世界のキュウリ類生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）の最新データによると、2020年度の世界のキュウリ類生産量ランキングでは、中国が圧倒的な首位を維持し、その生産量は72,927,969トンであり、これは世界全体の生産量の約80%を占めています。2位はトルコ（1,886,239トン）、3位はロシア連邦（1,686,976トン）、日本は539,200トンで10位に位置しています。一方、生産量が極端に低い国はナウル（1トン）やジブチ（7トン）といった小規模な国々です。このデータは、国ごとの農業の特性や地理的条件、技術力が生産量に大きく影響していることを示しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	72,927,969
2	トルコ	アジア	1,886,239
3	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,686,976
4	メキシコ	南アメリカ	1,159,934
5	ウクライナ	ヨーロッパ	1,012,530
6	ウズベキスタン	アジア	812,728
7	スペイン	ヨーロッパ	794,880
8	イラン（イスラム共和国）	アジア	571,441
9	アメリカ合衆国	北アメリカ	567,245
10	日本	アジア	539,200
11	カザフスタン	アジア	537,775
12	ポーランド	ヨーロッパ	526,500
13	エジプト	アフリカ	443,500
14	インドネシア	アジア	441,286
15	オランダ	ヨーロッパ	430,170
16	大韓民国	アジア	335,596
17	タジキスタン	アジア	262,556
18	カメルーン	アフリカ	258,988
19	イラク	アジア	242,614
20	アゼルバイジャン	アジア	226,929
21	スーダン	アフリカ	224,103
22	ベラルーシ	ヨーロッパ	216,982
23	ドイツ	ヨーロッパ	216,970
24	フランス	ヨーロッパ	213,540
25	サウジアラビア	アジア	184,860
26	インド	アジア	184,565
27	アルジェリア	アフリカ	184,362
28	シリア・アラブ共和国	アジア	182,415
29	タイ	アジア	177,052
30	ルーマニア	ヨーロッパ	165,070
31	ギリシャ	ヨーロッパ	158,510
32	ヨルダン	アジア	141,383
33	バングラデシュ	アジア	130,259
34	キルギスタン	アジア	129,122
35	レバノン	アジア	120,090
36	アルバニア	ヨーロッパ	113,685
37	パレスチナ国	アジア	107,120
38	アラブ首長国連邦	アジア	105,765
39	オマーン	アジア	102,682
40	マレーシア	アジア	101,482
41	マリ	アフリカ	98,751
42	イスラエル	アジア	91,892
43	キューバ	南アメリカ	81,712
44	チュニジア	アフリカ	70,266
45	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	67,028
46	イタリア	ヨーロッパ	60,690
47	フィンランド	ヨーロッパ	59,910
48	イギリス	ヨーロッパ	58,410
49	カナダ	北アメリカ	57,655
50	ブルガリア	ヨーロッパ	53,630
51	ペルー	南アメリカ	52,106
52	中国、台湾 中国省	アジア	51,331
53	北マケドニア	ヨーロッパ	49,112
54	クウェート	アジア	48,880
55	ホンジュラス	南アメリカ	47,000
56	モロッコ	アフリカ	46,416
57	オーストリア	ヨーロッパ	46,330
58	パキスタン	アジア	46,014
59	アルメニア	アジア	43,231
60	スリランカ	アジア	42,229
61	オーストラリア	オセアニア	41,234
62	スウェーデン	ヨーロッパ	38,520
63	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	38,108
64	チリ	南アメリカ	37,174
65	トルクメニスタン	アジア	34,332
66	グルジア	アジア	32,800
67	南アフリカ	アフリカ	31,497
68	セルビア	ヨーロッパ	31,281
69	コロンビア	南アメリカ	28,424
70	カタール	アジア	28,375
71	ベルギー	ヨーロッパ	27,600
72	ハンガリー	ヨーロッパ	24,620
73	モルドバ共和国	ヨーロッパ	23,699
74	ノルウェー	ヨーロッパ	21,188
75	コートジボワール	アフリカ	20,771
76	リトアニア	ヨーロッパ	19,560
77	ジャマイカ	南アメリカ	19,431
78	マラウイ	アフリカ	16,587
79	デンマーク	ヨーロッパ	16,400
80	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	15,414
81	スイス	ヨーロッパ	14,543
82	ポルトガル	ヨーロッパ	13,880
83	イエメン	アジア	13,845
84	ドミニカ共和国	南アメリカ	13,676
85	フィリピン	アジア	13,538
86	チェコ	ヨーロッパ	11,160
87	パナマ	南アメリカ	9,757
88	リビア	アフリカ	8,600
89	キプロス	アジア	7,970
90	ラトビア	ヨーロッパ	7,900
91	クロアチア	ヨーロッパ	7,020
92	モンゴル	アジア	6,054
93	ケニア	アフリカ	5,925
94	エルサルバドル	南アメリカ	5,467
95	エストニア	ヨーロッパ	5,290
96	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	4,738
97	エクアドル	南アメリカ	4,703
98	モーリシャス	アフリカ	3,716
99	スロバキア	ヨーロッパ	3,200
100	スロベニア	ヨーロッパ	2,990
101	バーレーン	アジア	2,900
102	ガイアナ	南アメリカ	2,817
103	ドミニカ	南アメリカ	2,406
104	コモロ	アフリカ	2,106
105	ブータン	アジア	1,970
106	中国、香港特別行政区	アジア	1,946
107	アイルランド	ヨーロッパ	1,850
108	アイスランド	ヨーロッパ	1,808
109	エチオピア	アフリカ	1,685
110	コスタリカ	南アメリカ	1,651
111	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,514
112	プエルトリコ	南アメリカ	1,302
113	フィジー	オセアニア	1,293
114	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,227
115	東ティモール	アジア	1,170
116	スリナム	南アメリカ	992
117	カーボベルデ	アフリカ	884
118	ニジェール	アフリカ	872
119	セントルシア	南アメリカ	848
120	グレナダ	南アメリカ	795
121	マルタ	ヨーロッパ	740
122	バルバドス	南アメリカ	676
123	マダガスカル	アフリカ	629
124	フランス領ポリネシア	オセアニア	626
125	ニュージーランド	オセアニア	542
126	ベリーズ	南アメリカ	378
127	コンゴ民主共和国	アフリカ	373
128	ジンバブエ	アフリカ	232
129	ガーナ	アフリカ	136
130	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	82
131	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	39
132	ガボン	アフリカ	23
133	ルクセンブルク	ヨーロッパ	10
134	ジブチ	アフリカ	7
135	ナウル	オセアニア	1
+ すべての国を見る

世界のキュウリ類生産量を国別に分析すると、トップの中国が他国を大きく引き離した圧倒的な生産力を示しています。その生産量は2位のトルコの約39倍に達し、中国がキュウリ類市場での主要な供給国の地位を確立していることがわかります。この圧倒的な生産量は、中国自身の巨大な国内市場だけでなく、輸出市場への供給の影響力をも示します。

一方で、上位国のリストに目を移すと、トルコ、ロシア、メキシコ、ウクライナなど、各地域の農業国が挙げられます。これらの国々では、地中海性気候や広大な栽培面積を背景に生産量を着実に伸ばしてきました。特にトルコでは、農業投資と温室栽培技術が生産効率を向上させており、似た条件を持つロシアもその波に続いています。

日本に目を向けると、539,200トンで10位にランクインしていますが、この数字は農地面積が限られる中での成果です。特に日本では効率的な温室栽培や高品質を重視したブランド化が、高付加価値商品として市場の需要を満たしている部分が目立ちます。これは、少量でも高収益を狙う日本型農業の特徴を反映しています。

しかしながら、すべての国が好条件に恵まれているわけではありません。ランキングが下位に位置する多くの国々では、生産量が低い要因として、農業インフラの不足や気候条件が挙げられます。たとえば、アフリカ中央部や東南アジアの一部では、灌漑設備や農業技術の発展が遅れており、生産性を高めるための支援が急務です。

また、地政学的要因も関係します。ウクライナのように農業が重要な産業である国が国際競争力を保つためには、政治的安定が不可欠です。紛争や国際的な制裁が農業生産に影響を及ぼす可能性があり、それは輸出市場にも波紋を起こしかねないでしょう。

コロナ禍で明らかになったサプライチェーンの脆弱性も課題の一つです。国際物流が停滞したことにより、各国間の農産物輸送が妨げられました。これを教訓に、地域内での自給自足を高める政策や輸送の多様化が進めば、危機に強い農業構造を築くことができるはずです。

今後の課題としては、持続可能性も挙げられます。気候変動が進む中で、農業はますます自然災害や高温被害のリスクにさらされています。上位生産国だけでなく全体の食糧安全保障を考慮し、公平性のある技術共有、灌漑システムの開発、気候適応型栽培の普及といった国際的な協力が求められるでしょう。

最後に、日本ではさらなる技術革新、例えばAIやロボットを活用したスマート農業の普及が競争力を向上させると考えられます。他の国々では、農業インフラ整備や災害に強い品種の開発など、地元事情に合わせた対策が鍵を握っています。政策的には、国際機関や地域連携の枠組みを通じて、こうした取り組みを全世界的に支える仕組みを整えることが望ましいです。この連携が進めば、キュウリ類だけでなく農業全体の生産性と持続可能性が向上し、地域間の格差を縮小できる可能性が高まると考えられます。