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スペインの天然蜂蜜生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによれば、スペインの天然蜂蜜の年間生産量は大きな変動を経験しつつも、1961年の9,068トンから2021年の34,065トンに増加しました。長期的な視点では、生産量は1960年代の低水準から1980年代後半以降に急激な増加を迎え、2000年代以降は比較的高いレベルで推移しています。しかし、近年は気候変動や環境問題などが影響して、一部の年に減少がみられました。

年度 生産量(トン) 増減率
2021年 34,065
11.64% ↑
2020年 30,513
-2.08% ↓
2019年 31,161
-14.38% ↓
2018年 36,394
23.82% ↑
2017年 29,393
-5.24% ↓
2016年 31,018
-7.25% ↓
2015年 33,441
3.94% ↑
2014年 32,174
5.1% ↑
2013年 30,613
2.95% ↑
2012年 29,735
-14.12% ↓
2011年 34,624
0.21% ↑
2010年 34,550
6.85% ↑
2009年 32,336
6.51% ↑
2008年 30,361
-4.65% ↓
2007年 31,840
3.85% ↑
2006年 30,661
12.6% ↑
2005年 27,230
-20.41% ↓
2004年 34,211
-3.03% ↓
2003年 35,279
-1.24% ↓
2002年 35,722
12.98% ↑
2001年 31,617
9.55% ↑
2000年 28,860
-5.24% ↓
1999年 30,456
-6.86% ↓
1998年 32,700
3.66% ↑
1997年 31,544
15.5% ↑
1996年 27,312
41.7% ↑
1995年 19,274
-12.53% ↓
1994年 22,036
-22.39% ↓
1993年 28,393
18.51% ↑
1992年 23,958
-5.3% ↓
1991年 25,300
7.85% ↑
1990年 23,458
6.07% ↑
1989年 22,116
3.14% ↑
1988年 21,443
-3.84% ↓
1987年 22,299
34.69% ↑
1986年 16,556
3.03% ↑
1985年 16,069
0.86% ↑
1984年 15,932
20.85% ↑
1983年 13,183
-2.67% ↓
1982年 13,544
-6.6% ↓
1981年 14,501
15.89% ↑
1980年 12,513
8.89% ↑
1979年 11,491
5.43% ↑
1978年 10,899
11.46% ↑
1977年 9,778
8.3% ↑
1976年 9,029
-8.52% ↓
1975年 9,870
-6.31% ↓
1974年 10,535
1.48% ↑
1973年 10,381
14.96% ↑
1972年 9,030
10.16% ↑
1971年 8,197
0.86% ↑
1970年 8,127
-10.75% ↓
1969年 9,106
1.73% ↑
1968年 8,951
2.15% ↑
1967年 8,763
3.84% ↑
1966年 8,439
-19.7% ↓
1965年 10,509
9.65% ↑
1964年 9,584
-2.84% ↓
1963年 9,864
2.07% ↑
1962年 9,664
6.57% ↑
1961年 9,068 -
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スペインは伝統的に養蜂産業が盛んな国であり、その温暖な気候と生態系の多様性により、蜂蜜の生産環境が整っています。データを詳しく見ると、1961年の時点では9,068トンに留まっていましたが、1980年代後半には22,000トン以上に倍増し、その後1990年代後半から2000年代初頭にかけて30,000トンを超えるようになりました。特に1997年の31,544トンから2002年の35,722トンにかけての増加は著しく、産業の発展と効率化が影響したと考えられます。この成長を支えた要因は、スペイン内外での蜂蜜需要の高まり、養蜂技術の進歩、養蜂家の増加によるものといわれています。

一方、気候変動や土地利用の変化による影響も無視することはできません。2000年代後半から2010年代初頭にかけては、一部の年で生産量が減少する傾向がみられました。例えば、2012年の29,735トンはこの10年間の中でも低い数値となっています。この減少は、干ばつや極端な天候の影響が原因とされており、スペイン全土で採蜜可能な植物が減少したことが生産に負の影響を及ぼしたと推測されます。

一時的な減少を経ても、2018年には36,394トンと過去最高を記録しました。しかしながらその後、2020年には30,513トンまで低下しています。このような生産量の変動は、養蜂業界が直面する重大な課題を浮き彫りにしています。特に、農薬の使用による蜂の生息環境への影響や、野生花の減少、また地球温暖化が蜜源の確保を困難にしています。

国際的な比較では、スペインはヨーロッパ諸国の中でも蜂蜜生産量が上位に属しています。同じ地中海地域のギリシャやイタリアよりも大きな生産量を維持しており、世界的にも重要な生産国の一つです。ただし、中国やトルコといった主要な蜂蜜生産国と比べると、生産規模では大きな差があります。養蜂産業は食品安全保障と輸出収入の両面から重要性を持つため、スペインに限らず世界各国で効率化や環境保全が課題となっています。

今後の対策としては、まず環境保護と生物多様性の維持に注力することが必要です。農薬使用の見直しや蜜源となる植物の保護、さらには蜜蜂の健康を守るための教育や研究が挙げられます。また、気候変動への適応策として高地など新たな地域での養蜂試験や、干ばつに強い植物の増殖が有効となるかもしれません。さらに、EU内での協力強化やプロモーション戦略を通じて、スペイン産蜂蜜のブランド力を高める支援も有効です。

結論として、スペインの天然蜂蜜の生産は長期的には成長していますが、気候変動や環境変化という現代的課題には大きく影響されています。こうした背景を踏まえ、政策支援や科学技術の活用、そして養蜂家と地域社会の連携を強化することで、この貴重な産業を守り、さらに発展させることができると考えられます。国や国際機関、地元の協力を巻き込み、持続可能な養蜂産業を確立していくことが求められます。

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