2位にはトルコ（約193万トン）、3位はロシア連邦（約163万トン）が続いています。ランキング10位の日本は約55万トンでアメリカ（約59万トン）より少し少ない生産量を記録しました。全体として、中国が圧倒的な生産量を誇る一方で、アジアや欧州を中心に各国の生産規模には大きな差があることが見受けられます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	77,258,256
2	トルコ	アジア	1,938,545
3	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,635,903
4	メキシコ	南アメリカ	1,078,210
5	ウズベキスタン	アジア	904,390
6	ウクライナ	ヨーロッパ	825,590
7	スペイン	ヨーロッパ	769,970
8	アメリカ合衆国	北アメリカ	595,630
9	カザフスタン	アジア	568,748
10	日本	アジア	548,600
11	エジプト	アフリカ	484,425
12	ポーランド	ヨーロッパ	472,200
13	インドネシア	アジア	444,057
14	イラン（イスラム共和国）	アジア	411,361
15	オランダ	ヨーロッパ	400,130
16	大韓民国	アジア	275,203
17	カメルーン	アフリカ	262,121
18	タジキスタン	アジア	257,203
19	アゼルバイジャン	アジア	246,572
20	ドイツ	ヨーロッパ	233,710
21	ベラルーシ	ヨーロッパ	228,448
22	スーダン	アフリカ	227,043
23	サウジアラビア	アジア	204,720
24	イラク	アジア	195,924
25	アルジェリア	アフリカ	190,925
26	インド	アジア	183,223
27	タイ	アジア	177,068
28	フランス	ヨーロッパ	175,180
29	バングラデシュ	アジア	173,998
30	ヨルダン	アジア	173,682
31	ギリシャ	ヨーロッパ	142,490
32	アルバニア	ヨーロッパ	129,896
33	キルギスタン	アジア	126,811
34	シリア・アラブ共和国	アジア	125,495
35	レバノン	アジア	123,685
36	アラブ首長国連邦	アジア	120,743
37	パキスタン	アジア	112,231
38	パレスチナ国	アジア	112,014
39	マリ	アフリカ	105,876
40	マレーシア	アジア	102,369
41	オマーン	アジア	97,139
42	イスラエル	アジア	80,492
43	クウェート	アジア	79,948
44	キューバ	南アメリカ	79,185
45	ルーマニア	ヨーロッパ	77,830
46	チュニジア	アフリカ	70,111
47	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	67,193
48	モロッコ	アフリカ	63,155
49	イタリア	ヨーロッパ	61,830
50	カナダ	北アメリカ	60,721
51	フィンランド	ヨーロッパ	56,960
52	アルメニア	アジア	56,536
53	ブルガリア	ヨーロッパ	52,270
54	ペルー	南アメリカ	50,559
55	オーストラリア	オセアニア	48,264
56	北マケドニア	ヨーロッパ	48,190
57	中国、台湾 中国省	アジア	47,083
58	イギリス	ヨーロッパ	45,000
59	ホンジュラス	南アメリカ	44,314
60	オーストリア	ヨーロッパ	44,110
61	チリ	南アメリカ	37,429
62	スリランカ	アジア	37,142
63	スウェーデン	ヨーロッパ	36,920
64	コロンビア	南アメリカ	36,790
65	ベルギー	ヨーロッパ	34,920
66	トルクメニスタン	アジア	34,243
67	セルビア	ヨーロッパ	30,751
68	南アフリカ	アフリカ	29,651
69	グルジア	アジア	26,000
70	リトアニア	ヨーロッパ	23,250
71	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	23,142
72	ハンガリー	ヨーロッパ	22,940
73	ジャマイカ	南アメリカ	22,012
74	ノルウェー	ヨーロッパ	21,709
75	コートジボワール	アフリカ	20,740
76	チェコ	ヨーロッパ	19,560
77	カタール	アジア	18,224
78	マラウイ	アフリカ	17,636
79	モルドバ共和国	ヨーロッパ	16,100
80	スイス	ヨーロッパ	16,067
81	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	15,704
82	デンマーク	ヨーロッパ	15,630
83	ケニア	アフリカ	14,404
84	フィリピン	アジア	14,070
85	イエメン	アジア	13,815
86	ドミニカ共和国	南アメリカ	13,071
87	ポルトガル	ヨーロッパ	12,470
88	クロアチア	ヨーロッパ	11,370
89	ラトビア	ヨーロッパ	8,140
90	エルサルバドル	南アメリカ	7,657
91	キプロス	アジア	7,650
92	リビア	アフリカ	7,164
93	モンゴル	アジア	7,003
94	モーリシャス	アフリカ	5,938
95	エストニア	ヨーロッパ	5,780
96	パナマ	南アメリカ	5,761
97	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	4,821
98	エクアドル	南アメリカ	4,689
99	スロバキア	ヨーロッパ	3,840
100	バーレーン	アジア	3,601
101	ガイアナ	南アメリカ	3,358
102	スロベニア	ヨーロッパ	2,630
103	ドミニカ	南アメリカ	2,349
104	コモロ	アフリカ	2,268
105	アイスランド	ヨーロッパ	2,086
106	中国、香港特別行政区	アジア	1,960
107	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,897
108	アイルランド	ヨーロッパ	1,790
109	エチオピア	アフリカ	1,675
110	コスタリカ	南アメリカ	1,651
111	ニジェール	アフリカ	1,593
112	プエルトリコ	南アメリカ	1,298
113	フィジー	オセアニア	1,289
114	バルバドス	南アメリカ	1,246
115	東ティモール	アジア	1,170
116	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,141
117	ブータン	アジア	1,126
118	セントルシア	南アメリカ	980
119	カーボベルデ	アフリカ	890
120	マルタ	ヨーロッパ	820
121	マダガスカル	アフリカ	629
122	フランス領ポリネシア	オセアニア	628
123	ニュージーランド	オセアニア	606
124	グレナダ	南アメリカ	595
125	コンゴ民主共和国	アフリカ	376
126	ベリーズ	南アメリカ	272
127	ジンバブエ	アフリカ	226
128	スリナム	南アメリカ	221
129	ガーナ	アフリカ	135
130	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	61
131	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	31
132	ルクセンブルク	ヨーロッパ	30
133	ガボン	アフリカ	23
134	ジブチ	アフリカ	7
135	ナウル	オセアニア	1
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2022年度における世界のキュウリ類の生産量は、中国が他国を大きく引き離し、総生産量のおよそ7割以上を占める結果となりました。その生産量は約7725万トンで、2位のトルコ（193万トン）や3位のロシア連邦（163万トン）を大きく上回っています。この結果は、中国が広大な農地と豊富な労働力、さらには効率的な農業技術を活用しているためと考えられています。一方、上位国の中でもトルコやロシアは地理的条件や気候の影響も利用しながら安定した生産を達成しています。

日本は548,600トンで10位にランクインしましたが、国内市場向け生産が主であり、輸出はごく限られた量にとどまっています。これは限られた農地面積、高い生産コスト、労働力不足といった国内農業特有の課題が影響しています。さらに、気候変動による天候不順や土壌環境の変化も生産に影響を与える要因となっています。一方で、日本のキュウリは品質が高く、一定の国内需要を満たしている点で競争力を維持しています。

アジアでは特にウズベキスタンやインドネシアなど、農業に依存する国々が上位にランクインしています。これらの国は、主に気候の適合性と地元市場の需要に支えられています。同時に、ヨーロッパではスペイン（約77万トン）やポーランド（約47万トン）などが比較的高い生産量を示し、地域間での輸出入において積極的な役割を果たしています。北米大陸ではアメリカが約59万トンと健闘していますが、メキシコ（約108万トン）がさらに上回る生産力を有しており、特に南北アメリカ市場での競争は注目されています。

課題としては、気候変動、農地利用問題、そして地政学的リスクが挙げられます。たとえば、ウクライナは約82万トンを生産し6位につけていますが、2022年以降の紛争が農業にも大きな影響を与えている可能性があります。このため、安定供給を確保するためには、地政学的な不安定性への対応も重要です。また、生産量の多い中国やトルコが今後、気候変動や環境問題にどのように対応していくかが、世界のキュウリ市場動向に重要な影響を及ぼすでしょう。

持続可能な農業のためには、各国の協力と効果的な政策が必要です。具体的には、効率的な農業技術や灌漑システムの導入、農地管理の改善、そして農家への支援強化が考えられます。また、日本においては高付加価値の農産物を輸出し、国際市場での競争力を高めることも戦略の一つと言えます。技術革新やIoT農業（センサーやデータ解析を活用した農業）の推進も、日本におけるキュウリ生産の効率を向上させるための鍵となるでしょう。

結論として、2022年度の世界キュウリ生産量ランキングは、一部の国に生産が集中している現状を示しています。将来的には、地域間の協力や農業技術の普及を通じて、より持続可能な食料生産体制を構築する必要があります。同時に、各国の地理的、社会経済的特性に応じた取り組みが求められます。国際社会としても、技術供与や気候変動への対応を通じて、地域間の格差を是正する努力が不可欠です。