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トーゴのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、トーゴにおけるキャベツ生産量は、1993年の300トンから2022年の811トンへとおよそ2.7倍に増加しています。生産量は1990年代中盤から2000年代初頭にかけて横ばい傾向を示しましたが、2007年以降急激な成長が見られました。ただし、2019年から2022年にかけては微減傾向が続いており、生産の伸びが一時停滞していることがわかります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 828
2.1% ↑
2022年 811
-0.39% ↓
2021年 814
0.24% ↑
2020年 812
0.68% ↑
2019年 807
-2.05% ↓
2018年 824
2.16% ↑
2017年 806
2% ↑
2016年 791
2.18% ↑
2015年 774
2.38% ↑
2014年 756
2.43% ↑
2013年 738
1.77% ↑
2012年 725
3.57% ↑
2011年 700
1.72% ↑
2010年 688
2.1% ↑
2009年 674
1.36% ↑
2008年 665
-5% ↓
2007年 700
27.27% ↑
2006年 550
-4% ↓
2005年 573
4.31% ↑
2004年 549
4.48% ↑
2003年 526
8.2% ↑
2002年 486
-5.79% ↓
2001年 516
5% ↑
2000年 491
-1.47% ↓
1999年 498
1.52% ↑
1998年 491
1.48% ↑
1997年 484
-3.24% ↓
1996年 500
-7.58% ↓
1995年 541
35.25% ↑
1994年 400
33.33% ↑
1993年 300 -

トーゴのキャベツ生産量の推移データを分析すると、農業分野における着実な成長の一端をうかがえます。1990年代には生産量が300トンから541トンに増加し、特に1995年には前年を大きく上回る541トンを記録しました。その後、1996年から2006年までの期間は、概ね500トン台で推移し、キャベツ生産量は大きな進展を見せなかった時期が続きました。

しかし、2007年に700トンを記録したことで明らかに生産量が進展し、新しい農業技術や政策の効果が反映された可能性があります。この成長はその後も続き、2012年以降、毎年の生産量は徐々に増加しました。2018年には824トンというピークを迎えましたが、その後はやや減少し、2020年以降は811トン前後で停滞しています。この現象は、例えば農地や生産資材の制約、気候変動による悪影響、あるいは国際市場での需要減少を示唆しているかもしれません。

トーゴを含む西アフリカ地域は、農業が経済の重要な柱となっており、国内総生産(GDP)の大部分を占める分野の一つです。キャベツのような野菜は食料供給の安定化に寄与するとともに、国内外の市場を通じた経済活動においても重要です。ただし、トーゴの生産量(2022年は811トン)は、中国、インド、アメリカなどの主要生産国に比べると非常に少ない規模です。例えば中国では、キャベツの年間生産量が数千万トンに達する状況があります。この大きな差は、インフラ整備や農業技術への投資規模の違いによるものと考えられます。

トーゴのキャベツ生産の停滞には、いくつかの課題が存在すると考えられます。一つは、持続可能な繁殖用種子や肥料の不足です。加えて、灌漑設備などのインフラが不十分であることや、気候変動による干ばつや不安定な降雨量の影響も無視できません。特にアフリカ地域では、農業生産が自然災害や疫病の影響を受けやすい傾向があります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大も、この期間の生産や流通に影響を与え、生産量の伸び悩みを加速させた原因の一つである可能性があります。

将来の課題としては、生産量の停滞を解消し、持続可能な農業発展を目指すことが求められます。例えば、国際機関やNGOを介した技術支援の拡大、効率的な灌漑システムの導入、そして地域農業協力の促進が効果的な施策となるでしょう。また、気候変動への適応策として耐乾性の高いキャベツ品種の研究・普及も重要です。さらに、地域市場の拡大を図り、農業従事者の収入を向上させる施策や輸出を促進する政策も検討するべきです。

結論として、トーゴのキャベツ生産量はこの30年で着実に増加してきましたが、近年の停滞は解決すべき課題を浮き彫りにしています。将来的には、政府や国際社会による支援の下、農業技術やインフラを再構築することで、新たな成長の可能性を引き出すことができるでしょう。それは、国民の食料安全保障を強化するだけでなく、経済基盤としての農業の価値をさらに引き上げる機会となります。