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ベネズエラ (ボリバル共和国)のキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ベネズエラ (ボリバル共和国)のキャベツの生産量は1960年代から2022年にかけて大きな推移を見せています。初期の1960年代の年間生産量は10,000トン前後で推移しましたが、1980年代以降急激に増加し、2000年代には100,000トンの大台を突破しました。2014年にはピーク時となる146,050トンを記録しましたが、その後は経済危機やその他の要因による急激な減少も見られます。その後2021年以降回復傾向を示しており、2022年には108,003トンに達しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 102,041
-5.52% ↓
2022年 108,003
5.51% ↑
2021年 102,360
8.28% ↑
2020年 94,528
-2.69% ↓
2019年 97,144
16.62% ↑
2018年 83,301
-40.62% ↓
2017年 140,287
-3.14% ↓
2016年 144,831
-0.83% ↓
2015年 146,050
3.94% ↑
2014年 140,517
14.47% ↑
2013年 122,757
20.23% ↑
2012年 102,105
-23.77% ↓
2011年 133,949
3.61% ↑
2010年 129,282
23.1% ↑
2009年 105,019
4.79% ↑
2008年 100,219
-0.1% ↓
2007年 100,315
-1.08% ↓
2006年 101,412
9.5% ↑
2005年 92,616
18.19% ↑
2004年 78,360
15.56% ↑
2003年 67,807
10.33% ↑
2002年 61,456
14.03% ↑
2001年 53,896
-1.71% ↓
2000年 54,835
-10.53% ↓
1999年 61,291
0.85% ↑
1998年 60,777
11.71% ↑
1997年 54,406
-7.73% ↓
1996年 58,967
11.9% ↑
1995年 52,697
15.12% ↑
1994年 45,777
26.35% ↑
1993年 36,230
-2.93% ↓
1992年 37,322
26.05% ↑
1991年 29,609
-4.2% ↓
1990年 30,908
-6.5% ↓
1989年 33,057
9.3% ↑
1988年 30,244
-2.93% ↓
1987年 31,156
1.1% ↑
1986年 30,817
6.04% ↑
1985年 29,062
-7.31% ↓
1984年 31,354
6.1% ↑
1983年 29,550
14.46% ↑
1982年 25,818
7.08% ↑
1981年 24,111
24.12% ↑
1980年 19,425
7.71% ↑
1979年 18,035
20.77% ↑
1978年 14,933
-15.6% ↓
1977年 17,693
-8.28% ↓
1976年 19,291
22.79% ↑
1975年 15,711
6.04% ↑
1974年 14,816
8.84% ↑
1973年 13,613
4.93% ↑
1972年 12,974
1.25% ↑
1971年 12,814
2.59% ↑
1970年 12,490
3.95% ↑
1969年 12,015
-11.97% ↓
1968年 13,648
-4.46% ↓
1967年 14,285
10.87% ↑
1966年 12,884
17.13% ↑
1965年 11,000
10% ↑
1964年 10,000 -
1963年 10,000
11.11% ↑
1962年 9,000
-10% ↓
1961年 10,000 -

ベネズエラのキャベツの生産量は、これまで幾度もの波を経験してきました。1960年代は、生産規模が10,000トン前後と小規模で安定していました。しかし、1970年代後半から1980年代前半にかけて、急速に生産量が増加し、経済成長や農業技術の普及がその背景とされています。この期間中、1984年には31,354トンと倍増に近い成長を果たしています。

特筆すべきは1990年代以降の躍進です。1995年には50,000トンを突破し、1999年には61,291トンへと増加しました。この成長は、国内食糧需要の高まりや、農業におけるインフラ整備、さらには安価な労働力確保に依存していたといえます。また、2000年代後半の世界的な食糧需要の増加も追い風となり、2010年には129,282トン、さらに2015年には146,050トンと過去最大の生産量を記録しました。

しかし、その後の急激な減少が目立ちます。2015年以降、国内の経済的混乱が顕著となり、結果として2018年にはわずか83,301トンにまで落ち込みました。この時期は、インフレーションや農業資材の不足、エネルギー供給難など複合的な要因がキャベツ生産に深刻な影響を与えたと考えられます。同様に、豊富な農業労働力を失ったことや、輸送インフラの衰退も問題を悪化させました。

2021年からは生産量が再び増加しており、2022年には108,003トンに回復しました。この回復は、政府の農業に対する支援策の再開や、地域的な協力体制の強化、および気候条件の改善が寄与したとみられます。ただし、かつてのピーク時の半分以下の水準に留まっており、依然として課題は山積です。

地政学的な視点からも、ベネズエラが直面している課題は重要です。ベネズエラは、豊富な石油資源を有する一方で、その収入に依存してきた結果、農業部門の多様性が失われる懸念が指摘されています。経済制裁に伴う農業資材の輸入制限や、主要な貿易パートナーの多様化不足も、農業における生産性低下の一因とされています。

将来的な課題として、国内農業を再活性化し、持続可能な生産モデルを構築することが挙げられます。具体的には、国内のインフラ整備を加速させ、農業従事者への教育と技術支援を強化することが望ましいでしょう。また、農業における輸出重視型の戦略を採用し、新たな国際市場への参入を目指す努力が必要です。さらに、衛生管理や災害対応を含めた総合的な農業政策が必要であり、特に気候変動の影響に備える地域的な協力も求められます。

結論として、ベネズエラのキャベツ生産量推移は、経済状況や政策、そして気候条件の影響を強く反映していると言えます。このデータから、農業の長期的な安定には内部要因と外部要因のバランスが重要であることが示されています。今後、ベネズエラが持続可能な農業を推進し、国内外の需要に応えるためには、政策と国際的な協力の両面での取り組みが鍵を握るでしょう。