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ニュージーランドの馬肉生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、ニュージーランドにおける馬肉の生産量は1961年で340トンと始まり、その後の数十年間で大きな増減を経て、1993年にはピークとなる1,813トンに達しました。しかし、その後は再び減少傾向が続き、2017年には36トンと観測史上最低値になっています。全体として、馬肉の生産量は長期的な下降トレンドを示しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 36
-83.78% ↓
2016年 222
-46.25% ↓
2015年 413
5.9% ↑
2014年 390
-3.7% ↓
2013年 405
-15.98% ↓
2012年 482
-2.82% ↓
2011年 496
12.47% ↑
2010年 441
-41.36% ↓
2009年 752
149.83% ↑
2008年 301
-49.67% ↓
2007年 598
-5.68% ↓
2006年 634
61.73% ↑
2005年 392
52.53% ↑
2004年 257
-29.2% ↓
2003年 363
-44.33% ↓
2002年 652
16.22% ↑
2001年 561
-48.58% ↓
2000年 1,091
-7.07% ↓
1999年 1,174
6.92% ↑
1998年 1,098
-12.72% ↓
1997年 1,258
-15.68% ↓
1996年 1,492
-21.1% ↓
1995年 1,891
-0.53% ↓
1994年 1,901
4.85% ↑
1993年 1,813
85.47% ↑
1992年 978
41.8% ↑
1991年 689
-18.9% ↓
1990年 850 -
1989年 850 -
1988年 850
25% ↑
1987年 680
33.33% ↑
1986年 510
15.38% ↑
1985年 442
4% ↑
1984年 425 -
1983年 425 -
1982年 425
-16.67% ↓
1981年 510 -
1980年 510 -
1979年 510 -
1978年 510 -
1977年 510 -
1976年 510 -
1975年 510 -
1974年 510 -
1973年 510 -
1972年 510 -
1971年 510 -
1970年 510
50% ↑
1969年 340
-25.93% ↓
1968年 459
-6.9% ↓
1967年 493
-14.71% ↓
1966年 578
13.33% ↑
1965年 510 -
1964年 510
20% ↑
1963年 425 -
1962年 425
25% ↑
1961年 340 -
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ニュージーランドの馬肉生産量の推移を振り返ると、1960年代から1980年代半ばまでは比較的安定した水準を維持し、510トン前後を記録する年が多く見られました。この間、馬肉の生産は一部の国内需要、および特定の輸出市場に応じた適度な規模で行われていたと考えられます。しかし、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、目覚ましい生産量の増加が観測されています。この背景には、冷戦終結後の国際市場の変化や、ニュージーランドが輸出競争力を強化するため農業の多角化を図ったことが要因として挙げられます。この時期には、特に東南アジアやヨーロッパ向けの馬肉輸出が拡大した可能性があります。

1993年の1,813トンというピーク以降は、長期的な減少傾向が明確に見られます。1990年代後半からは特に急激に減少し、2003年には363トン、2017年にはわずか36トンにまで落ち込みました。この急激な減少の背景には、いくつかの要因が考えられます。一つは、世界的な消費トレンドの変化です。一部の地域では消費者が馬肉を避ける傾向が強まり、需要全体が低下した可能性があります。加えて、ニュージーランド国内での動物福祉に対する意識の高まりが、馬肉生産への社会的な圧力となった可能性もあります。動物愛護運動の台頭により、馬の屠殺や馬肉消費に対する支持が減少したことが、特に国内需要に影響を与えたと推測されます。

地政学的な観点から見ると、ニュージーランドの農業政策がこの減少に与えた影響についても触れておくべきです。ニュージーランドは20世紀後半以降、羊肉や乳製品、さらにはキウイフルーツなどの輸出品に注力する政策を採りました。それにより、馬肉は国の主要輸出品としての役割を果たせなくなり、生産の縮小が進んだ可能性があります。また、ヨーロッパ連合(EU)の動物衛生基準や輸入規制の厳格化が、ニュージーランドからの馬肉輸出に追加的な課題を生じさせた可能性があります。

未来を見据えると、ニュージーランドが馬肉生産にどのような役割を見出すかが問われています。一つの選択肢は縮小路線を維持し、国際的な需要に応じた最低限の生産体制を整えることです。また、動物福祉に配慮した生産工程を強化し、高付加価値商品として特定の市場に絞った展開を行う方法も検討に値します。一方で、需要が著しく減少している現状から完全に撤退するという選択も現実的です。

最後に、今後の政策提案として、政府は馬肉産業の将来的な方向性について明確な方針を設定することが求められます。また、馬肉生産者を他の農業分野へ移行させるためのサポートや、国際市場で競争力を持てる新しい農業資源の探索を進めることが重要です。生産を撤退する場合でも、動物福祉や環境持続性の観点から適切な管理を行う必要があることを忘れてはなりません。

ニュージーランドの統計データ
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