Skip to main content

ギリシャの落花生生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

Food and Agriculture Organization(FAO)が発表したギリシャの落花生生産量データによると、同国生産量は1960年代から1980年代にかけて増加傾向にありましたが、1990年代以降急激に減少しました。その後、2010年代半ばから徐々に回復の兆しを見せています。この長期間にわたる推移から、ギリシャの農村経済や農業政策、そして気候変動が落花生生産に与えた影響について考察することができます。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 4,567
15.19% ↑
2016年 3,965
38.25% ↑
2015年 2,868
6.48% ↑
2014年 2,693
6.55% ↑
2013年 2,528
2.54% ↑
2012年 2,465
24.02% ↑
2011年 1,988
4.88% ↑
2010年 1,895
11.29% ↑
2009年 1,703
31.04% ↑
2008年 1,300
-14.28% ↓
2007年 1,516
-8.78% ↓
2006年 1,662
-6% ↓
2005年 1,768
1.85% ↑
2004年 1,736
-0.33% ↓
2003年 1,742
-1.02% ↓
2002年 1,760
-13.02% ↓
2001年 2,023
-16.82% ↓
2000年 2,432
14.14% ↑
1999年 2,131
8.06% ↑
1998年 1,972
-13.73% ↓
1997年 2,286
-7.79% ↓
1996年 2,479
3.81% ↑
1995年 2,388
-14.62% ↓
1994年 2,797
-25.91% ↓
1993年 3,775
-45.14% ↓
1992年 6,881
-5.31% ↓
1991年 7,267
21.26% ↑
1990年 5,993
-33.41% ↓
1989年 9,000
-18.18% ↓
1988年 11,000
-8.3% ↓
1987年 11,995
3.58% ↑
1986年 11,580
10.29% ↑
1985年 10,500
14.28% ↑
1984年 9,188
-6.53% ↓
1983年 9,830
24.83% ↑
1982年 7,875
-2.85% ↓
1981年 8,106
-35.76% ↓
1980年 12,619
-6.23% ↓
1979年 13,458
16.13% ↑
1978年 11,589
3.22% ↑
1977年 11,228
20.07% ↑
1976年 9,351
-12.46% ↓
1975年 10,682
44.12% ↑
1974年 7,412
-0.48% ↓
1973年 7,448
-11.9% ↓
1972年 8,454
-21.5% ↓
1971年 10,769
24.4% ↑
1970年 8,657
14.83% ↑
1969年 7,539
-9.34% ↓
1968年 8,316
10.47% ↑
1967年 7,528
9.72% ↑
1966年 6,861
-8.7% ↓
1965年 7,515
27.37% ↑
1964年 5,900
25.64% ↑
1963年 4,696
14.87% ↑
1962年 4,088
-11.73% ↓
1961年 4,631 -
+ すべての年度を見る

FAOの統計によると、ギリシャの落花生生産量は1960年代にはおおよそ4,000〜8,000トンの範囲で推移していましたが、1970年代後半から1980年代にかけて明らかな増加傾向を示しました。1979年には13,458トンという最高生産量を記録しました。この時期は、農業技術の進展や気候条件に恵まれたこと、また農業補助政策の恩恵を受けていたことが要因として考えられます。

しかし、1980年代後半以降、この高水準の生産量に陰りが見え始め、1990年代に入ると急激な減少が観測されました。1995年には2,400トンを下回り、1998年にはわずか1,972トンにまで減少しました。この生産量の大幅な減少には、いくつかの要因が複合的に影響していると考えられます。まず1つ目に、国際市場における競争激化により、コスト面で不利な立場に立たされ、国内生産の採算が悪化した可能性があります。特に、中国やインドなど生産規模が大きい新興国の台頭が影響したと推測されます。2つ目に、農村部の人口減少や高齢化による農業従事人口の減少が背景にあります。よって、労働力不足が生産活動を制約している可能性があります。

さらに、気候変動の影響も無視することはできません。ギリシャは地中海性気候に分類される地域で、近年の気温上昇や降水量の変動が、落花生の栽培に適した生育環境を損なう結果を招いた可能性があります。加え、政策面でも農業分野への十分な支援が行き届かなかったことが、この長期的な減少の一因として挙げられるでしょう。

2000年代以降は、ギリシャではさらなる生産減少が続き、最低生産量を記録したのは2008年の1,300トンでした。しかし、その後2010年以降、徐々に改善の兆しが見られます。特に2016年以降は4,000トン近くまで増加しており、これは主に農業技術の改良やEUからの農業補助金の活用などの政策の成果と考えられます。また、新たな灌漑技術の導入や品種改良が生産性を向上させている可能性もあります。

このデータを踏まえた未来の展望として、ギリシャにおける落花生生産のさらなる安定成長を実現するためには、いくつかの課題に取り組む必要があります。まず、気候変動への適応策として、干ばつ耐性が高い品種の開発や、省水型灌漑技術を積極的に導入することが挙げられます。また、農村地域における若年労働力の確保を目的として、農業分野への投資や助成金制度を拡充する必要があります。加えて、国内市場や輸出市場を見据えたマーケティング戦略の改善、国際的な競争力を高めるための効率的な生産プロセスの確立も重要です。

地政学的視点から見ると、ギリシャはEU加盟国であるため、域内市場との連携を強化することで、自国産落花生の需要を維持しつつ、近隣国と協力して気候変動や国際貿易問題に対処する枠組みを構築することが求められます。また、紛争や経済的混乱など突発的な政治リスクにも対応できる農業基盤の強化を目指すべきです。

結論として、ギリシャの落花生生産動向は、この60年間で大きな変遷をたどってきました。特に1990年代以降は減退傾向が顕著でしたが、近年ようやく回復基調にあります。この改善を確実なものにするためには、環境負荷軽減型の技術革新、政策支援の強化、そして地域間での効果的な協力がカギを握ります。国際食糧農業機関やEUを含む国際機関とも連携し、ローカルからグローバルに至るまで農業競争力を高める努力が必要です。

ギリシャの統計データ
キーワード検索
楽天おすすめ