イタリアの天然蜂蜜生産量の推移【1961年～2023年】世界ランキング・統計データ

出典： Food and Agriculture Organization「国際連合食糧農業機関」

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した最新データによると、イタリアの天然蜂蜜生産量は1961年以降長期的な変動を示し、ピークとなった1993年の13,200トンを境に全体として減少傾向にあります。その後の二十年程度、9,000トンから12,000トンの範囲に収まり、2017年の生産量は9,500トンとなっています。気候変動や環境問題の影響がうかがえる中、今後の持続可能な蜂蜜生産が求められる状況です。

年度	生産量(トン)	増減率
2017年	9,500	-2.11% ↓
2016年	9,705	0.73% ↑
2015年	9,634	1.15% ↑
2014年	9,525	0.26% ↑
2013年	9,500	-0.52% ↓
2012年	9,550	1.6% ↑
2011年	9,400	-6.52% ↓
2010年	10,056	-6.61% ↓
2009年	10,768	-6.99% ↓
2008年	11,577	-3.52% ↓
2007年	12,000	20% ↑
2006年	10,000	-23.08% ↓
2005年	13,000	30% ↑
2004年	10,000	42.86% ↑
2003年	7,000	-12.5% ↓
2002年	8,000	-20% ↓
2001年	10,000	-
2000年	10,000	3.09% ↑
1999年	9,700	-11.82% ↓
1998年	11,000	-
1997年	11,000	-
1996年	11,000	10% ↑
1995年	10,000	-20% ↓
1994年	12,500	-5.3% ↓
1993年	13,200	5.6% ↑
1992年	12,500	13.64% ↑
1991年	11,000	10% ↑
1990年	10,000	6.38% ↑
1989年	9,400	4.44% ↑
1988年	9,000	-5.26% ↓
1987年	9,500	26.67% ↑
1986年	7,500	25% ↑
1985年	6,000	-
1984年	6,000	7.14% ↑
1983年	5,600	12% ↑
1982年	5,000	11.11% ↑
1981年	4,500	12.5% ↑
1980年	4,000	2.56% ↑
1979年	3,900	2.63% ↑
1978年	3,800	-41.54% ↓
1977年	6,500	-
1976年	6,500	3.17% ↑
1975年	6,300	-3.08% ↓
1974年	6,500	1.56% ↑
1973年	6,400	1.59% ↑
1972年	6,300	-10% ↓
1971年	7,000	-2.78% ↓
1970年	7,200	-2.7% ↓
1969年	7,400	-
1968年	7,400	5.71% ↑
1967年	7,000	6.06% ↑
1966年	6,600	10% ↑
1965年	6,000	-7.69% ↓
1964年	6,500	8.33% ↑
1963年	6,000	3.45% ↑
1962年	5,800	-
1961年	5,800	-
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イタリアでは、天然蜂蜜の生産が食品産業や地方経済において重要な位置を占めています。1961年から1993年にかけて、生産量は増加基調を辿りました。これは、農業技術の進展や多様な蜂蜜需要の拡大が後押しした結果といえます。しかし1993年の13,200トンという最高記録を境に減少が見られ、2017年時点では9,500トンに落ち着きました。この減少トレンドは、いくつかの要因が重なった結果として説明できます。

まず、気候変動の影響が大きいと考えられます。気温上昇や異常気象の頻発は養蜂業に悪影響を及ぼします。例えば、長引く暑さや乾燥は花蜜の生成を妨げ、蜂の活動範囲や生息環境を制約します。さらに、地中海地域では夏季の熱波や降水不足に見舞われることが増え、イタリアも例外ではありません。この状況は、蜜蜂の生育環境を悪化させ、結果的に生産量の低下を引き起こしています。

また、農業に関連する環境問題も深刻です。農薬の使用増加に伴う蜜蜂コロニーの衰退（いわゆる「蜂群崩壊症候群」）が大きな課題となっています。特にネオニコチノイド系農薬の使用は、蜜蜂の神経系にダメージを与え、コロニー全体の崩壊を招く要因として指摘されています。この問題はイタリア国内だけではなく、EU全体や世界的にも懸念されています。

さらに、市場の競争も影響を与えています。中国をはじめとする輸出大国からの低価格蜂蜜の流入により、イタリア国内の養蜂業者は価格競争にさらされる形となっています。このような国際的な競争環境の中で、付加価値の高いブランド戦略や有機蜂蜜の生産へとシフトすることが鍵になります。

未来に向けた課題としては、蜂蜜生産の持続可能性をいかに確保するかが最重要テーマです。そのためには、いくつかの具体的な対策が提言されます。まず、国レベルでの環境政策の強化が必要です。蜜蜂に有害な農薬の使用を制限し、自然の生態系保全を徹底することが求められます。EUが先導する緑の政策（グリーン・ディール）に基づき、養蜂に特化した支援プログラムを拡充することも効果的なアプローチといえるでしょう。

さらに、養蜂業者自身の活動も重要です。気候適応型養蜂技術の採用や、地元自然を生かした蜜源植物の栽培など、創意工夫をこらした取組が生産量の安定化と品質向上に繋がります。加えて、市場における競争力を強化するため、国際市場でのイタリア産蜂蜜の認知度を高めるプロモーション活動も欠かせません。これには「イタリア産有機蜂蜜」のブランド確立が役立ちます。

最終的に、これらの取り組みを通じてイタリアが気候変動、環境問題、国際市場の圧力といった地政学的リスクを乗り越え、蜂蜜生産量の回復および持続可能性を実現することが期待されます。この分野で成功すれば、イタリアは蜂蜜生産において再び他国へのモデルとなるでしょう。

イタリアってどんな国?

正式名称: イタリア共和国
英語名: Italy
首都: ローマ（Rome）
地域: ヨーロッパ /南ヨーロッパ
面積: 295,717 ㎢

イタリアの天然蜂蜜生産量の推移【1961年～2023年】世界ランキング・統計データ

イタリアってどんな国?

イタリアの統計データ

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