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大韓民国のキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、大韓民国のキャベツ生産量は1960年代から急速に増加を見せ、1975年以降のピークで年間4,027,737トンを記録しました。しかし、その後は比較的大きな変動を繰り返しながら、2022年には2,428,894トンとなっています。全般的に、生産量は1970年代の拡大以降近年では減少傾向にあり、2020年以降の回復が課題とされています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 2,453,436
1.01% ↑
2022年 2,428,894
1.06% ↑
2021年 2,403,447
-5.96% ↓
2020年 2,555,876
16.82% ↑
2019年 2,187,903
-20.83% ↓
2018年 2,763,597
1.36% ↑
2017年 2,726,572
27.86% ↑
2016年 2,132,498
-10.32% ↓
2015年 2,377,992
-18.52% ↓
2014年 2,918,510
19.89% ↑
2013年 2,434,415
5.64% ↑
2012年 2,304,551
-24.42% ↓
2011年 3,049,333
30.77% ↑
2010年 2,331,771
-18.13% ↓
2009年 2,848,009
-1.86% ↓
2008年 2,901,939
14.36% ↑
2007年 2,537,615
-17.29% ↓
2006年 3,068,148
17.89% ↑
2005年 2,602,613
-17.1% ↓
2004年 3,139,407
6.07% ↑
2003年 2,959,855
14.91% ↑
2002年 2,575,849
-23.75% ↓
2001年 3,377,993
-1.24% ↓
2000年 3,420,241
24.9% ↑
1999年 2,738,291
-7.76% ↓
1998年 2,968,512
2.69% ↑
1997年 2,890,732
-11.49% ↓
1996年 3,265,938
3.79% ↑
1995年 3,146,559
10.09% ↑
1994年 2,858,102
-26.28% ↓
1993年 3,876,784
50.14% ↑
1992年 2,582,074
-11.88% ↓
1991年 2,930,103
-16.7% ↓
1990年 3,517,698
19.67% ↑
1989年 2,939,581
11.51% ↑
1988年 2,636,190
1.13% ↑
1987年 2,606,803
-26.58% ↓
1986年 3,550,535
21.57% ↑
1985年 2,920,688
-15.51% ↓
1984年 3,456,709
13.11% ↑
1983年 3,056,029
-15.7% ↓
1982年 3,625,364
3.11% ↑
1981年 3,516,020
12.95% ↑
1980年 3,112,766
-11.87% ↓
1979年 3,531,882
-12.31% ↓
1978年 4,027,737
43.97% ↑
1977年 2,797,531
-11.07% ↓
1976年 3,145,887
38.05% ↑
1975年 2,278,811
139.71% ↑
1974年 950,639
15.66% ↑
1973年 821,919
-5.45% ↓
1972年 869,310
-15.98% ↓
1971年 1,034,637
22.09% ↑
1970年 847,439
0.19% ↑
1969年 845,868
14.56% ↑
1968年 738,364
14.84% ↑
1967年 642,951
16.52% ↑
1966年 551,792
8.71% ↑
1965年 507,562
8.44% ↑
1964年 468,061
21.65% ↑
1963年 384,763
-14.8% ↓
1962年 451,612
10.88% ↑
1961年 407,311 -

大韓民国のキャベツ生産は、1960年代の緩やかな増加から1970年代にかけて急激な拡大を見せました。この背景には、当時の経済成長および食生活の向上を目的とした農業技術の発展が寄与していると考えられます。特に1975年から1978年にかけての大幅な生産量増加は、人口増加による国内需要の伸びや輸出市場の拡大を視野に入れた政策努力の成果とみられます。しかし、1980年代以降は年間生産量が著しく変動し、一貫した減少傾向も見られます。

近年の生産量の動態は、複合的な要因によるものと考えられます。まず、国内農地面積の縮小や都市化の進行がキャベツ栽培の生産基盤を圧迫している点が挙げられます。これらは高齢化による農業労働力の減少と併せて、生産現場に持続可能性の課題を突きつけています。また、地政学的に注目される国際市場の変化、とりわけ中国をはじめとするアジア諸国での安価な農産物供給の増加が、大韓民国の生産者に競争圧力をかけています。

さらに、新型コロナウイルスのパンデミックが生産量の一因となった可能性も否定できません。2020年以降の生産量回復には、物流の混乱による市場アクセスの問題や農業資材価格の高騰が影響を与えました。特に、輸入燃料や肥料価格の上昇が農業コストに反映され、それが農家の生産意欲を低下させたと考えられます。これに加え、気候変動による天候不順や異常気象も、長期的な農業生産に不確実性をもたらしています。

これらの課題に対処するためには、いくつかの具体的な政策が必要です。例えば、スマート農業技術の導入や国内外での競争力を高めるための栽培品種の改良が挙げられます。精密農業技術を活用し気候や土壌に応じた最適な作付け計画を立てることで、生産量の安定化が期待できるでしょう。また、地域内での農家支援や協同組合の強化により、小規模農家の生産コスト削減を図ることも効果的だと考えられます。さらに、輸出市場の多様化を進める取り組みは、リスクを分散させ国際市場の変動に対応する助けとなるでしょう。

結論として、大韓民国のキャベツ生産の変動と近年の減少傾向は、農業構造、経済、そして国際市場における地政学的要素が複雑に絡み合った結果です。この状況に対応するためには、持続可能な農業への転換を進めるとともに、国内外の需要に柔軟に対応できる体制を整えることが重要です。農業技術と政策支援を一体化した取り組みを通じて、生産性の向上と農業の競争力強化が求められるでしょう。また、国際市場の動向をモニターし、輸出戦略を再評価することも今後の課題として挙げられます。