国際連合食糧農業機関(FAO)の発表によると、マラウイにおけるキャベツの生産量は1961年の7,000トンから2022年の221,528トンへと大きく増加しています。生産量は全体的に増加傾向を示しているものの、1990年代や2010年代後半には一時的な減少も見られました。近年は持続的な増加が見られる一方で、2015年を頂点とした一部の不安定な動きも注目されるポイントです。
マラウイのキャベツ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 200,221 |
-9.62% ↓
|
2022年 | 221,528 |
3.33% ↑
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2021年 | 214,384 |
2.68% ↑
|
2020年 | 208,790 |
18.8% ↑
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2019年 | 175,742 |
-6.46% ↓
|
2018年 | 187,874 |
-10.16% ↓
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2017年 | 209,125 |
6.46% ↑
|
2016年 | 196,435 |
-9.3% ↓
|
2015年 | 216,588 |
-5.88% ↓
|
2014年 | 230,127 |
62.31% ↑
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2013年 | 141,781 |
80.61% ↑
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2012年 | 78,500 |
-10.49% ↓
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2011年 | 87,701 |
6.62% ↑
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2010年 | 82,259 |
5.57% ↑
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2009年 | 77,918 |
4.1% ↑
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2008年 | 74,852 |
24.75% ↑
|
2007年 | 60,000 |
3.45% ↑
|
2006年 | 58,000 |
5.45% ↑
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2005年 | 55,000 |
10% ↑
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2004年 | 50,000 |
11.11% ↑
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2003年 | 45,000 |
12.5% ↑
|
2002年 | 40,000 |
14.29% ↑
|
2001年 | 35,000 |
9.38% ↑
|
2000年 | 32,000 |
10.34% ↑
|
1999年 | 29,000 |
3.57% ↑
|
1998年 | 28,000 |
3.7% ↑
|
1997年 | 27,000 |
-10% ↓
|
1996年 | 30,000 |
11.11% ↑
|
1995年 | 27,000 |
-25% ↓
|
1994年 | 36,000 |
9.09% ↑
|
1993年 | 33,000 |
26.92% ↑
|
1992年 | 26,000 |
-7.14% ↓
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1991年 | 28,000 |
-17.02% ↓
|
1990年 | 33,743 |
24.97% ↑
|
1989年 | 27,000 | - |
1988年 | 27,000 |
3.85% ↑
|
1987年 | 26,000 | - |
1986年 | 26,000 | - |
1985年 | 26,000 | - |
1984年 | 26,000 |
4% ↑
|
1983年 | 25,000 |
4.17% ↑
|
1982年 | 24,000 |
4.35% ↑
|
1981年 | 23,000 |
4.55% ↑
|
1980年 | 22,000 |
10% ↑
|
1979年 | 20,000 |
11.11% ↑
|
1978年 | 18,000 | - |
1977年 | 18,000 |
5.88% ↑
|
1976年 | 17,000 | - |
1975年 | 17,000 |
13.33% ↑
|
1974年 | 15,000 |
37.79% ↑
|
1973年 | 10,886 |
-20% ↓
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1972年 | 13,608 |
7.15% ↑
|
1971年 | 12,700 |
16.66% ↑
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1970年 | 10,886 |
-0.13% ↓
|
1969年 | 10,900 |
9% ↑
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1968年 | 10,000 | - |
1967年 | 10,000 | - |
1966年 | 10,000 |
11.11% ↑
|
1965年 | 9,000 | - |
1964年 | 9,000 |
12.5% ↑
|
1963年 | 8,000 | - |
1962年 | 8,000 |
14.29% ↑
|
1961年 | 7,000 | - |
マラウイのキャベツ生産量は、1961年からのデータを見ると、初期の緩やかな成長から1990年代以降にかけて急激に増加していることがわかります。この背景には、農業技術の向上、肥料や灌漑設備の導入、さらには農業政策の強化が影響していると考えられます。ただし、1991年や2018年のように、生産量が大幅に減少した年が見られることから、マラウイのキャベツ生産は依然として災害や天候変動などの外的条件に脆弱な一面があります。
特に2010年代後半の生産量には一定の変動があり、最も高い値を記録した2014年の230,127トンから2019年まで減少傾向が続きました。この減少はおそらく、干ばつや洪水などの気象災害、人口増加による土地利用の競争、または経済的な混乱が影響している可能性があります。たとえば、近年の気候変動による降水量のばらつきや長期的な地球温暖化の影響が、この国の農業生産に与えるリスクが懸念されています。
また、2020年以降は再び増加傾向が見受けられ、特に2022年には221,528トンを記録しています。この増加は、国内外の需要増加に応えるための農家の努力や、国が農業において持続可能な技術革新を推進していることと関係していると思われます。それでも、生産をさらに向上させるためには、キャベツ生産の効率を高める方法の模索が必要です。例えば、病害虫対策や灌漑の効率化、新しい肥料の導入などが挙げられます。
マラウイのキャベツ生産は、同地域の食料安全保障において非常に重要な役割を果たしていますが、この地域に特有の課題にも直面しています。他の多くの発展途上国と同様に、農業部門における資金調達やインフラ整備が依然として十分ではありません。特に、自然災害や市場価格の変動が農家の収入に与える影響を軽減するためには、政府や国際機関による支援が求められるでしょう。
加えて、最近のキャベツ生産の安定性を確保し、成長を促進するためには、気候変動への対策も必須です。例えば、気候変動の影響を軽減するために、耐旱性の高いキャベツ品種の導入や、予測可能な気象情報システムの導入が重要となります。また、灌漑用水の確保と農業インフラの拡充により、天候の変化による生産量の変動を減らすことが期待されます。
さらに、国際市場への接続強化も重要課題です。他国と比較すると、マラウイのキャベツ生産量は増加基調にあるものの、アメリカや中国などの農業大国に比べれば依然として小規模と言えます。そのため、地域内での協力枠組みを築き、輸出用の品質規格を整備することにより、市場競争力を高める可能性があります。
総じて、マラウイのキャベツ生産の長期的な成長を目指すには、国内外の支援や技術革新を活かし、持続可能な農業の実現に向けた取り組みが必要不可欠です。キャベツ生産の安定的な発展は、マラウイのみならず、地域全体の食料安全保障や経済成長に寄与することでしょう。