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イタリアの柿生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2024年時点の最新データによると、イタリアの柿の生産量は長期間にわたり変動を続けています。1961年には70,740トンだった生産量は、一時的に上昇しながらも年々減少しており、2017年には49,675トンとおよそ30%減少しました。この変動には地政学的要因、農業技術の変化、気候変動の影響などが複合的に絡んでいると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 49,675
2.16% ↑
2016年 48,626
2.75% ↑
2015年 47,322
20.88% ↑
2014年 39,149
-6.47% ↓
2013年 41,858
-18.19% ↓
2012年 51,165
1.62% ↑
2011年 50,347
4.53% ↑
2010年 48,165
-6.64% ↓
2009年 51,593
-0.01% ↓
2008年 51,600
-1.71% ↓
2007年 52,500
-1.13% ↓
2006年 53,100
3.44% ↑
2005年 51,332
-10.12% ↓
2004年 57,110
21.51% ↑
2003年 47,000
-13.24% ↓
2002年 54,170
12.29% ↑
2001年 48,240
13.64% ↑
2000年 42,450
4.12% ↑
1999年 40,769
-34.24% ↓
1998年 62,000
3.68% ↑
1997年 59,800
-11.8% ↓
1996年 67,800
10.6% ↑
1995年 61,300
25.1% ↑
1994年 48,999
-13.66% ↓
1993年 56,753
-14.72% ↓
1992年 66,546
7.66% ↑
1991年 61,810
-10.12% ↓
1990年 68,770
-5.69% ↓
1989年 72,920
5.42% ↑
1988年 69,170
-0.93% ↓
1987年 69,820
0.17% ↑
1986年 69,700
24.02% ↑
1985年 56,200
-28.32% ↓
1984年 78,400
2.22% ↑
1983年 76,700
17.28% ↑
1982年 65,400
4.14% ↑
1981年 62,800
2.78% ↑
1980年 61,100
4.44% ↑
1979年 58,500
1.21% ↑
1978年 57,800
-6.92% ↓
1977年 62,100
2.32% ↑
1976年 60,690
1.15% ↑
1975年 60,000
-5.51% ↓
1974年 63,500
7.63% ↑
1973年 59,000
-4.38% ↓
1972年 61,700
4.22% ↑
1971年 59,200
-0.67% ↓
1970年 59,600
-19.46% ↓
1969年 74,000
0.95% ↑
1968年 73,300
-0.41% ↓
1967年 73,600
3.08% ↑
1966年 71,400
-0.83% ↓
1965年 72,000
-2.04% ↓
1964年 73,500
-2.26% ↓
1963年 75,200
3.25% ↑
1962年 72,830
2.95% ↑
1961年 70,740 -
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イタリアの柿生産量の推移を見ると、1961年の70,740トンをピークに、1970年代以降はおおむね減少傾向を示しています。ただし、一部の期間や特定の年には、中期的な回復や短期的な増加が見られることも特徴です。たとえば1983年には76,700トンという比較的大きな生産量に達し、その後も波を描くように生産量が変動しました。しかしながら、1990年代に入ると50,000トンを大きく下回る年も現れるようになり、2017年時点では49,675トンと、1960年代と比べて約21,000トンの減少幅が見られました。

特に注目すべきは、1994年から1999年にかけて生産量が急激に減少したことであり、1999年には過去最低となる40,769トンを記録しました。この期間には地中海地域全体での農業生産に悪影響を与える異常な気候条件、例えば極度の暑さや干ばつが影響した可能性が考えられます。また、都市化の進展に伴う農地の減少や、若年層の農業離れといった社会的要因も無視できない要素です。

他国との比較からは更に広い視点が得られます。日本や韓国などアジア諸国では、柿が主要な果物として位置付けられているため品種改良や輸出市場拡大に注力しており、収穫量が安定しています。一方、中国では柿の栽培面積と生産量が圧倒的で、世界需要を牽引しています。これに対してイタリアでは国内消費が中心で、輸出量が少ないゆえに市場競争力がやや弱まっている可能性があります。

気候変動の影響を考慮すると、イタリアにとって柿栽培の継続は今後ますます困難になるかもしれません。この地域における平均気温上昇や水資源不足は、果実の品質低下や収穫量減少をもたらす要因です。また、害虫や植物病害のリスクも気候変動に伴って高まっています。これらの課題に直面する中で、栽培農家の収益低下や農作物の多角化が進むことは避けられないでしょう。

イタリアが持続可能な柿産業を維持・発展させるためには、いくつかの具体的な対策が考えられます。まず、気候変動に適応した品種改良や、耐乾性・病害耐性を持つ柿の育種が不可欠です。さらに、柿の栄養価や健康効果を強調したブランド化を進め、国際市場での競争力強化を図ることが重要です。日本や中国のように広範囲な輸出拡大に向けた研究開発とマーケティング戦略を組み合わせることで、イタリアの柿生産に新たな可能性を開拓できるでしょう。

結論として、このデータからはイタリアにおける柿栽培が歴史的に重要である一方、その生産量が気候変動や経済的要因、国際市場の変化の影響を受けていることが示唆されます。今後、国やEUレベルの政策、例えば農業支援や地域協力体制の強化を通じて、持続可能な生産モデルを確立すべき時期に来ているのではないでしょうか。それにより、気候変動の影響を最小限に抑えつつ、農業収益を安定させることができると考えられます。

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