世界のキャベツ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、2017年度のキャベツ生産量ランキングで、中国は約3,465万トンという圧倒的な数値で1位に輝きました。2位のインド（約881万トン）や3位の韓国（約273万トン）と大きな差をつけています。日本は7位に位置し、生産量は約143万トンでした。トップ10に目を向けると、アジア諸国が多くを占めており、キャベツ生産の中心地であることを示しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	34,652,928
2	インド	アジア	8,807,000
3	大韓民国	アジア	2,726,572
4	ロシア連邦	ヨーロッパ	2,687,090
5	ウクライナ	ヨーロッパ	1,673,360
6	インドネシア	アジア	1,442,631
7	日本	アジア	1,428,000
8	ポーランド	ヨーロッパ	1,083,608
9	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,080,729
10	ルーマニア	ヨーロッパ	1,028,475
11	ベトナム	アジア	976,210
12	ウズベキスタン	アジア	904,488
13	ドイツ	ヨーロッパ	790,191
14	トルコ	アジア	778,887
15	ケニア	アフリカ	764,480
16	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	701,632
17	中国、台湾 中国省	アジア	645,090
18	カザフスタン	アジア	505,059
19	エジプト	アフリカ	485,739
20	ベラルーシ	ヨーロッパ	445,608
21	ニジェール	アフリカ	352,146
22	エチオピア	アフリカ	344,992
23	バングラデシュ	アジア	311,650
24	イラン（イスラム共和国）	アジア	290,847
25	イタリア	ヨーロッパ	289,839
26	アンゴラ	アフリカ	281,377
27	イギリス	ヨーロッパ	275,522
28	オランダ	ヨーロッパ	271,700
29	タイ	アジア	271,350
30	セルビア	ヨーロッパ	262,545
31	メキシコ	南アメリカ	237,506
32	スペイン	ヨーロッパ	217,329
33	マラウイ	アフリカ	209,125
34	フランス	ヨーロッパ	186,117
35	北マケドニア	ヨーロッパ	181,339
36	キューバ	南アメリカ	168,527
37	カナダ	北アメリカ	168,268
38	南アフリカ	アフリカ	150,872
39	キルギスタン	アジア	147,190
40	ベルギー	ヨーロッパ	145,240
41	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	140,287
42	ポルトガル	ヨーロッパ	133,889
43	フィリピン	アジア	122,474
44	アルメニア	アジア	117,085
45	タジキスタン	アジア	102,503
46	スリランカ	アジア	99,616
47	オーストラリア	オセアニア	99,102
48	ルワンダ	アフリカ	94,924
49	アゼルバイジャン	アジア	92,057
50	アルジェリア	アフリカ	91,942
51	ホンジュラス	南アメリカ	85,044
52	タンザニア連合共和国	アフリカ	83,638
53	パキスタン	アジア	79,753
54	マレーシア	アジア	77,342
55	グアテマラ	南アメリカ	70,255
56	マリ	アフリカ	69,072
57	ニカラグア	南アメリカ	67,919
58	コロンビア	南アメリカ	66,961
59	ラトビア	ヨーロッパ	65,978
60	トルクメニスタン	アジア	65,880
61	ギリシャ	ヨーロッパ	64,813
62	カメルーン	アフリカ	62,985
63	オーストリア	ヨーロッパ	61,790
64	セネガル	アフリカ	60,000
65	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	59,371
66	レバノン	アジア	58,404
67	ニュージーランド	オセアニア	56,204
68	イスラエル	アジア	54,659
69	リトアニア	ヨーロッパ	54,391
70	アルバニア	ヨーロッパ	52,600
71	シリア・アラブ共和国	アジア	52,500
72	モロッコ	アフリカ	51,145
73	ヨルダン	アジア	50,436
74	チリ	南アメリカ	49,440
75	チェコ	ヨーロッパ	49,183
76	ハンガリー	ヨーロッパ	49,115
77	デンマーク	ヨーロッパ	46,663
78	ブルガリア	ヨーロッパ	41,817
79	ドミニカ共和国	南アメリカ	40,942
80	スイス	ヨーロッパ	39,295
81	ノルウェー	ヨーロッパ	37,911
82	ジャマイカ	南アメリカ	35,818
83	クロアチア	ヨーロッパ	35,318
84	ペルー	南アメリカ	33,171
85	チュニジア	アフリカ	30,175
86	コスタリカ	南アメリカ	28,650
87	フィンランド	ヨーロッパ	26,213
88	アイルランド	ヨーロッパ	24,566
89	モルドバ共和国	ヨーロッパ	24,198
90	スロベニア	ヨーロッパ	21,993
91	オマーン	アジア	20,908
92	コンゴ民主共和国	アフリカ	20,704
93	スウェーデン	ヨーロッパ	18,290
94	スロバキア	ヨーロッパ	18,225
95	マダガスカル	アフリカ	17,876
96	グルジア	アジア	17,400
97	ハイチ	南アメリカ	16,900
98	エストニア	ヨーロッパ	16,550
99	サウジアラビア	アジア	15,692
100	パレスチナ国	アジア	15,586
101	モンゴル	アジア	15,214
102	ボツワナ	アフリカ	13,636
103	エクアドル	南アメリカ	12,677
104	モンテネグロ	ヨーロッパ	12,440
105	アラブ首長国連邦	アジア	11,694
106	クウェート	アジア	10,997
107	ブータン	アジア	10,562
108	ネパール	アジア	9,134
109	ガイアナ	南アメリカ	8,414
110	イエメン	アジア	7,491
111	イラク	アジア	7,196
112	ナミビア	アフリカ	5,992
113	カーボベルデ	アフリカ	5,144
114	モーリシャス	アフリカ	4,779
115	リビア	アフリカ	4,721
116	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	4,547
117	キプロス	アジア	4,077
118	マルタ	ヨーロッパ	3,705
119	ウルグアイ	南アメリカ	3,664
120	スーダン	アフリカ	3,200
121	フィジー	オセアニア	3,132
122	パナマ	南アメリカ	2,815
123	東ティモール	アジア	2,662
124	カタール	アジア	2,142
125	コンゴ	アフリカ	1,612
126	バハマ	南アメリカ	1,475
127	ベリーズ	南アメリカ	1,442
128	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,284
129	スリナム	南アメリカ	1,223
130	グレナダ	南アメリカ	1,040
131	サントメ・プリンシペ	アフリカ	827
132	トーゴ	アフリカ	806
133	中国、香港特別行政区	アジア	775
134	バーレーン	アジア	670
135	シンガポール	アジア	660
136	エルサルバドル	南アメリカ	657
137	ドミニカ	南アメリカ	494
138	ジンバブエ	アフリカ	474
139	バルバドス	南アメリカ	471
140	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	455
141	アイスランド	ヨーロッパ	290
142	プエルトリコ	南アメリカ	263
143	セントルシア	南アメリカ	215
144	ルクセンブルク	ヨーロッパ	116
145	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	93
146	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	22
147	ジブチ	アフリカ	8
148	ナウル	オセアニア	1
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2017年度のキャベツ生産統計は、世界の農業生産における地域別の特徴を明らかにする興味深いデータとなっています。最も注目すべきは中国の圧倒的な生産量です。約3,465万トンというこの数値は、全世界のキャベツ生産の中心が中国であることを如実に示しています。これは、中国が広大な農地を持ち、人口の多さに応じた需要を国内で満たすだけでなく、輸出にも積極的に取り組んでいることが反映されています。同時に、キャベツは比較的気候への要求が低く、収穫量の多い作物として中国農業の重要な柱を成しているといえます。

次いで、インド（約881万トン）も大きな生産量を誇っていますが、その生産体系は主に国内消費に重点を置いています。国内での菜食文化と相まって豊富な需要があります。一方、韓国（約273万トン）は3位に位置しており、キムチを代表とする伝統的食品産業が需要を大きく押し上げています。また、気候と地形もキャベツ栽培に適しており、大量生産が可能な環境となっています。

日本は約143万トンで7位という結果でしたが、農地面積が限られた中でも効率的な生産手法を導入し、品質の高さを追求している点が特徴的です。国内需要を優先しながらも、安定した供給体制を確立しており、特に家庭菜園や地産地消に力を入れる動きもあります。隣国の韓国や中国と比べて生産量に差があるものの、加工食品としての利用や品種改良の進化が日本らしい特色として挙げられるでしょう。

このランキングから見えてくる課題はいくつかあります。例えば、中国など生産上位国は農業での水資源の多用が問題視されています。キャベツは水の消費が激しい作物であるため、理想的な栽培法や灌漑技術をさらに普及させることが求められます。特に、中国では農業が淡水資源の消費構造に与える影響が高く、将来的な水不足が懸念されています。

さらに、地球温暖化の影響がキャベツ生産地に及ぼすリスクも指摘されています。極端な気候変動は収穫量に直接影響を及ぼし、価格の安定性にも影響を与える可能性があります。このため、耐乾性や高温にも適応できる品種の作出が急務となってきています。国際協力を通じて品種改良を進めたり、持続可能な農業モデルを共有することで、これらの課題に対応することが重要です。

また、特定地域での政治的不安定や衝突がキャベツ生産や輸送に与える影響も無視できません。例えば、ロシアやウクライナといった国内紛争を抱える地域での農業生産は脆弱であり、これがさらに生産量や価格に影響を与えることが懸念されています。ウクライナはランキング5位（約167万トン）に入りましたが、近年の紛争の影響で農業インフラが損壊しているため、さらなる支援が必須とされています。

こうした課題に対処するためには、各国の努力だけでなく、多国間協力が欠かせません。具体的な対策としては、持続可能な農法のグローバルな導入、農業分野における技術支援、気候変動に対応する国際的な研究協力などが挙げられます。農業は食糧安全保障と直結していますので、各国が連携しながら、将来の需要増加にも対応できる農業政策を形成する取り組みを一層強化する必要があります。