世界の天然蜂蜜生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2013年度の天然蜂蜜生産量ランキングで、中国が圧倒的な450,300トンの生産量で1位を記録しました。2位のトルコ（94,694トン）や3位のイラン（イスラム共和国、74,600トン）に倍以上の差をつけ、中国が世界市場での主要な地位を示しています。アジア諸国の台頭が目立つ一方、日本はこのランキングで2,766トンの生産量を記録し、全世界の中で63位と中位に位置しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	450,300
2	トルコ	アジア	94,694
3	イラン（イスラム共和国）	アジア	74,600
4	ウクライナ	ヨーロッパ	73,713
5	ロシア連邦	ヨーロッパ	68,446
6	アメリカ合衆国	北アメリカ	67,812
7	アルゼンチン	南アメリカ	67,500
8	インド	アジア	61,000
9	メキシコ	南アメリカ	56,907
10	エチオピア	アフリカ	48,941
11	ブラジル	南アメリカ	35,365
12	カナダ	北アメリカ	34,685
13	スペイン	ヨーロッパ	30,613
14	タンザニア連合共和国	アフリカ	30,000
15	ルーマニア	ヨーロッパ	26,678
16	大韓民国	アジア	24,613
17	アンゴラ	アフリカ	23,300
18	ドイツ	ヨーロッパ	18,953
19	ハンガリー	ヨーロッパ	18,500
20	ニュージーランド	オセアニア	17,823
21	中央アフリカ共和国	アフリカ	16,200
22	ギリシャ	ヨーロッパ	15,697
23	ポーランド	ヨーロッパ	15,498
24	オーストラリア	オセアニア	13,864
25	ウルグアイ	南アメリカ	12,952
26	ベトナム	アジア	12,883
27	フランス	ヨーロッパ	11,771
28	中国、台湾 中国省	アジア	11,131
29	チリ	南アメリカ	11,000
30	ブルガリア	ヨーロッパ	10,065
31	イタリア	ヨーロッパ	9,500
32	ポルトガル	ヨーロッパ	9,346
33	クロアチア	ヨーロッパ	8,992
34	イギリス	ヨーロッパ	8,575
35	セルビア	ヨーロッパ	8,554
36	タイ	アジア	8,500
37	ケニア	アフリカ	8,250
38	チェコ	ヨーロッパ	8,063
39	ウズベキスタン	アジア	7,198
40	キューバ	南アメリカ	7,000
41	アルジェリア	アフリカ	6,147
42	グアテマラ	南アメリカ	5,770
43	エジプト	アフリカ	5,405
44	オーストリア	ヨーロッパ	5,000
45	ルワンダ	アフリカ	4,367
46	カメルーン	アフリカ	4,350
47	パキスタン	アジア	4,300
48	グルジア	アジア	3,900
49	スロバキア	ヨーロッパ	3,867
50	スイス	ヨーロッパ	3,826
51	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	3,644
52	タジキスタン	アジア	3,511
53	モロッコ	アフリカ	3,500
54	イスラエル	アジア	3,400
55	モルドバ共和国	ヨーロッパ	3,398
56	セネガル	アフリカ	3,340
57	スウェーデン	ヨーロッパ	3,118
58	チュニジア	アフリカ	3,050
59	アルバニア	ヨーロッパ	3,000
60	マダガスカル	アフリカ	3,000
61	ミャンマー	アジア	2,954
62	シリア・アラブ共和国	アジア	2,896
63	日本	アジア	2,766
64	ベラルーシ	ヨーロッパ	2,752
65	コロンビア	南アメリカ	2,691
66	イエメン	アジア	2,614
67	アゼルバイジャン	アジア	2,457
68	スロベニア	ヨーロッパ	2,400
69	ドミニカ共和国	南アメリカ	2,261
70	アルメニア	アジア	2,100
71	アフガニスタン	アジア	2,000
72	リトアニア	ヨーロッパ	1,848
73	パラグアイ	南アメリカ	1,800
74	カザフスタン	アジア	1,703
75	エルサルバドル	南アメリカ	1,695
76	ラトビア	ヨーロッパ	1,666
77	ネパール	アジア	1,625
78	レバノン	アジア	1,620
79	キルギスタン	アジア	1,609
80	フィンランド	ヨーロッパ	1,600
81	ペルー	南アメリカ	1,600
82	デンマーク	ヨーロッパ	1,500
83	マリ	アフリカ	1,441
84	コスタリカ	南アメリカ	1,134
85	南アフリカ	アフリカ	1,086
86	チャド	アフリカ	1,050
87	ギニア	アフリカ	987
88	エストニア	ヨーロッパ	979
89	ノルウェー	ヨーロッパ	940
90	エクアドル	南アメリカ	850
91	シエラレオネ	アフリカ	814
92	トルクメニスタン	アジア	800
93	リビア	アフリカ	800
94	北マケドニア	ヨーロッパ	784
95	ジャマイカ	南アメリカ	780
96	ザンビア	アフリカ	750
97	ブルンジ	アフリカ	747
98	スーダン	アフリカ	740
99	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	672
100	コートジボワール	アフリカ	610
101	ニカラグア	南アメリカ	595
102	東ティモール	アジア	570
103	パナマ	南アメリカ	547
104	モザンビーク	アフリカ	545
105	モンテネグロ	ヨーロッパ	510
106	パレスチナ国	アジア	475
107	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	455
108	ハイチ	南アメリカ	425
109	キプロス	アジア	373
110	オマーン	アジア	297
111	アイルランド	ヨーロッパ	254
112	サモア	オセアニア	216
113	フィジー	オセアニア	216
114	ヨルダン	アジア	162
115	パプアニューギニア	オセアニア	153
116	ギニアビサウ	アフリカ	144
117	ホンジュラス	南アメリカ	120
118	フランス領ポリネシア	オセアニア	112
119	サウジアラビア	アジア	108
120	ニューカレドニア	オセアニア	104
121	イラク	アジア	99
122	ルクセンブルク	ヨーロッパ	87
123	ガイアナ	南アメリカ	85
124	プエルトリコ	南アメリカ	53
125	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	51
126	ベリーズ	南アメリカ	45
127	モンゴル	アジア	39
128	スリナム	南アメリカ	24
129	トンガ	オセアニア	13
130	ニウエ	オセアニア	7
131	ツバル	オセアニア	4
132	クック諸島	オセアニア	1
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2013年の天然蜂蜜の生産量データにおいて、中国が約45万トンを生産し、世界の蜂蜜市場を牽引する主要生産国であることが明らかとなりました。この数字は、2位となったトルコの94,694トンの約4.7倍に匹敵し、全体でも突出していることを示しています。中国の主要生産地域には、気候が蜂蜜の生成に適した広東省や山西省などが含まれます。また、中国は単に生産量だけではなく、輸出市場でも大きな役割を果たしており、これは同国の農業の多様化や技術水準の高さによる結果とみられます。

トルコやイランは、それぞれ2位、3位にランクインし、温暖な気候と自然に恵まれた環境が、蜂蜜生産にとって大きな強みとなっています。特にトルコは有名な「花蜜」蜂蜜の生産地であり、国際市場での評価が高い一方、輸出と国内消費のバランス維持が課題となっています。一方、ヨーロッパではウクライナやロシアといった東欧諸国が上位に入っており、これらの地域が持つ広大な農業地帯と豊富な花卉資源が背景として挙げられます。

アメリカ合衆国は67,812トンを生産し、6位に位置しています。同国では、近年、農薬使用や生態系の変化によるミツバチ減少（「蜂群崩壊症候群」）が問題となっており、蜂蜜産業と農業全体にリスクが生じています。これは将来的に生産能力に影響を与える可能性があります。また、日本では2,766トンと順位が低く、同じアジア圏内の中国やインド（61,000トン）の水準と大きな差があります。日本の地形的な制約、平均気温変化や農業の機械化の進展不足が一因となっています。

さらに目を向けると、メキシコ、エチオピア、アルゼンチンなど中南米やアフリカの国々が上位に位置しており、これらの地域は蜂蜜市場の新興勢力として注目されています。しかし、多くの途上国ではインフラや輸送の未整備が課題となっており、国際市場への参入にハードルが存在します。

天然蜂蜜の生産は地域の気候や農業政策、技術力に大きく依存するため、気候変動や環境破壊が今後の課題となります。特に、地政学的リスクとして、ウクライナや中東地域の不安定な政情は、蜂蜜の生産と供給にも少なからず影響を及ぼす可能性があります。また、世界の蜂業は疫病や害虫（例：バロアダニ）の影響を受け続けており、これらの克服も緊急課題です。

今後の具体的な対策としては、研究開発を通じた病害虫への耐性向上や、気候変動適応型の養蜂技術の普及が必要です。また、環境負荷の低減や農薬使用量の削減が生態系保全のための重要な取り組みだといえます。さらに、日本においては、産業規模の小さい地域生産者を支援し、地域ブランド化を進めることで差別化を図ることが有効でしょう。また、国際協力を通じた生産技術の共有や、輸送コストの削減をめざした制度構築も重要です。

2013年度データから読み取れるように、蜂蜜生産は国ごとに大きな違いがあり、地形、気候、政策、技術がそれぞれに影響を与えています。これらを踏まえた持続可能な生産と取引の仕組みづくりが、将来の蜂蜜産業発展に欠かせない課題として浮かび上がっています。