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バルバドスのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、バルバドスのキャベツ生産量は1961年から2022年にかけて大きな変動を見せています。特に1970年代、1980年代には顕著な増加傾向が見られましたが、その後は減少傾向が目立ち、2000年以降の生産量は1000トンを下回る年が続いています。近年の2022年では312トンと、過去のピーク時である1980年の1,717トンと比較すると顕著に減少していることが分かります。このデータからは、バルバドスのキャベツ生産の歴史的推移とともに、さまざまな課題が浮き彫りになっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 310
-0.53% ↓
2022年 312
47.31% ↑
2021年 212
-43.88% ↓
2020年 377
-9.43% ↓
2019年 417
-38.18% ↓
2018年 674
43.15% ↑
2017年 471
57.78% ↑
2016年 298
-17.25% ↓
2015年 361
11.64% ↑
2014年 323
77.47% ↑
2013年 182
-30.27% ↓
2012年 261
-0.38% ↓
2011年 262
336.67% ↑
2010年 60
-76.38% ↓
2009年 254
-42.01% ↓
2008年 438
72.44% ↑
2007年 254
-60.44% ↓
2006年 642
58.52% ↑
2005年 405
-6.25% ↓
2004年 432
-32.5% ↓
2003年 640
27.74% ↑
2002年 501
-28.43% ↓
2001年 700
-12.5% ↓
2000年 800
-20% ↓
1999年 1,000
-9.09% ↓
1998年 1,100
-8.33% ↓
1997年 1,200
-10.51% ↓
1996年 1,341
-17.88% ↓
1995年 1,633
217.7% ↑
1994年 514
-31.19% ↓
1993年 747
70.94% ↑
1992年 437
-11.9% ↓
1991年 496
50.3% ↑
1990年 330
-20.1% ↓
1989年 413
-39.62% ↓
1988年 684
-13.53% ↓
1987年 791
-16.21% ↓
1986年 944
23.08% ↑
1985年 767
-28.58% ↓
1984年 1,074
-36.79% ↓
1983年 1,699
7.74% ↑
1982年 1,577
12.72% ↑
1981年 1,399
-18.52% ↓
1980年 1,717
51.95% ↑
1979年 1,130
38.48% ↑
1978年 816
-16.73% ↓
1977年 980
58.83% ↑
1976年 617
-14.07% ↓
1975年 718
-8.18% ↓
1974年 782
35.53% ↑
1973年 577
-5.25% ↓
1972年 609
49.26% ↑
1971年 408
34.65% ↑
1970年 303
48.53% ↑
1969年 204
-44.11% ↓
1968年 365
4.29% ↑
1967年 350
4.48% ↑
1966年 335
4.69% ↑
1965年 320
4.92% ↑
1964年 305
5.17% ↑
1963年 290
5.45% ↑
1962年 275
5.77% ↑
1961年 260 -

バルバドスのキャベツ生産量の推移は、国の農業政策や経済情勢、自然環境の影響を色濃く反映しています。1960年代から1970年代にかけては、持続的な増加が観察されており、特に1980年には1,717トンという記録的な水準に達しました。この時期の増加は、農業技術の向上や輸出需要の増大が要因と考えられます。しかし、1980年代後半からは、生産量の急減傾向が顕著に見られ、2000年代以降は減少が継続しています。

この減少の原因としては、気候変動による不規則な天候や台風などの自然災害の影響だけでなく、農業への投資不足、人口の都市部集中による農業従事者の減少、地元市場における輸入品との競争の激化が挙げられます。また、1990年代以降、バルバドスの農業全体が観光業の拡大による土地利用の競合に直面してきたことも要因として挙げられるでしょう。

特に2021年は、キャベツ生産量が212トンと低水準を記録しました。これは新型コロナウイルスのパンデミックによる農業労働力の減少や物流の停滞が影響したと考えられます。本来であれば海外からの高需要が見込めた中で、パンデミックにより供給面での制約が影響を及ぼしたようです。しかし、2022年には312トンと少し回復の兆しも見えています。

バルバドスのキャベツ生産量を他国と比較すると、同じ小国であるトリニダード・トバゴやジャマイカと比べても一貫性が欠けています。特にジャマイカでは、農業インフラや労働力の確保が比較的安定しており、生産量の波が小さいという特徴があります。また、日本の農業制度や資金支援政策を参考にすることで、農業従事者の育成と持続可能な栽培体制の整備を進めることが、再び収量を安定させる鍵となるでしょう。

今後の課題としては、持続可能な生産体制の確立が必要です。気候変動に対応した栽培技術の導入や、農家への財政的な支援および研修の提供が重要となります。また、輸入品に依存しすぎないための地元市場と生産者をつなげる仕組み作りも大切です。観光業とのバランスを取りつつ、地域の環境と調和した農業政策を推し進めることが求められます。さらに、他国との協力を深め、農業技術の共有や災害時の支援体制を強化することも、国際社会におけるバルバドスの農業分野の復活に繋がるでしょう。

結論として、バルバドスのキャベツ生産量は、過去のピーク時から劇的に減少している一方で、少しずつ回復の可能性も見られる段階にあります。このデータは、課題解決や持続可能な農業発展の道筋を明確に示しており、今こそ具体的な政策提案と行動が求められています。地元経済を強化し、持続可能な農業を推し進めるためには、政府、住民、国際機関が一丸となって課題に取り組む必要があります。