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フランス領ポリネシアのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

フランス領ポリネシアにおけるキャベツの生産量は、1960年代初頭から増加傾向を示しており、特に1981年や1997年、2002年以降に大きな生産量の増加が見られます。一方で、幾度か大きく減少する年も経験し、生産量は安定的ではありません。直近2022年には、1,287トンのキャベツが生産されており、1970年代に比べて約2倍となっています。しかし、この生産量は過去最高の記録である2004年(1,394トン)には及ばず、近年は一定の範囲に収まる傾向が見られます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 559
-56.53% ↓
2022年 1,287
0.62% ↑
2021年 1,279
0.62% ↑
2020年 1,271
-0.31% ↓
2019年 1,275
0.46% ↑
2018年 1,269
-1.11% ↓
2017年 1,284
-1.52% ↓
2016年 1,303
8.42% ↑
2015年 1,202
-6.54% ↓
2014年 1,286
-9.52% ↓
2013年 1,422
0.3% ↑
2012年 1,417
54.89% ↑
2011年 915
8.68% ↑
2010年 842
-10.43% ↓
2009年 940
15.06% ↑
2008年 817
-16.21% ↓
2007年 975
-11.12% ↓
2006年 1,097
-16.64% ↓
2005年 1,316
-5.6% ↓
2004年 1,394
9.68% ↑
2003年 1,271
11.46% ↑
2002年 1,140
3.66% ↑
2001年 1,100
0.01% ↑
2000年 1,100
3.68% ↑
1999年 1,061
20.16% ↑
1998年 883
-30.2% ↓
1997年 1,265
101.43% ↑
1996年 628
-21.01% ↓
1995年 795
-5.36% ↓
1994年 840
-6.67% ↓
1993年 900
3.33% ↑
1992年 871
23.2% ↑
1991年 707
21.9% ↑
1990年 580
1.4% ↑
1989年 572
-29.21% ↓
1988年 808
21.87% ↑
1987年 663
35.03% ↑
1986年 491
-46.4% ↓
1985年 916
13.93% ↑
1984年 804
-17.54% ↓
1983年 975
-20.08% ↓
1982年 1,220
7.21% ↑
1981年 1,138
63.98% ↑
1980年 694
4.52% ↑
1979年 664
13.7% ↑
1978年 584
0.17% ↑
1977年 583
-0.51% ↓
1976年 586
-24.68% ↓
1975年 778
-0.13% ↓
1974年 779
13.23% ↑
1973年 688
5.85% ↑
1972年 650
3.17% ↑
1971年 630
5% ↑
1970年 600
3.45% ↑
1969年 580
5.45% ↑
1968年 550
3.77% ↑
1967年 530
6% ↑
1966年 500
4.17% ↑
1965年 480
4.35% ↑
1964年 460
4.55% ↑
1963年 440
4.76% ↑
1962年 420
5% ↑
1961年 400 -

フランス領ポリネシアのキャベツ生産の歴史を振り返ると、1961年に400トンからスタートし、以降10年間、安定的かつ緩やかな増加が続きました。この時期の増加は、地域内での農業技術の発展や、食糧自給率向上の取り組みなどが背景にあると考えられます。また、天候条件が安定していたことも影響している可能性があります。1970年代に入ると一時的に生産量が急増する年もあるものの、後半には586トン(1976年)や583トン(1977年)のように急激な減少が見られ、波動的な動きが特徴となっています。この波動は気象条件の変化や市場の需要の変化、さらには地元農家の経済的状況の影響を受けた結果と考えられます。

1981年には1,138トンと、それまでの記録を大きく上回る生産量を達成しました。この大幅な増加については、栽培技術の改良や農業インフラの整備が寄与した可能性があります。1990年代に入ると再び生産量は不安定となり、特に社会環境や資源の利用に課題があったことが原因と推測されます。しかし、1997年には1,265トンへと再び急増し、その後2000年代において徐々に上昇基調が続きます。

2004年の1,394トンという記録は、農業政策の成功や輸出強化、あるいは市場需要の増大が影響した結果と推測されます。しかし、その後は生産量がやや減少し、2005年以降は1,100トン前後で推移しています。注目すべきは、近年では比較的安定した生産が見られており、2012年以降は1,200トン以上を継続的に維持している点です。

このように長期的には成長しつつも変動が大きいキャベツ生産の動態には、いくつかの課題が見受けられます。第一に、フランス領ポリネシア特有の地理条件が挙げられます。島嶼地域である同国では耕作地が限られていることに加え、輸送コストや生活インフラの不足が農地管理を難しくしています。また、気候変動の影響も無視できません。異常気象や台風といった災害は生産量の変動要因となるだけでなく、農業従事者の生活基盤を脅かすリスクを伴います。

さらに新型コロナウイルスの流行がキャベツ生産にも影響を与えた可能性があります。例えば、2020年以降のロックダウンや貿易制限による資材不足、移動の制限が労働力や資材供給にどのような形で関わったか、さらなる分析が必要です。

今後、フランス領ポリネシアがキャベツ生産を発展させるためには、持続可能な農業政策の構築が重要です。具体的には、気象データに基づいた作付け計画の策定や、温室栽培など気候変動への耐性を持つ技術の導入が挙げられます。また、農業インフラのさらなる整備と、地域農家への技術的・経済的支援が欠かせません。さらに地域間協力を推進し、近隣国に向けた輸出産業の拡大も検討すべきでしょう。

総じて、フランス領ポリネシアのキャベツ生産は今後も安定的な基盤を目指すことが求められます。国際連合の支援や地元の協力体制を通じて、農業の多角化と内外市場の発展を目指すことが重要な一歩となるでしょう。