Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表したデータによると、マリのキャベツ生産量は1991年から2022年まで全般的に増加傾向を示しています。特に、2012年や2018年以降のいくつかの年で大幅な増加が見られます。ただし、2010年に急激な減少が生じるなど、生産量に大きな変動も存在しています。
マリのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 94,177 |
12.83% ↑
|
2022年 | 83,468 |
8.27% ↑
|
2021年 | 77,095 |
-12.38% ↓
|
2020年 | 87,990 |
12.38% ↑
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2019年 | 78,294 |
-2.36% ↓
|
2018年 | 80,184 |
16.09% ↑
|
2017年 | 69,072 |
2.69% ↑
|
2016年 | 67,263 |
-6.73% ↓
|
2015年 | 72,115 |
47.02% ↑
|
2014年 | 49,052 |
39.1% ↑
|
2013年 | 35,264 |
-61.88% ↓
|
2012年 | 92,506 |
86.01% ↑
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2011年 | 49,733 |
100.26% ↑
|
2010年 | 24,834 |
-44.93% ↓
|
2009年 | 45,096 |
0.11% ↑
|
2008年 | 45,045 |
-5.6% ↓
|
2007年 | 47,716 |
3.12% ↑
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2006年 | 46,270 |
3.23% ↑
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2005年 | 44,824 |
3.33% ↑
|
2004年 | 43,379 |
3.45% ↑
|
2003年 | 41,933 |
3.57% ↑
|
2002年 | 40,487 |
2.15% ↑
|
2001年 | 39,636 |
1.64% ↑
|
2000年 | 38,995 |
1.67% ↑
|
1999年 | 38,354 |
1.7% ↑
|
1998年 | 37,713 |
1.73% ↑
|
1997年 | 37,072 |
1.76% ↑
|
1996年 | 36,431 |
1.79% ↑
|
1995年 | 35,790 |
1.82% ↑
|
1994年 | 35,149 |
1.86% ↑
|
1993年 | 34,508 |
1.89% ↑
|
1992年 | 33,867 |
1.93% ↑
|
1991年 | 33,226 | - |
マリのキャベツ生産量について時系列で確認すると、1991年から2007年にかけて堅調に増加していることが確認できます。この時期は33,226トンから47,716トンへと、約1.4倍に成長しています。それまで順調に伸びを示していた生産量が2008年にやや鈍化し、45,045トンと落ち込み、その後2010年には急激に24,834トンまで低下しました。この変動は異常気象や農業資源の不足、または地域衝突による物流の混乱が要因である可能性が考えられます。
2011年には生産量が復調し、49,733トンまで回復しました。特に注目すべきは2012年で、92,506トンという記録的な生産量を達成しています。この大幅な増加の背景には、農業技術の改善や気象条件の好転が挙げられるかもしれません。しかしながら2013年には35,264トンと再び大きく落ち込んでおり、一時的な外部要因が2012年の好成績に寄与した可能性もあります。
その後、マリのキャベツ生産は徐々に安定を取り戻し、2015年には72,115トン、2018年には80,184トン、2020年には87,990トンと、高い水準を維持する流れが見られます。これらの増加要因としては、農業支援政策の強化や外部からの技術導入、または市場需要の拡大が考えられます。ただし、2021年には77,095トンに減少しており、一定の不安定さは依然として残っています。
マリはサヘル地域に位置する内陸国であり、その気候は乾燥しています。このため、農作物の生産は灌漑システムや水資源管理に大きく依存しています。例えば、2010年や2013年の急激な生産低下は、干ばつや水資源不足、または政治的不安定などが影響した可能性があります。また、サヘル地域では地政学的リスクが高く、武装勢力との衝突や移民問題が農業基盤を脅かしている状況も無視できません。
こうした課題に対処するためには、以下のような具体的な対策が考えられます。まず、水資源管理のための灌漑施設や貯水池の建設が必要です。このようなインフラ投資は、持続可能な農業生産を支えるうえで不可欠です。また、気候変動によるリスクを適切に管理するために、耐乾性を持つキャベツ品種の育成や、農家への気象情報の提供を強化することが求められます。さらなる対応策としては、地域間協力の枠組みを利用して農業技術の共有を促進することが挙げられます。
結論として、マリのキャベツ生産は長期的には増加傾向にありますが、依然として地域特有の課題が生産量の安定を妨げています。これに対処するためには、国際社会の協力による包括的な支援が必要です。FAOやその他国際機関による技術支援、資金的な援助、また地域の安全確保に向けた取り組みが生産基盤の強化につながるでしょう。これにより、マリの農業セクター全体の安定が期待されます。