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ウガンダの茶葉生産量推移(1961年~2023年)

国連食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによれば、ウガンダの茶葉生産量は1961年の5,100トンから2022年の326,000トンへと大幅な増加を遂げており、特に1990年代以降に急激な成長を見せています。一方で、近年では気候変動や経済的要因による変動が見られ、生産量は年によって大きな差があることも特徴的です。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 390,494
19.78% ↑
2022年 326,000
-18.5% ↓
2021年 400,000
2.56% ↑
2020年 390,000
48.85% ↑
2019年 262,000
-18.89% ↓
2018年 323,000
48.17% ↑
2017年 218,000
-6.84% ↓
2016年 234,000
-8.24% ↓
2015年 255,000
-10.21% ↓
2014年 284,000
7.17% ↑
2013年 265,000
5.16% ↑
2012年 252,000
64.71% ↑
2011年 153,000
-28.5% ↓
2010年 214,000
0.94% ↑
2009年 212,000
13.98% ↑
2008年 186,000
-4.62% ↓
2007年 195,000
30.87% ↑
2006年 149,000
-9.15% ↓
2005年 164,000
5.81% ↑
2004年 155,000
-3.13% ↓
2003年 160,000
-6.98% ↓
2002年 172,000
20.28% ↑
2001年 143,000
12.6% ↑
2000年 127,000
17.59% ↑
1999年 108,000
-4.42% ↓
1998年 113,000
22.83% ↑
1997年 92,000
21.05% ↑
1996年 76,000
38.18% ↑
1995年 55,000
-6.78% ↓
1994年 59,000
11.32% ↑
1993年 53,000
29.27% ↑
1992年 41,000
5.13% ↑
1991年 39,000
481.74% ↑
1990年 6,704
43.92% ↑
1989年 4,658
32.63% ↑
1988年 3,512
0.03% ↑
1987年 3,511
5.28% ↑
1986年 3,335
-42.08% ↓
1985年 5,758
10.43% ↑
1984年 5,214
70.73% ↑
1983年 3,054
18.37% ↑
1982年 2,580
51.76% ↑
1981年 1,700
13.33% ↑
1980年 1,500
-16.67% ↓
1979年 1,800
-83.49% ↓
1978年 10,900
-28.29% ↓
1977年 15,200
-1.3% ↓
1976年 15,400
-16.3% ↓
1975年 18,400
-16.36% ↓
1974年 22,000 -
1973年 22,000
-5.98% ↓
1972年 23,400
30% ↑
1971年 18,000
-1.1% ↓
1970年 18,200
3.25% ↑
1969年 17,627
16.25% ↑
1968年 15,163
34.88% ↑
1967年 11,242
0.24% ↑
1966年 11,215
34.05% ↑
1965年 8,366
9.86% ↑
1964年 7,615
23.42% ↑
1963年 6,170
-2.36% ↓
1962年 6,319
23.9% ↑
1961年 5,100 -

ウガンダの茶葉生産は、1961年から2022年の期間で非常に顕著な動きを見せています。この期間における生産量の変化は同国の経済的、政治的、環境的な状況を反映しており、初期の緩やかな増加から1979年をピークとする急激な落ち込み、その後の回復期、そして最近数十年間の急成長へと続いています。特に1990年代初頭には、生産量は39,000トン(1991年)から徐々に上昇し、2002年には172,000トン、2021年には過去最大の400,000トンを記録しました。このような生産量の推移は、地政学的背景や農業政策の変化などの影響を受けています。

1970年代から1980年代にかけて、ウガンダの茶葉生産は政治的動乱や経済危機によって制約を受けました。特に1979年の生産量はわずか1,800トンと最低水準を記録しましたが、これは独裁政権崩壊後の混乱や農業基盤の破壊により大きな影響を受けたことを示しています。しかし、1990年代以降、ウガンダ政府は安定した政策を築き、輸出産業としての茶葉産業を復興させるための支援を強化しました。この結果、2000年代には輸出向けの栽培規模が拡大し、さらに国際市場における競争力も確立されました。

一方で、2010年代後半以降は、生産量の変動が目立ちます。例えば、2018年には323,000トンを記録したものの、2019年は262,000トンと減少しました。2020年に390,000トンとなった後も2022年には326,000トンに再び低下しています。これは気候変動の影響を強く受けた農業の不安定さを反映しており、特に降雨パターンの変動や長期化する干ばつが茶葉栽培地に悪影響を及ぼしています。

ウガンダの茶葉産業の発展には、いくつかの課題とそれに対する対策が求められます。まず、気候変動による影響を軽減するため、灌漑システムの充実や気候に適応した茶葉の品種改良といった農業技術の向上が急務です。このような取り組みは、ケニアやスリランカといった他の主要茶葉生産国で既に導入されている事例からも学ぶことができます。また、国際市場での価格競争力を維持するため、生産品質管理の向上や加工技術の発展も重要です。これにより、付加価値の高い製品の輸出拡大を目指すことが可能となります。

さらに、地政学的なリスクとして、アフリカ東部での地域紛争や社会的不安定さが2020年代の茶葉輸出に直接的なリスクをもたらしています。このため、地域間の安定化を目的とした協力体制を構築し、輸出インフラの保全と整備を政府および国際機関がサポートすることが求められています。また、気候災害や疫病の脅威に対応するための予測システムや早期警戒システムを導入し、小規模農家を対象とした教育プログラムを展開することも有効でしょう。

最終的に、ウガンダの茶葉産業の持続可能な発展を実現するには、国家戦略における環境問題対策や農家への直接的支援、輸出経済の多様化に基づく長期計画が必要です。このような包括的な努力が整えば、ウガンダは今後も国際市場での地位をより確固たるものにしつつ、国内経済の安定化にも大きく寄与するでしょう。