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マルタのキャベツ生産量推移(1961-2022)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が2024年7月に更新した最新データによれば、マルタのキャベツ生産量は1961年の1,980トンから徐々に増加と減少を繰り返しつつ、近年は4,000トン前後で推移しています。特に1960年代から1980年代初頭までは比較的低い水準にとどまりましたが、それ以降の1984年の3,000トンの大幅増加や1996年以降の4,000トン前後の安定した水準など、生産量が顕著に変動していることが分かります。直近の2022年時点では4,010トンを記録しています。

年度 生産量(トン)
2022年 4,010
2021年 3,860
2020年 4,260
2019年 4,230
2018年 4,500
2017年 3,705
2016年 4,103
2015年 4,118
2014年 4,374
2013年 4,429
2012年 3,833
2011年 3,760
2010年 3,334
2009年 3,120
2008年 3,393
2007年 3,311
2006年 3,514
2005年 3,266
2004年 3,596
2003年 2,738
2002年 2,891
2001年 2,560
2000年 4,004
1999年 4,431
1998年 4,396
1997年 4,548
1996年 4,200
1995年 1,260
1994年 1,300
1993年 1,700
1992年 1,850
1991年 1,900
1990年 3,300
1989年 3,500
1988年 3,100
1987年 2,900
1986年 2,900
1985年 3,000
1984年 3,000
1983年 2,608
1982年 2,462
1981年 2,046
1980年 2,023
1979年 1,720
1978年 2,043
1977年 2,238
1976年 2,102
1975年 2,041
1974年 1,939
1973年 1,697
1972年 2,105
1971年 2,100
1970年 1,746
1969年 2,433
1968年 2,206
1967年 1,053
1966年 1,064
1965年 1,063
1964年 1,004
1963年 1,062
1962年 1,400
1961年 1,980

マルタのキャベツ生産量は1961年以降、大きく変動する傾向が見られ、その背景には気候条件、栽培面積の変化、農業技術の進歩、ならびに国内外の経済状況が影響していると考えられます。データでは、1960年代は生産量が1,000トン台に停滞し、栽培が低収量にとどまる傾向が見られました。これには、当時の農業技術が比較的未熟であることと、地中海性気候による降雨不足の影響が関連していると推測されます。

しかし、1980年代に入ると、農業生産の効率化や品種改良、さらには政府の農業政策の導入が功を奏し、生産量が飛躍的に増加しました。その後、1996年から2000年にかけては、最高で4,548トン(1997年)を記録するなど、持続可能な生産基盤の構築が達成されました。これに加えて、EU加盟による補助金の活用や市場開放が農家の投資能力を高めたことも大きな要因です。

それ以降のキャベツ生産量は4,000トン前後で安定していますが、2017年には若干の減少が見られ、3,705トンと落ち込んでいます。この減少には、気候変動による局地的な干ばつや熱波の影響がある可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症が世界的に広がった2020年の生産量は4,260トンと比較的維持されましたが、感染拡大による労働力の不足や物流の混乱が生産および流通システムに影響を与えた可能性があります。

未来に向けて、マルタが直面する重要な課題には、気候変動と農業用水の確保があります。地中海地域は特に気候変動の影響を受けやすい地域であり、今後も降雨量の減少や温度上昇が予測されています。このリスクを軽減するためには、次世代の灌漑システムの導入や、乾燥環境に適応したキャベツの品種改良が欠かせません。また、農家が効率良く生産を行える技術支援や、持続可能な栽培方法の普及が急務です。

さらに、地域間の農業協力を促進し、国際市場へのアクセスを拡大することも成長を続ける上で重要なポイントです。例えば、日本では国内需要以上のキャベツ生産が行われている一方で、中国やインドなどでは急激な人口増加に伴い野菜需要が拡大しています。これらの状況を踏まえると、マルタがこれらの国々に輸出市場を広げることで、競争力のある農業大国としての地位を確立する可能性もあります。

最終的に、地域社会と政府、さらには国際的な支援機構が一体となり、気候リスクと経済的課題に対応する枠組みを構築することが求められます。これにより、将来的に安定したキャベツ生産を維持しつつ、国内外の消費者へ高品質の供給を実現する可能性が広がるでしょう。