ギリシャの1950年～2100年総人口推移｜実データと未来予測を徹底解説

出典：国連事務局(United Nations) World Population Prospects 2024

国連事務局経済社会局人口部の「World Population Prospects 2024」によれば、ギリシャの人口は1950年には約765万人でしたが、その後長期的に増加し、2010年に約1112万人でピークに達しました。しかし、それ以降は減少に転じ、2023年には約1024万人、さらに2100年には約627万人にまで縮小する見込みです。これは約150年間で人口がほぼ半減することを意味しており、ギリシャ社会や経済への影響が懸念されています。

「ギリシャ」総人口推移（過去）

「ギリシャ」総人口推移（未来予測）

ギリシャってどんなところ?

正式名称: ギリシャ共和国
英語名: Greece
首都: アテネ（Athens）
地域: ヨーロッパ /南ヨーロッパ
総人口: 1,024万人
面積: 128,900 ㎢

「ギリシャ」の総人口推移について

ギリシャの人口推移を見ると、1950年代から1980年代にかけては一貫して人口が増加してきました。この時期は戦後における経済復興や医療技術の向上などが背景にあり、自然人口増加が主要な要因となっていました。特に1970年代以降には年平均1%程度の成長率を維持しており、1980年代から1990年代にかけては移民流入も人口増加に寄与しました。その結果、2010年に約1112万人のピークを迎えました。

しかし、2010年以降、ギリシャの人口は減少に転じています。この減少の背後にはいくつかの要因が挙げられます。第一に、出生率の低下が主要な原因です。出生率は1人の女性が一生の間に産む子どもの平均数を指しますが、ギリシャではこの数値が安定して人口を維持できる「2.1」を大きく下回っています。第二に、2010年代の欧州金融危機による経済不況が若い世代における雇用や将来の生活の不安を増加させ、結婚や出産を控える傾向を加速させました。第三に、高学歴を持つ若者層が海外へ移住する「頭脳流出」が深刻化しており、結果として出生率の回復余地を狭めています。

さらに、高齢化の進行も目立っています。ギリシャでは医療技術の進展や生活水準の向上により平均寿命が延びていますが、これに伴い65歳以上の高齢者の割合が増加しています。この傾向は日本やドイツなど他の先進諸国でも見られる問題ですが、特にギリシャでは若年層の減少と相まって急激な人口の高齢化が進行しています。これにより年金制度の持続可能性や医療費の増加といった社会的負担の増大が懸念されます。

さらに将来予測を見ると、2023年の約1024万人から2100年までに約627万人に減少する見込みです。これはイタリアやスペインなどの他の地中海沿岸諸国とも似た傾向を示しており、地域全体に共通する問題として認識されています。ただし、インドやアメリカといった人口増加傾向にある国々と比較すると、地球規模での人口分布のバランスが崩れる可能性も懸念されています。

このような状況に対し、いくつかの具体的な政策提案が考えられます。まず第一に、出生率を回復させるための家族支援政策が必要です。国家財政を背景に育児休暇延長や子ども手当の充実、保育所の確保などを実施することが考えられます。また、ギリシャ国外に移住した若い世代を呼び戻すためのインセンティブ、例えば税制優遇や教育・研究環境の改善も効果が期待されます。さらに、移民受け入れ政策を強化することも一策です。すでに他国では成功例があり、特にカナダやドイツでは移民政策の見直しが労働力確保と高齢化問題の緩和に寄与しています。

地政学的背景として、ギリシャの位置する地中海地域は歴史的に多くの紛争や移民流入の通過点となってきました。今後、気候変動や地域間での資源争奪がさらなる移民流入を引き起こす可能性がありますが、これを経済的・社会的に有効活用するための柔軟な政策対応が求められるでしょう。

さらに、急速な高齢化を踏まえて、ヘルスケアと福祉制度の革新にも力を入れる必要があります。例えばデジタル技術を応用した遠隔医療の普及や、AIを活用した高齢者ケアサービスが考えられます。これらを長期的な国家計画として推進することで、持続可能な社会モデルを構築することが可能です。

結論として、ギリシャの人口減少および高齢化問題は国内のみならず、地域および地球規模での影響を生む可能性があります。この動向に対応するためには、国内外で共同して解決策を模索する必要があります。国際協力の枠組みを拡大し、将来へのリスクを最小化する政策を迅速に実行することが求められます。

1950年から2100年までの「ギリシャ」の総人口推移

年度	総人口	人口変化	増加率
1950年	765万人	+61,642	0.806% ↑
1951年	771万人	+61,941	0.803% ↑
1952年	777万人	+63,402	0.815% ↑
1953年	784万人	+68,054	0.868% ↑
1954年	791万人	+71,140	0.899% ↑
1955年	798万人	+76,547	0.959% ↑
1956年	806万人	+76,008	0.943% ↑
1957年	813万人	+75,964	0.934% ↑
1958年	821万人	+80,079	0.975% ↑
1959年	829万人	+85,351	1.029% ↑
1960年	838万人	+88,211	1.052% ↑
1961年	844万人	+36,810	0.436% ↑
1962年	847万人	+15,938	0.188% ↑
1963年	848万人	+14,060	0.166% ↑
1964年	850万人	+17,194	0.202% ↑
1965年	852万人	+17,528	0.206% ↑
1966年	857万人	+99,729	1.162% ↑
1967年	865万人	+50,601	0.585% ↑
1968年	871万人	+74,920	0.859% ↑
1969年	874万人	-16,609	-0.190% ↓
1970年	874万人	+18,016	0.206% ↑
1971年	878万人	+60,507	0.689% ↑
1972年	884万人	+64,174	0.725% ↑
1973年	889万人	+23,870	0.268% ↑
1974年	892万人	+47,558	0.533% ↑
1975年	901万人	+128,147	1.421% ↑
1976年	916万人	+158,338	1.729% ↑
1977年	928万人	+85,286	0.919% ↑
1978年	938万人	+130,605	1.391% ↑
1979年	952万人	+141,469	1.485% ↑
1980年	965万人	+113,352	1.174% ↑
1981年	975万人	+88,624	0.909% ↑
1982年	983万人	+77,512	0.788% ↑
1983年	991万人	+70,534	0.712% ↑
1984年	997万人	+64,044	0.642% ↑
1985年	1,003万人	+52,466	0.523% ↑
1986年	1,008万人	+50,985	0.505% ↑
1987年	1,013万人	+40,559	0.400% ↑
1988年	1,017万人	+44,385	0.436% ↑
1989年	1,021万人	+37,680	0.369% ↑
1990年	1,025万人	+43,216	0.421% ↑
1991年	1,030万人	+53,098	0.515% ↑
1992年	1,035万人	+53,403	0.515% ↑
1993年	1,041万人	+52,309	0.502% ↑
1994年	1,046万人	+54,709	0.523% ↑
1995年	1,051万人	+51,241	0.487% ↑
1996年	1,057万人	+50,450	0.477% ↑
1997年	1,062万人	+54,040	0.509% ↑
1998年	1,067万人	+52,128	0.488% ↑
1999年	1,072万人	+52,955	0.494% ↑
2000年	1,078万人	+56,414	0.523% ↑
2001年	1,084万人	+64,643	0.596% ↑
2002年	1,089万人	+29,601	0.272% ↑
2003年	1,091万人	+26,770	0.245% ↑
2004年	1,094万人	+31,019	0.283% ↑
2005年	1,098万人	+36,917	0.336% ↑
2006年	1,101万人	+32,623	0.296% ↑
2007年	1,104万人	+26,643	0.241% ↑
2008年	1,107万人	+35,628	0.322% ↑
2009年	1,110万人	+26,766	0.241% ↑
2010年	1,112万人	+6,436	0.058% ↑
2011年	1,110万人	-38,089	-0.343% ↓
2012年	1,104万人	-83,003	-0.751% ↓
2013年	1,096万人	-78,511	-0.716% ↓
2014年	1,089万人	-70,237	-0.645% ↓
2015年	1,082万人	-74,291	-0.687% ↓
2016年	1,077万人	-16,506	-0.153% ↓
2017年	1,075万人	-27,435	-0.255% ↓
2018年	1,073万人	-17,945	-0.167% ↓
2019年	1,071万人	-6,591	-0.061% ↓
2020年	1,069万人	-31,822	-0.297% ↓
2021年	1,057万人	-207,794	-1.964% ↓
2022年	1,041万人	-126,368	-1.214% ↓
2023年	1,024万人	-212,775	-2.077% ↓
2024年	1,004万人	-177,409	-1.766% ↓
2025年	993万人	-40,535	-0.408% ↓
2026年	989万人	-42,923	-0.434% ↓
2027年	985万人	-43,360	-0.440% ↓
2028年	981万人	-44,037	-0.449% ↓
2029年	976万人	-44,172	-0.452% ↓
2030年	972万人	-44,203	-0.455% ↓
2031年	967万人	-44,529	-0.460% ↓
2032年	963万人	-46,396	-0.482% ↓
2033年	958万人	-45,041	-0.470% ↓
2034年	954万人	-44,771	-0.469% ↓
2035年	949万人	-45,292	-0.477% ↓
2036年	945万人	-44,367	-0.469% ↓
2037年	940万人	-44,476	-0.473% ↓
2038年	936万人	-44,238	-0.472% ↓
2039年	931万人	-43,421	-0.466% ↓
2040年	927万人	-43,476	-0.469% ↓
2041年	923万人	-43,118	-0.467% ↓
2042年	918万人	-42,113	-0.458% ↓
2043年	914万人	-43,330	-0.474% ↓
2044年	910万人	-44,599	-0.490% ↓
2045年	905万人	-44,781	-0.494% ↓
2046年	901万人	-45,569	-0.506% ↓
2047年	896万人	-49,325	-0.550% ↓
2048年	891万人	-49,851	-0.559% ↓
2049年	886万人	-52,728	-0.595% ↓
2050年	881万人	-52,783	-0.599% ↓
2051年	875万人	-55,274	-0.631% ↓
2052年	870万人	-56,426	-0.648% ↓
2053年	864万人	-57,378	-0.664% ↓
2054年	858万人	-59,793	-0.696% ↓
2055年	852万人	-61,905	-0.726% ↓
2056年	846万人	-62,917	-0.743% ↓
2057年	839万人	-64,518	-0.768% ↓
2058年	833万人	-65,222	-0.783% ↓
2059年	826万人	-66,314	-0.802% ↓
2060年	820万人	-65,523	-0.799% ↓
2061年	813万人	-66,689	-0.820% ↓
2062年	807万人	-66,429	-0.823% ↓
2063年	800万人	-66,586	-0.832% ↓
2064年	793万人	-65,831	-0.829% ↓
2065年	787万人	-64,935	-0.825% ↓
2066年	780万人	-65,303	-0.836% ↓
2067年	774万人	-65,248	-0.843% ↓
2068年	767万人	-64,811	-0.844% ↓
2069年	761万人	-63,162	-0.830% ↓
2070年	755万人	-61,028	-0.808% ↓
2071年	749万人	-58,859	-0.786% ↓
2072年	743万人	-57,573	-0.775% ↓
2073年	737万人	-55,427	-0.751% ↓
2074年	732万人	-52,723	-0.720% ↓
2075年	727万人	-50,245	-0.691% ↓
2076年	722万人	-48,603	-0.673% ↓
2077年	717万人	-47,552	-0.663% ↓
2078年	712万人	-44,835	-0.629% ↓
2079年	708万人	-43,180	-0.610% ↓
2080年	704万人	-41,914	-0.595% ↓
2081年	699万人	-39,805	-0.569% ↓
2082年	696万人	-38,855	-0.558% ↓
2083年	692万人	-36,946	-0.534% ↓
2084年	688万人	-37,084	-0.539% ↓
2085年	684万人	-37,092	-0.542% ↓
2086年	681万人	-36,265	-0.532% ↓
2087年	677万人	-35,396	-0.522% ↓
2088年	673万人	-36,071	-0.535% ↓
2089年	670万人	-36,946	-0.551% ↓
2090年	666万人	-36,424	-0.546% ↓
2091年	663万人	-36,219	-0.546% ↓
2092年	659万人	-37,103	-0.563% ↓
2093年	655万人	-37,775	-0.576% ↓
2094年	651万人	-38,702	-0.594% ↓
2095年	647万人	-39,473	-0.609% ↓
2096年	643万人	-40,337	-0.626% ↓
2097年	639万人	-40,835	-0.638% ↓
2098年	635万人	-40,796	-0.642% ↓
2099年	631万人	-41,113	-0.651% ↓
2100年	627万人	-41,323	-0.658% ↓