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ブルキナファソのフォニオ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ブルキナファソのフォニオの生産量は1961年に15,258トンだったものの、それ以降、一貫した成長は見られず、年ごとに大きな変動を繰り返しています。特に、1993年の22,554トンや2009年の26,101トンといった高生産量を示した年もある一方で、1979年の3,481トンや2021年の7,550トンのように大幅に減少する年も確認されます。最近では2022年の生産量が8,187トンと比較的低い状況が続いており、持続的な生産力の課題が浮き彫りになっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 15,250
86.28% ↑
2022年 8,187
8.43% ↑
2021年 7,550
-29.82% ↓
2020年 10,758
5.08% ↑
2019年 10,238
-9.16% ↓
2018年 11,270
11.94% ↑
2017年 10,068
-7.94% ↓
2016年 10,936
-16.46% ↓
2015年 13,091
52.9% ↑
2014年 8,562
-56.95% ↓
2013年 19,887
-3.74% ↓
2012年 20,659
42.47% ↑
2011年 14,501
-20.82% ↓
2010年 18,315
-29.83% ↓
2009年 26,101
33.53% ↑
2008年 19,547
52.2% ↑
2007年 12,843
35.19% ↑
2006年 9,500
21.78% ↑
2005年 7,801
-13.95% ↓
2004年 9,066
3.72% ↑
2003年 8,741
-1.49% ↓
2002年 8,873
-27.98% ↓
2001年 12,320
14.31% ↑
2000年 10,778
-19.23% ↓
1999年 13,343
-7.49% ↓
1998年 14,424
34.15% ↑
1997年 10,752
-0.8% ↓
1996年 10,839
-6.64% ↓
1995年 11,610
-29.12% ↓
1994年 16,380
-27.37% ↓
1993年 22,554
65.84% ↑
1992年 13,600
-5.56% ↓
1991年 14,400
13.39% ↑
1990年 12,700
2.24% ↑
1989年 12,422
34.15% ↑
1988年 9,260
76.82% ↑
1987年 5,237
-19.62% ↓
1986年 6,515
-7.48% ↓
1985年 7,042
44.96% ↑
1984年 4,858
-23.6% ↓
1983年 6,359
9.96% ↑
1982年 5,783
23.67% ↑
1981年 4,676
-17.49% ↓
1980年 5,667
62.8% ↑
1979年 3,481
-63.66% ↓
1978年 9,579
6.43% ↑
1977年 9,000 -
1976年 9,000 -
1975年 9,000
36.78% ↑
1974年 6,580
-17.75% ↓
1973年 8,000
-20% ↓
1972年 10,000
21.95% ↑
1971年 8,200
-26.06% ↓
1970年 11,090
10.9% ↑
1969年 10,000
6.38% ↑
1968年 9,400
-2.24% ↓
1967年 9,615
-3.85% ↓
1966年 10,000 -
1965年 10,000
-13.79% ↓
1964年 11,600
34.88% ↑
1963年 8,600
404.1% ↑
1962年 1,706
-88.82% ↓
1961年 15,258 -

ブルキナファソは西アフリカに位置し、農業を主な経済活動のひとつとしています。その中でも、フォニオは特に注目される穀物で、乾燥した気候のもとでも栽培可能であることから、地域住民の伝統的な食糧源として重要な役割を果たしています。しかしながら、1961年から始まるデータに基づくと、フォニオの生産量は毎年一定ではなく、地域内外のさまざまな要因によって変動しています。

例えば1960年代から1970年代までは、9,000トンから10,000トンの一定の生産量を維持した時期が見られるものの、1979年や1980年には急激な減少が発生しました。この背景には、干ばつの影響や農業技術の不足、さらにインフラ面での課題が考えられます。また、1990年代に入ると生産量が14,000トン以上に回復し、1993年には22,554トンと過去最高を記録しました。この急上昇は、当時の農業振興政策や地域住民の労働力の増加、あるいは気候条件の改善が寄与した可能性があります。

ところが、2000年代以降になると、再び不安定な状況に戻り、2009年には急激に26,101トンという記録的な収穫量を達成した一方、それ以降は安定せず、むしろ下降傾向を示しています。最近の2021年および2022年においては、それぞれ7,550トン、8,187トンと低水準が続いています。このような減少傾向の背景には、降雨量の変動、砂漠化の進行、さらには近年の地域武力衝突や治安情勢の不安定が影響していると考えられます。これらの要素は、生産活動そのものに悪影響を与え、地元住民の生活や食料安全保障にも深刻な打撃を与えています。

さらに、地政学的なリスクとしては、近隣国との紛争や資源争奪、気候変動の影響による耕作地の減少が挙げられます。また、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞が、労働力の確保や輸送インフラの円滑な運営に影響を与えた可能性も指摘されています。

これらを踏まえると、今後、フォニオの持続可能な生産を確保するためには、いくつかの具体的な対策が必要です。まず、乾燥に強いフォニオの利点を最大限活用した農法の導入と、農業技術や灌漑システムの近代化が求められます。また、気候変動に対応するための持続可能な農業政策の立案・実行は不可欠です。さらなる課題として、武力衝突や治安情勢の安定化も重要であり、政府や国際機関が一体となって解決に取り組む必要があります。

加えて、国際的な支援や地域間の協力を強化することも効果的です。例えば、アフリカ内の農業研究機関との連携を強化し、耐乾燥性に優れたフォニオの品種改良を進める取り組みが考えられます。また、農家が市場で公正な価格で取引できるよう、輸送および販売インフラの整備にも注力するべきです。

結論として、フォニオの生産量の安定化と向上には、農業技術や政策の強化のみならず、気候変動や治安といった多面的な課題への対応が必要です。ブルキナファソ政府と国際社会が連携し、地域住民の食料安全保障と経済的安定を支えるための戦略的な支援が欠かせません。この取り組みが成功すれば、フォニオは単なる伝統的作物にとどまらず、国際市場でも競争力を持つ可能性があります。