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ジンバブエのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

2024年7月に更新されたFAO(国際連合食糧農業機関)のデータによると、ジンバブエのキャベツの生産量は1990年から2022年の間で一貫して増加傾向を示しています。特に1990年の100トンから2022年の479トンへの成長は顕著で、多くの年で安定した向上を続けています。ただし、2019年以降は生産量が伸び悩んでおり、年間の生産量がほぼ横ばいの状態となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 626,541
130677.3% ↑
2022年 479
-0.66% ↓
2021年 482
0.43% ↑
2020年 480
1.14% ↑
2019年 475
-3.46% ↓
2018年 492
3.76% ↑
2017年 474
3.38% ↑
2016年 459
-3.02% ↓
2015年 473
4.42% ↑
2014年 453
0.62% ↑
2013年 450 -
2012年 450
8.25% ↑
2011年 416
4.96% ↑
2010年 396
5.37% ↑
2009年 376
5.86% ↑
2008年 355
6.58% ↑
2007年 333
14.88% ↑
2006年 290
-3.1% ↓
2005年 299
3.46% ↑
2004年 289
3.31% ↑
2003年 280
5.31% ↑
2002年 266
6.35% ↑
2001年 250
8.7% ↑
2000年 230
-4.17% ↓
1999年 240
14.29% ↑
1998年 210
-4.55% ↓
1997年 220
9.15% ↑
1996年 202
0.78% ↑
1995年 200
-1.4% ↓
1994年 203
-18.86% ↓
1993年 250
56.23% ↑
1992年 160
55.13% ↑
1991年 103
3.15% ↑
1990年 100 -

ジンバブエのキャベツ生産量の推移を詳しく見ていくと、1990年代から2000年代にかけて生産量は総じて着実に拡大していることが分かります。この成長には、農業技術の向上や市場へのアクセス改善が寄与している可能性が高いと考えられます。例えば、2007年以降から2018年までの期間にかけて、年平均増加率は約10~20トンであり、この安定した上昇傾向により、2018年には記録的な492トンという生産量を達成しました。

しかし2019年以降、キャベツの生産量は伸び悩んでおり、2022年までほぼ横ばいの状態が続いています。この背景として、国内の経済不安や気候変動の影響、さらには輸送インフラの課題が考えられます。特にジンバブエは、不安定な季節降雨パターンや旱魃のリスクが増加しており、これがキャベツを含む作物の生育に影響を及ぼした可能性があります。また、新型コロナウイルスなどの外的要因も生産や物流システムに打撃を与えたと推測されます。

これを他国の状況と比較すると、日本を始めとする先進国では農業の効率化が進んでおり、一人当たりの農業収量も高い水準にあります。一方で、中国やインドなどでは、ジンバブエ同様に人口増加に伴い農業生産の維持と効率化が課題となっています。しかし、両国はいずれも大規模な灌漑政策や農地改革を進めることで安定した生産基盤を構築しています。この点は、ジンバブエ農業にとっても参考になるでしょう。

未来の課題として、気候変動への適応は非常に重要な要素となります。ジンバブエでは雨季や旱魃に備えた持続可能な農業技術の導入が急務です。湿度や温度の変化に強い品種への切り替えや、効率的な水資源管理を進めることが解決策として挙げられます。また、地方の農家が必要な資材や技術にアクセスできるよう、政府と国際機関による支援も不可欠です。

さらに、持続的なキャベツ生産の拡大は、地政学的な影響も考慮する必要があります。ジンバブエは周辺国との農産物取引が経済に大きな影響を及ぼしており、特に南部アフリカ内の輸出市場の強化が鍵となります。また、地域紛争や経済制裁が拡大した場合、これらは生産分野にも波及するため、国内の政治的安定が不可欠です。

結論として、ジンバブエのキャベツ生産量は過去30年間で大幅に増加しましたが、近年の伸び悩みから脱却するための戦略が必要です。気候変動への対応や新たな農業政策の導入、さらには地域間協力の強化を進めることで、将来的に安定かつ持続可能な農業成長を実現できるでしょう。政府や国際機関はこの問題に対し、農家支援や技術導入、国際市場との連携を強化する具体的なアクションを早急に取るべきです。