Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表したデータによると、ブルキナファソのオクラ生産量は1961年から1966年にかけて着実な増加を記録しましたが、その後1978年まで安定した水準にとどまりました。その後、生産量は1980年代にかけて再び増加傾向を見せましたが、1990年代以降は緩やかな増減を繰り返し、2000年代後半から減少傾向が顕著となっています。2023年には23,632トンと報告され、ピーク時の1999年の28,120トンと比較して減少が続いています。
ブルキナファソのオクラ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 23,632 |
-0.63% ↓
|
2022年 | 23,782 |
-0.19% ↓
|
2021年 | 23,827 |
-0.19% ↓
|
2020年 | 23,871 |
-0.17% ↓
|
2019年 | 23,913 |
-0.84% ↓
|
2018年 | 24,117 |
-0.11% ↓
|
2017年 | 24,143 |
0.18% ↑
|
2016年 | 24,098 |
0.96% ↑
|
2015年 | 23,870 |
4.2% ↑
|
2014年 | 22,908 |
-0.4% ↓
|
2013年 | 23,000 |
-2.13% ↓
|
2012年 | 23,500 |
-3.31% ↓
|
2011年 | 24,304 |
-2.76% ↓
|
2010年 | 24,993 |
-2.36% ↓
|
2009年 | 25,596 |
-4.84% ↓
|
2008年 | 26,898 |
-0.38% ↓
|
2007年 | 27,000 |
3.85% ↑
|
2006年 | 26,000 |
-1.89% ↓
|
2005年 | 26,500 |
0.99% ↑
|
2004年 | 26,240 |
0.28% ↑
|
2003年 | 26,166 |
0.3% ↑
|
2002年 | 26,088 |
0.13% ↑
|
2001年 | 26,056 |
-0.94% ↓
|
2000年 | 26,303 |
-6.46% ↓
|
1999年 | 28,120 |
6.61% ↑
|
1998年 | 26,377 |
0.2% ↑
|
1997年 | 26,323 |
0.12% ↑
|
1996年 | 26,292 |
0.15% ↑
|
1995年 | 26,253 |
0.22% ↑
|
1994年 | 26,196 |
0.27% ↑
|
1993年 | 26,124 |
0.32% ↑
|
1992年 | 26,041 |
0.16% ↑
|
1991年 | 26,000 |
1.3% ↑
|
1990年 | 25,666 |
3.48% ↑
|
1989年 | 24,804 |
3.46% ↑
|
1988年 | 23,974 |
3.44% ↑
|
1987年 | 23,176 |
3.43% ↑
|
1986年 | 22,408 |
3.42% ↑
|
1985年 | 21,667 |
3.18% ↑
|
1984年 | 21,000 |
10.53% ↑
|
1983年 | 19,000 |
5.56% ↑
|
1982年 | 18,000 |
5.88% ↑
|
1981年 | 17,000 | - |
1980年 | 17,000 |
6.25% ↑
|
1979年 | 16,000 | - |
1978年 | 16,000 |
6.67% ↑
|
1977年 | 15,000 | - |
1976年 | 15,000 | - |
1975年 | 15,000 | - |
1974年 | 15,000 | - |
1973年 | 15,000 | - |
1972年 | 15,000 | - |
1971年 | 15,000 | - |
1970年 | 15,000 | - |
1969年 | 15,000 | - |
1968年 | 15,000 | - |
1967年 | 15,000 | - |
1966年 | 15,000 |
7.14% ↑
|
1965年 | 14,000 |
7.69% ↑
|
1964年 | 13,000 |
8.33% ↑
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1963年 | 12,000 |
9.09% ↑
|
1962年 | 11,000 |
10% ↑
|
1961年 | 10,000 | - |
ブルキナファソのオクラ生産量データを見ると、大きく4つの段階に分けることができます。まず1961年から1966年にかけての6年間では年ごとに1,000トンの増加が見られ、この時期の生産拡大は国内需要の向上や農業技術の発展が寄与したと考えられます。次に1967年から1977年までの約10年間は、15,000トンの一定の生産レベルで横ばいを続けました。この時期の停滞は、降雨量や地政学的リスク、資源の限界に起因している可能性があります。
その後の1980年代では再び顕著な増加が見られ、1989年にはおよそ25,000トンを突破しました。この際、作物価格の上昇や輸出需要の増加、世界的な食糧政策の影響が後押ししたと推測されます。しかし1990年代中盤から2000年初頭にかけて生産量の増加は鈍化し、この期間には国内のインフラ問題や農村地域の労働力不足が生産効率に影響を与えた可能性があります。
1999年に記録された28,120トンがブルキナファソのオクラ生産のピークとなり、その後は持続的な減少傾向が見られます。この減少には、主に以下の要因が関与していると考えられます。まず、気候変動の影響により、栽培環境が悪化したことが指摘されています。ブルキナファソはサヘル地域に位置し、乾燥化や砂漠化の進行が農業に大きな脅威をもたらしています。また、2020年代における地域的な紛争や政情不安も農業生産に悪影響を与え、農村部での農作業に支障をきたしていると見られます。さらに、パンデミックによる国際物流の停滞や資源不足も、農業全体に広がる課題の一つです。
こうした現状を踏まえ、ブルキナファソが今後オクラ生産量の安定と増加を目指すためには、いくつかの具体的な対策が必要です。まず、持続可能な農業技術の導入が鍵となります。これは、干ばつ耐性のあるオクラ品種の開発や、より効率的な灌漑技術の普及などを含みます。また、地元農民への教育や資源配分を強化し、農村部の人々に生産活動を継続してもらうための支援体制を確立することも重要です。さらに、国際機関や近隣国と協力し、食糧政策や貿易協定の枠組みを見直すことで、オクラの輸出需要を高める戦略も考慮すべきです。
他国と比較すると、オクラ生産量においてブルキナファソの順位は相対的に低いため、国内需要を優先しつつ輸出市場を模索する方針が効果的と言えます。例えば、インドやアメリカなどオクラの大消費地をターゲットに輸出の計画を立てることも考えられます。一方で、気候変動対策として取り組むべき国際的な枠組みへの参加は、このような次世代の農業技術の普及に向けた資金援助や技術支援を得る契機となるでしょう。
結論として、過去50年以上のオクラ生産量データは、ブルキナファソが現在直面している問題とともに、いくつかの重要な改善の方向性を示しています。地域の環境問題や安全保障の課題を克服するとともに、長期的な視点でその農業基盤を強化する取り組みが求められます。このような努力を重ねることで、ブルキナファソ農業の持続可能な発展が期待できるでしょう。