Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、ブルキナファソのヤギ肉生産量は1961年の6,409トンから2023年の27,005トンへと約4倍以上に増加しました。この間、安定した成長を見せる一方で、1973年や1976年、2015年以降など、落ち込みが目立つ期間も存在します。特にここ数年の生産量は、2016年や2020年の下落以降、27,000トン前後で停滞しています。これらの変動は、気候変動や人口増加、社会的混乱などが影響を与えた可能性があり、今後の安定した供給に向けた課題が山積しています。
ブルキナファソのヤギ肉生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 27,005 |
0.42% ↑
|
2022年 | 26,892 |
0.42% ↑
|
2021年 | 26,779 |
0.42% ↑
|
2020年 | 26,667 |
-16.85% ↓
|
2019年 | 32,071 |
3.38% ↑
|
2018年 | 31,021 |
15.32% ↑
|
2017年 | 26,900 |
0.27% ↑
|
2016年 | 26,828 |
-19.81% ↓
|
2015年 | 33,457 |
-6.02% ↓
|
2014年 | 35,600 |
2.47% ↑
|
2013年 | 34,742 |
3% ↑
|
2012年 | 33,730 |
3% ↑
|
2011年 | 32,748 |
3% ↑
|
2010年 | 31,794 |
3% ↑
|
2009年 | 30,868 |
3% ↑
|
2008年 | 29,969 |
3% ↑
|
2007年 | 29,096 |
3% ↑
|
2006年 | 28,249 |
3% ↑
|
2005年 | 27,426 |
1.73% ↑
|
2004年 | 26,960 |
3% ↑
|
2003年 | 26,175 |
9.39% ↑
|
2002年 | 23,927 |
3% ↑
|
2001年 | 23,230 |
3% ↑
|
2000年 | 22,554 |
3% ↑
|
1999年 | 21,897 |
3% ↑
|
1998年 | 21,260 |
3% ↑
|
1997年 | 20,640 |
3% ↑
|
1996年 | 20,038 |
2.99% ↑
|
1995年 | 19,456 |
3.39% ↑
|
1994年 | 18,818 |
2.61% ↑
|
1993年 | 18,339 |
2.47% ↑
|
1992年 | 17,897 |
2.53% ↑
|
1991年 | 17,456 |
5.06% ↑
|
1990年 | 16,614 |
0.69% ↑
|
1989年 | 16,500 |
12.24% ↑
|
1988年 | 14,700 |
2.44% ↑
|
1987年 | 14,350 |
5.13% ↑
|
1986年 | 13,650 |
5.41% ↑
|
1985年 | 12,950 |
8.82% ↑
|
1984年 | 11,900 |
9.68% ↑
|
1983年 | 10,850 |
4.73% ↑
|
1982年 | 10,360 |
18.4% ↑
|
1981年 | 8,750 |
13.64% ↑
|
1980年 | 7,700 |
10% ↑
|
1979年 | 7,000 |
11.11% ↑
|
1978年 | 6,300 |
8.04% ↑
|
1977年 | 5,831 |
-1.21% ↓
|
1976年 | 5,903 |
-27.29% ↓
|
1975年 | 8,118 |
3.51% ↑
|
1974年 | 7,843 |
-3.52% ↓
|
1973年 | 8,129 |
-22.03% ↓
|
1972年 | 10,426 |
-0.37% ↓
|
1971年 | 10,465 |
2.16% ↑
|
1970年 | 10,244 |
4.1% ↑
|
1969年 | 9,841 |
8.61% ↑
|
1968年 | 9,061 |
6.74% ↑
|
1967年 | 8,489 |
-5.77% ↓
|
1966年 | 9,009 |
8.62% ↑
|
1965年 | 8,294 |
10% ↑
|
1964年 | 7,540 |
5.26% ↑
|
1963年 | 7,163 |
5.56% ↑
|
1962年 | 6,786 |
5.88% ↑
|
1961年 | 6,409 | - |
ブルキナファソにおけるヤギ肉生産量の推移を見ると、1961年から2023年にかけて、おおむね右肩上がりの増加傾向が確認されます。この背景には、人口増加に伴う需要の拡大や、農牧業を中心とする経済基盤の向上などがあると考えられます。しかし、一部の期間には明確な生産減少が見られ、これには多くの要因が関与しているようです。
たとえば、1973年から1976年にかけての急激な落ち込みは、干ばつや農業生産の壊滅的影響など、気候条件の悪化に起因する可能性があります。ブルキナファソを含むサヘル地域は、長年厳しい乾燥気候に悩まされており、これが家畜の飼料不足や死亡率の増加を引き起こしてきました。また、2015年以降の生産量減少も注目すべき動向です。この要因としては、気候変動に加えて、地域の安全保障問題や農村部における社会インフラの不足が影響を与えたと考えられます。この地域では最近、地政学的リスクが高まり、紛争やテロ活動が農牧業の活動を妨げているとされています。
一方で、上昇期に見られる生産量の増加は、ヤギが厳しい環境条件にも比較的強い飼育動物であることが寄与している可能性があります。ヤギは、サヘル地域のような乾燥地帯でも生存能力が高いため、地元の牧畜業の中心となっています。しかし、これだけでは生産の安定化を達成するのは難しい状況と言えます。例えば、2016年以降の生産量の停滞は、気候変動だけでなく、農牧業全体の供給能力に関する構造的な制約が影響した可能性があります。長期的な視点で見ると、災害や疫病に対応するための家畜の健康管理や、飼料の安定供給システムを構築することが急務です。
さらに、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行も多くの産業に影響を及ぼしました。外出制限や流通の停滞が生産と供給ネットワークを混乱させた可能性があります。ただし、ブルキナファソ自体の地域課題とは関係ありませんが、これらの外的要因も無視できないでしょう。
将来的には、持続可能な生産のための基盤強化が重要です。具体的には、農業分野における灌漑技術や飼料生産の改善、またヤギを効率的に飼育するための技術支援が求められます。さらに、気候変動に対応した品種改良や、家畜病予防のための国際的な協力体制の整備も推進されるべきです。また、地元農村コミュニティにおける教育やトレーニングを通じて、農牧業経営に関する知識・技術を普及させることも、効果的な対策となるでしょう。
結論として、ブルキナファソのヤギ肉生産量の推移は、地域の気候条件や社会状況に大きく依存しています。これにより、安定した生産基盤を確保する必要性が浮き彫りになっています。特に気候変動の影響を最小限に抑えるための具体的な計画と、地域内外からの支援が、今後の生産性向上に欠かせないでしょう。国際機関や地域政府による支援が、この課題解決の鍵となることが期待されています。