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ウガンダのヤギ肉生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データ(2024年7月更新)によると、ウガンダのヤギ肉生産量は1961年の9,420トンから、20世紀末には24,600トンと緩やかな増加を見せ、その後2000年代にはさらなる成長を遂げ31,689トン(2008年)に達しました。しかし2018年以降、主に環境変化やパンデミックの影響を受けて減少傾向にあり、2023年時点では31,898トンとピーク時のレベルから減少しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 31,898
0.43% ↑
2022年 31,761
-2.33% ↓
2021年 32,520
-2.06% ↓
2020年 33,204
-7.75% ↓
2019年 35,993
-0.02% ↓
2018年 36,000
2.27% ↑
2017年 35,200 -
2016年 35,200
2.62% ↑
2015年 34,300
3% ↑
2014年 33,300
3.1% ↑
2013年 32,300
-4.24% ↓
2012年 33,730
-2.59% ↓
2011年 34,627
3% ↑
2010年 33,619
3% ↑
2009年 32,640
3% ↑
2008年 31,689
3% ↑
2007年 30,766
3% ↑
2006年 29,870
3% ↑
2005年 29,000
0.69% ↑
2004年 28,800 -
2003年 28,800
13.64% ↑
2002年 25,344
-0.38% ↓
2001年 25,440
3.41% ↑
2000年 24,600
3.54% ↑
1999年 23,760
3.13% ↑
1998年 23,040
3.23% ↑
1997年 22,320
3.33% ↑
1996年 21,600
1.65% ↑
1995年 21,250
2.91% ↑
1994年 20,650
3.25% ↑
1993年 20,000
2.88% ↑
1992年 19,440
2.53% ↑
1991年 18,960
5.33% ↑
1990年 18,000
4.9% ↑
1989年 17,160
7.52% ↑
1988年 15,960
6.4% ↑
1987年 15,000
7.3% ↑
1986年 13,980
-1.27% ↓
1985年 14,160
9.09% ↑
1984年 12,980
5.02% ↑
1983年 12,360
4.92% ↑
1982年 11,780
4.99% ↑
1981年 11,220
5.06% ↑
1980年 10,680
-3.09% ↓
1979年 11,020
0.55% ↑
1978年 10,960
15.31% ↑
1977年 9,505
28.65% ↑
1976年 7,388
-18.9% ↓
1975年 9,110
19.37% ↑
1974年 7,632
-3.93% ↓
1973年 7,944
12.05% ↑
1972年 7,090
-16.78% ↓
1971年 8,520
26.41% ↑
1970年 6,740
-1.75% ↓
1969年 6,860
-9.02% ↓
1968年 7,540
-4.44% ↓
1967年 7,890
-0.63% ↓
1966年 7,940
16.59% ↑
1965年 6,810
-1.59% ↓
1964年 6,920
-14.25% ↓
1963年 8,070
-7.24% ↓
1962年 8,700
-7.64% ↓
1961年 9,420 -

ウガンダのヤギ肉生産量の推移を見てみると、この国の農牧業の動向と地質学的、社会的背景との密接な関連性が明らかになります。1960年代から1970年代は、政治的安定が不十分だったことから生産量が減少する傾向にありました。1970年代後半に生産量がやや盛り返したものの、全体的には停滞していました。しかし1980年代以降、ウガンダ経済の安定化や農牧業への重点的な施策が功を奏し、生産量は顕著な伸びを見せました。1990年代以降は、年間約1,000トンから1,200トンという安定したペースで増加を続け、2010年までには33,619トンと、50年間で約3.5倍の成長を遂げました。

2020年以降、ヤギ肉の生産減少が加速しています。この減少の背景には、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による市場の混乱や物流の停滞が含まれます。また、気候変動の影響による干ばつや降水パターンの変化が、飼料生産や家畜の生育に悪影響を及ぼしていると考えられます。さらに、土地利用の変化や急速な都市化が牧草地の減少を招き、ヤギの飼育環境が制約される要因にもなっています。

ヤギ肉生産量の持続可能な成長にはいくつかの課題を解決する必要があります。一つ目は、気候変動への対応策の強化です。干ばつや異常気象への備えとして、干ばつに強い牧草品種の導入や水資源の効率的利用が推進されるべきです。二つ目として、国内外の市場との物流ネットワークを強化し、国内外の需要増加に対応する仕組みを整えることが重要です。三つ目は、家畜の健康管理と疫病予防です。ヤギが持つ感染症の拡大を防止するための衛生管理技術がさらに導入・普及されるべきと言えます。

地政学的背景についても注目すべき点があります。ウガンダは農牧業において隣国との貿易関係が重要であり、特にケニアやルワンダといった近隣諸国への輸出が大きな収益源となっています。しかしながら、これらの地域における地域的な紛争や安全保障上の懸念が、輸出ルートの確保を複雑化し、ウガンダの農牧業収益に影響を与えています。将来的には、地域協力の一環として統合市場の枠組みが強化されることが期待されます。

ウガンダのヤギ肉生産は今後重要な成長分野であり続ける潜在性を持っています。そのためには、持続可能な農業慣行を推奨し、環境的・経済的な強靭性を高めることが欠かせません。また、国際的な技術支援や投資も必要不可欠です。個別の農家が市場へのアクセスを拡大し、適正に利益を得られるよう、政府や国際機関が積極的に関与する仕組みが求められます。