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ギリシャの天然蜂蜜生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

Food and Agriculture Organization(FAO)が発表した最新データによれば、ギリシャの天然蜂蜜の生産量は、1961年の約6,000トンから2019年には22,590トンへと大幅な増加を見せています。特に2000年以降の成長が顕著で、2014年から2019年にかけては6年間でおよそ6,600トンもの増加が記録されました。一方で、生産量は一貫して増加しているわけではなく、天候や経済条件により一時的な減少が見られる年もありました。

年度 生産量(トン) 増減率
2019年 22,590
1.36% ↑
2018年 22,288
1.59% ↑
2017年 21,939
5.16% ↑
2016年 20,862
0.24% ↑
2015年 20,813
5.79% ↑
2014年 19,673
25.33% ↑
2013年 15,697
-0.04% ↓
2012年 15,704
-3.71% ↓
2011年 16,308
0.44% ↑
2010年 16,237
4.12% ↑
2009年 15,596
10.53% ↑
2008年 14,110
-4.47% ↓
2007年 14,770
-8.93% ↓
2006年 16,218
-0.48% ↓
2005年 16,297
2.43% ↑
2004年 15,911
1.05% ↑
2003年 15,746
0.44% ↑
2002年 15,677
4.09% ↑
2001年 15,061
4.91% ↑
2000年 14,356
0.81% ↑
1999年 14,241
-1.51% ↓
1998年 14,459
5.15% ↑
1997年 13,751
-3.16% ↓
1996年 14,200
-2.91% ↓
1995年 14,625
6.01% ↑
1994年 13,795
9.53% ↑
1993年 12,595
-2.35% ↓
1992年 12,898
-7.03% ↓
1991年 13,873
20.68% ↑
1990年 11,496
-4.68% ↓
1989年 12,060
8% ↑
1988年 11,167
-0.09% ↓
1987年 11,177
-1.52% ↓
1986年 11,350
9.13% ↑
1985年 10,400
-11.76% ↓
1984年 11,786
8.1% ↑
1983年 10,903
-3.93% ↓
1982年 11,349
6.87% ↑
1981年 10,619
-7.99% ↓
1980年 11,541
6.57% ↑
1979年 10,830
24.13% ↑
1978年 8,725
43.95% ↑
1977年 6,061
-52.57% ↓
1976年 12,778
14.03% ↑
1975年 11,206
30.24% ↑
1974年 8,604
6.49% ↑
1973年 8,080
-16.76% ↓
1972年 9,707
11.86% ↑
1971年 8,678
25.19% ↑
1970年 6,932
7.69% ↑
1969年 6,437
-26.29% ↓
1968年 8,733
-6.72% ↓
1967年 9,362
17.48% ↑
1966年 7,969
14.66% ↑
1965年 6,950
9.26% ↑
1964年 6,361
-20.39% ↓
1963年 7,990
103.72% ↑
1962年 3,922
-34.61% ↓
1961年 5,998 -
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ギリシャは地中海性気候と豊かな植物相を持つ地理的条件から、蜂蜜の生産に適した国とされています。そのため、同国の蜂蜜生産は農業と観光業に並ぶ重要な産業の一つです。データを見ると、1961年から2019年にかけて生産量が約4倍に増加しており、これは長期的に見てギリシャの蜂蜜産業が発展している証となっています。この増加には、養蜂技術の向上、蜂蜜の国際的需要の高まり、そして地中海地域の食文化への関心拡大などが寄与していると考えられます。

しかし、生産量の推移には一定の波もあり、たとえば1977年や1985年、2008年などには顕著な減少が記録されています。これらは主に干ばつや厳しい冬などの気象条件、または経済危機が影響しているとみられます。特に2008年以降の減少は、ギリシャ経済危機による農業支援の減少や輸出基盤の弱体化が要因として挙げられます。その後2014年以降に再び生産量が急増しているのは、政府の農業政策の見直しや、観光業とのシナジー効果を活かしたマーケティング戦略の成功によるものと言えます。

ギリシャの蜂蜜産業の現状を見ると、多くのポジティブな側面がある一方で、課題も浮き彫りとなっています。たとえば、気候変動による異常気象の頻発はミツバチの生息環境に直接的な脅威をもたらしています。また、地政学的リスクや寄生虫などの生物的脅威による蜂群崩壊症候群(コロニーコラプスディスオーダー)の増加も懸念されています。加えて、輸出市場では中国やアルゼンチンなどの大量生産国との競争が激化しており、ギリシャの蜂蜜が持つ競争力を維持するためには、プレミアム価値の創出が必要です。

これらの課題に対処するためには、まずミツバチと生態系を保護するための具体的な対策が必要です。たとえば、持続可能な農業技術の普及や、農薬使用の規制強化といった取り組みが挙げられます。また、ギリシャ特有の蜂蜜の品質をPRするマーケティング戦略がさらに重要になります。たとえば、地理的表示(GI)保護の取得や、生産者と観光業者が協働することで、蜂蜜を食文化や観光の重要な要素として位置付けることが考えられます。

結論として、ギリシャの天然蜂蜜生産量は全体的な増加傾向を示しており、これにより国内外での需要の拡大に応える一方、気候変動や国際市場での競争力といった課題への対応が求められています。今後も持続可能な生産体制を確立し、気候変動や貿易条件の変化などへの柔軟な対応力を高めることで、ギリシャの蜂蜜産業はさらなる発展を遂げる可能性を秘めていると言えます。

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