Skip to main content

ニュージーランドのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が公開した最新データによれば、ニュージーランドにおけるカリフラワーとブロッコリーの生産量は1961年から2023年にかけて変動が大きいことが特徴となっています。最も生産量が多かったのは1995年の72,200トン、一方で最も少なかったのは1987年の17,000トンでした。最近のデータでは2023年の生産量が32,887トンと、近年やや減少傾向にあることが読み取れます。これらの数値はニュージーランドの農業政策、世界的な需要動向、そして気候変動が生産量に与える影響を示唆しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 32,887
2.54% ↑
2022年 32,072
-19.63% ↓
2021年 39,905
-1.58% ↓
2020年 40,547
-12.71% ↓
2019年 46,451
8.51% ↑
2018年 42,807
4.34% ↑
2017年 41,025
-5.31% ↓
2016年 43,327
-0.57% ↓
2015年 43,576
3.79% ↑
2014年 41,983
-5.07% ↓
2013年 44,225
-2.65% ↓
2012年 45,427
-5.85% ↓
2011年 48,252
9.62% ↑
2010年 44,017
4.8% ↑
2009年 42,000
-1.79% ↓
2008年 42,767
-4.96% ↓
2007年 45,000
1.86% ↑
2006年 44,179
-21.11% ↓
2005年 56,000
144.95% ↑
2004年 22,861
-57.9% ↓
2003年 54,300
1.64% ↑
2002年 53,422
102.43% ↑
2001年 26,391
-52.87% ↓
2000年 56,000
105.32% ↑
1999年 27,275
-3.82% ↓
1998年 28,357
-2.56% ↓
1997年 29,103
-5.6% ↓
1996年 30,828
-57.3% ↓
1995年 72,200
25.78% ↑
1994年 57,400
-5.75% ↓
1993年 60,900
91.51% ↑
1992年 31,800
27.2% ↑
1991年 25,000
25% ↑
1990年 20,000
17.65% ↑
1989年 17,000 -
1988年 17,000 -
1987年 17,000
-5.56% ↓
1986年 18,000
-5.26% ↓
1985年 19,000 -
1984年 19,000 -
1983年 19,000
4.06% ↑
1982年 18,258
-29.16% ↓
1981年 25,772
6.25% ↑
1980年 24,257
2.48% ↑
1979年 23,671
-10.83% ↓
1978年 26,546
-10.54% ↓
1977年 29,673
22.22% ↑
1976年 24,278
-1.62% ↓
1975年 24,679
31.47% ↑
1974年 18,772
-21.58% ↓
1973年 23,937
2.4% ↑
1972年 23,375
1% ↑
1971年 23,144
-11.44% ↓
1970年 26,133
-2.79% ↓
1969年 26,882
1.18% ↑
1968年 26,569
1.44% ↑
1967年 26,193
1.12% ↑
1966年 25,903
-5.26% ↓
1965年 27,340
-19.59% ↓
1964年 34,000
7.94% ↑
1963年 31,500
14.96% ↑
1962年 27,400
4.58% ↑
1961年 26,200 -

ニュージーランドのカリフラワーとブロッコリーの生産量推移は、この国の農業の発展と課題を象徴する重要なデータとなっています。1961年から1980年代までの生産量はおおむね2万トン台で推移しており、比較的安定した状態が見られましたが、1970年代後半からは生産量が大きく減少しました。1987年の17,000トンを底に、その後回復を見せ、1990年代初頭から中期にかけて急激な伸びを記録しています。特に1995年には最大値である72,200トンを達成しました。しかし、その後は再び減少し、2000年以降も安定して増減を繰り返していることが分かります。

生産量の増減には、複数の要因が関連していると考えられます。ニュージーランドは高品質な農産物の輸出国として知られていますが、カリフラワーやブロッコリーは国内市場での消費が中心です。しかし、1990年代半ばに見られた生産量の急激な増加は、輸出の拡大や国内の農業技術の向上、市場需要の増加が背景にあると推測されます。一方で、2000年代以降、生産量が再び低下した理由には、気候変動の影響や農地利用の変化、そして世界市場における競争力の変化が挙げられます。

近年のデータでは、2018年以降生産量が再び減少傾向にあり、これはニュージーランドだけでなく世界的な気候変動の影響を反映している可能性があります。気温の上昇や土壌水分の減少などは、それぞれカリフラワーやブロッコリーの栽培に適さない条件を作り出す懸念があります。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行も、一時的な供給チェーンの混乱や市場需要の変化を引き起こし、生産計画に影響を及ぼしたと考えられます。

ニュージーランドの産業構造や地政学的背景は、カリフラワーやブロッコリーといった農産物の生産に少なからず影響を与えています。他国と比較してみると、日本や韓国、中国では国内消費の割合が圧倒的に高く、これらの生産量は国内市場の需要とほぼ一致しています。一方、ニュージーランドは外貨獲得を目的とした輸出型農業が中心であり、それゆえ輸出需要の変動が生産に与える影響が大きくなります。ただし、これらの野菜は比較的日持ちしにくいため、主要輸出市場が限定されており、これが生産量の安定をさらに難しいものにしています。

今後の課題としては、生産量の安定化や持続可能な農業への移行が挙げられます。具体的な対策としては、気候変動に対応した農業技術の導入、収穫量を最大化するための研究開発の推進が重要となります。さらに、地域間協力を通じた市場の拡大や、新興市場への参入も課題解決の鍵となり得ます。政策的には、農業従事者への財政支援や農地利用の効率化が不可欠です。

結論として、ニュージーランドのカリフラワー・ブロッコリー生産量は、多くの外的要因に左右されやすい特徴がありますが、持続可能性を重視した農業方法と市場開拓への取り組みが生産を安定させるための方向性となるでしょう。国際機関や他国と連携した気候変動対策の推進も、ニュージーランド農業の未来を拓く重要なステップとなります。