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北マケドニアのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、北マケドニアのキャベツ生産量は、1992年の56,322トンから始まり、2015年にピークの193,796トンを記録しました。その後はやや減少傾向にあり、2022年には149,523トンとなっています。この長期データセットからは、1990年代の緩やかな増加、2000年代後半の急成長、そして2015年以降の減少の3つの段階が明らかです。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 136,232
-8.89% ↓
2022年 149,523
-2.63% ↓
2021年 153,559
-8.85% ↓
2020年 168,460
-3% ↓
2019年 173,672
0.31% ↑
2018年 173,141
-4.52% ↓
2017年 181,339
-2.1% ↓
2016年 185,227
-4.42% ↓
2015年 193,796
18.18% ↑
2014年 163,988
4.17% ↑
2013年 157,416
22.44% ↑
2012年 128,571
-9.88% ↓
2011年 142,670
-4.35% ↓
2010年 149,157
33.02% ↑
2009年 112,130
19.44% ↑
2008年 93,876
8.87% ↑
2007年 86,226
29.08% ↑
2006年 66,800
0.45% ↑
2005年 66,499
-2.57% ↓
2004年 68,251
-2.5% ↓
2003年 70,000
-1.41% ↓
2002年 71,000
-5.71% ↓
2001年 75,300
9.53% ↑
2000年 68,750
-2.03% ↓
1999年 70,177
3.06% ↑
1998年 68,095
26.17% ↑
1997年 53,972
6.05% ↑
1996年 50,893
-8.86% ↓
1995年 55,842
5.86% ↑
1994年 52,753
-1.3% ↓
1993年 53,447
-5.1% ↓
1992年 56,322 -

北マケドニアのキャベツ生産量は、30年以上にわたるデータを通じてさまざまな動きが示されています。このデータは、気候条件や農業政策、経済的要因などがどのように生産に影響を与えてきたかを理解する上で重要です。例えば、1992年から2000年代初頭までは、生産量はおおむね5万~7万トンというやや安定した範囲で推移しており、これは当時の技術的な限界や農業インフラの制約が見られる時期と関連していると考えられます。

しかし2007年以降、生産量は急激に増加し、特に2009年以降の10万トン超え、2015年の約19万4千トンという記録的な生産量は、農業技術の改善や輸出志向の農業政策の成功を反映している可能性があります。この時期には、北マケドニアはヨーロッパの市場でキャベツの重要な輸出国の一つとして地位を確立したと考えられます。また、このような好調な成長は、域内の農民の所得向上や生活水準の改善にも寄与していると推測されます。

ただし2015年以降、キャベツの生産量は緩やかに減少に転じています。例えば、2022年には約149,523トンにまで低下しました。この要因の一つには、気候変動の影響が挙げられます。特に、近年の気温上昇や降水量の変動は収穫に直接的な影響を与えるため、今後も農業部門にとって重要な課題となるでしょう。また、2020年からの新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響による労働力不足や物流の乱れも、短期的な生産性低下に寄与した可能性があります。

さらに、地域の政治的安定や地政学的リスクも影響する要素です。北マケドニアはバルカン地域に位置し、歴史的に周辺国との政治的摩擦が多い地域ですが、こうした負の要素が農業原材料の供給や市場アクセスに影響を及ぼす場合もあります。農産物生産の持続可能性を確保するためには、これらの問題に対処することが不可欠です。

今後求められる具体的な対策としては、まず気候に耐性のある農作物品種の導入や灌漑設備の整備を進めることが重要です。また、輸出市場の拡充を図るため、質の高い生産を支える農業技術のさらなる向上が必要でしょう。加えて、農業従事者の技能教育や若年層の農業参入を促進する政策も不可欠です。これにより、継続的な高品質のキャベツ供給と国内経済の安定に寄与することが期待されます。

結論として、北マケドニアのキャベツ生産は歴史的な変遷を経つつも、依然として国の農業部門において重要な役割を果たしています。新たな課題に直面しながらも、適切な政策や技術対応を講じることで、今後もその競争力を維持・強化できる可能性があります。これは国内市場だけでなく、輸出市場のさらなる発展にもつながるでしょう。