世界の天然蜂蜜生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2016年度の天然蜂蜜生産量ランキングデータによると、1位は中国（555,000トン）、2位はトルコ（105,727トン）、3位はアメリカ（73,429トン）でした。一方、日本は2,754トンで世界63位にランクインしています。全体的にアジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、中東、アフリカ地域それぞれの主要な生産国が存在感を示しており、地理条件や農業政策、輸出需要などが各国の生産量に大きく影響していると考えられます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	555,000
2	トルコ	アジア	105,727
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	73,429
4	ロシア連邦	ヨーロッパ	69,764
5	アルゼンチン	南アメリカ	68,123
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	67,783
7	インド	アジア	61,853
8	ウクライナ	ヨーロッパ	59,294
9	メキシコ	南アメリカ	55,358
10	エチオピア	アフリカ	47,706
11	カナダ	北アメリカ	42,900
12	ブラジル	南アメリカ	39,677
13	大韓民国	アジア	32,328
14	スペイン	ヨーロッパ	31,018
15	タンザニア連合共和国	アフリカ	30,112
16	ケニア	アフリカ	25,573
17	ハンガリー	ヨーロッパ	24,000
18	アンゴラ	アフリカ	23,399
19	ドイツ	ヨーロッパ	21,600
20	ルーマニア	ヨーロッパ	21,202
21	ギリシャ	ヨーロッパ	20,862
22	ニュージーランド	オセアニア	19,885
23	ポーランド	ヨーロッパ	18,893
24	ベトナム	アジア	16,530
25	中央アフリカ共和国	アフリカ	15,900
26	ポルトガル	ヨーロッパ	14,246
27	オーストラリア	オセアニア	13,080
28	ウズベキスタン	アジア	12,050
29	チリ	南アメリカ	11,494
30	フランス	ヨーロッパ	11,235
31	マリ	アフリカ	10,739
32	ブルガリア	ヨーロッパ	10,218
33	チェコ	ヨーロッパ	10,113
34	ウルグアイ	南アメリカ	10,057
35	タイ	アジア	10,000
36	イタリア	ヨーロッパ	9,705
37	キューバ	南アメリカ	9,100
38	イギリス	ヨーロッパ	8,861
39	クロアチア	ヨーロッパ	8,677
40	中国、台湾 中国省	アジア	7,875
41	アルジェリア	アフリカ	7,132
42	セルビア	ヨーロッパ	5,761
43	ルワンダ	アフリカ	5,105
44	グアテマラ	南アメリカ	4,938
45	オーストリア	ヨーロッパ	4,900
46	モロッコ	アフリカ	4,800
47	カメルーン	アフリカ	4,448
48	エジプト	アフリカ	4,376
49	パキスタン	アジア	4,318
50	スロバキア	ヨーロッパ	4,296
51	モルドバ共和国	ヨーロッパ	4,275
52	タジキスタン	アジア	3,996
53	マダガスカル	アフリカ	3,932
54	アルバニア	ヨーロッパ	3,923
55	ミャンマー	アジア	3,838
56	セネガル	アフリカ	3,544
57	チュニジア	アフリカ	3,529
58	ネパール	アジア	3,500
59	コロンビア	南アメリカ	3,284
60	スウェーデン	ヨーロッパ	3,281
61	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	3,148
62	ベラルーシ	ヨーロッパ	2,779
63	日本	アジア	2,754
64	リトアニア	ヨーロッパ	2,708
65	アゼルバイジャン	アジア	2,700
66	カザフスタン	アジア	2,558
67	シリア・アラブ共和国	アジア	2,500
68	イスラエル	アジア	2,500
69	イエメン	アジア	2,431
70	スイス	ヨーロッパ	2,409
71	アルメニア	アジア	2,200
72	グルジア	アジア	2,100
73	レバノン	アジア	2,030
74	アフガニスタン	アジア	1,876
75	エルサルバドル	南アメリカ	1,870
76	パラグアイ	南アメリカ	1,827
77	キルギスタン	アジア	1,819
78	ペルー	南アメリカ	1,600
79	ラトビア	ヨーロッパ	1,585
80	デンマーク	ヨーロッパ	1,500
81	スロベニア	ヨーロッパ	1,298
82	フィンランド	ヨーロッパ	1,200
83	ノルウェー	ヨーロッパ	1,150
84	コスタリカ	南アメリカ	1,128
85	エストニア	ヨーロッパ	1,097
86	南アフリカ	アフリカ	1,082
87	ドミニカ共和国	南アメリカ	1,052
88	チャド	アフリカ	1,014
89	ギニア	アフリカ	992
90	エクアドル	南アメリカ	866
91	北マケドニア	ヨーロッパ	834
92	トルクメニスタン	アジア	829
93	ザンビア	アフリカ	810
94	リビア	アフリカ	800
95	ジャマイカ	南アメリカ	761
96	シエラレオネ	アフリカ	744
97	スーダン	アフリカ	744
98	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	711
99	モンテネグロ	ヨーロッパ	627
100	コートジボワール	アフリカ	610
101	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	610
102	オマーン	アジア	600
103	モザンビーク	アフリカ	592
104	ブルンジ	アフリカ	585
105	東ティモール	アジア	572
106	パレスチナ国	アジア	405
107	パナマ	南アメリカ	404
108	ハイチ	南アメリカ	334
109	アイルランド	ヨーロッパ	265
110	ニカラグア	南アメリカ	250
111	キプロス	アジア	246
112	サモア	オセアニア	213
113	ニューカレドニア	オセアニア	193
114	ヨルダン	アジア	176
115	フィジー	オセアニア	170
116	パプアニューギニア	オセアニア	155
117	ギニアビサウ	アフリカ	153
118	サウジアラビア	アジア	124
119	モンゴル	アジア	120
120	ホンジュラス	南アメリカ	120
121	フランス領ポリネシア	オセアニア	118
122	イラク	アジア	102
123	ガイアナ	南アメリカ	87
124	ルクセンブルク	ヨーロッパ	82
125	プエルトリコ	南アメリカ	56
126	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	52
127	ブータン	アジア	42
128	スリナム	南アメリカ	39
129	ベリーズ	南アメリカ	33
130	トンガ	オセアニア	12
131	ニウエ	オセアニア	7
132	ツバル	オセアニア	4
133	クック諸島	オセアニア	1
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2016年の天然蜂蜜生産量データは、各国の農業政策、自然環境、生態系の多様性、そして経済的な位置付けを反映した重要な指標と言えます。中国が他国を圧倒する生産量を記録しており、その生産量は2位のトルコの5倍以上です。これは、中国が広大な国土と多様な気候帯を持つことに加え、大規模な養蜂業の発展と輸出志向の蜂蜜生産体制を築いているためと考えられます。一方で、トルコは品質の高さや地中海性気候を活かしたアピス・メリフェラなど固有種の利用で輸出市場に強みを持っています。

日本については、生産量が63位と比較的低い順位に位置しています。これは日本の国土の大部分が森林であり、農地面積が限られていること、さらに過疎化や高齢化が農業分野にも影響を及ぼしていることに起因します。また、日本の蜂蜜の消費量が高いにもかかわらず、輸入に大きく依存している現状も背景として挙げられます。日本は輸入において中国産蜂蜜への依存度が高めですが、これは国内養蜂業が市場に応えられる規模に達していないためです。

ヨーロッパを見ると、ロシア（69,764トン）やウクライナ（59,294トン）がトップクラスの生産量を誇る一方で、ドイツ（21,600トン）、フランス（11,235トン）、イギリス（8,861トン）などは低い生産量に留まっています。この違いは地域ごとの農業条件や市場経済の特性によるものであり、特にウクライナやロシアなどは広大な土地を持つため、蜂群や花蜜の供給に関する自然条件が大きな利点となっています。

アフリカではエチオピア（47,706トン）が大陸で突出しており、他諸国を大きくリードしています。この地域では、ミツバチの生態と野生環境が重要な資源である一方で、生産効率向上のための技術的課題が残されています。

課題の一つとして、世界的にミツバチの減少が進行していることが挙げられます。これは農薬の過剰使用、生態系破壊、気候変動、病害虫の蔓延などが原因とされています。特に気候変動による異常気象が花の開花時期やミツバチの活動に影響し、蜂蜜生産全体に悪影響を及ぼしています。また、地政学的リスクとして、ウクライナ紛争が同国や近隣諸国の農業基盤を脅かしている可能性もあります。

これらの課題に対処するために、国際的な協力が重要です。例えば、持続可能な養蜂業の推進には、農薬使用の規制強化やミツバチの生息環境の保護が不可欠です。また、新しい技術を取り入れ、生産効率を高めることも求められています。日本では、特に都市型養蜂や学校教育を通じた若年層への啓蒙活動など、新しい取り組みを進めることが期待されます。

まとめると、2016年度の天然蜂蜜生産量ランキングは、各国ごとの自然条件や政策の違いを反映しています。地域ごとの特徴を活かしつつ、地球規模の課題に取り組むことが、持続可能な蜂蜜生産を実現する鍵と言えるでしょう。国際機関や政府が協力し、人と自然が調和を保ちながら生産を続けられる体制を構築することが必要です。