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ウガンダのカカオ豆生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関が発表した2024年の最新データによると、ウガンダのカカオ豆生産量は、1961年の20トンから2022年の35,000トンまで大幅に伸びを見せています。特に1990年代以降の増加が顕著で、1990年の1,000トンから2000年代には数万トン規模に拡大、2013年以降は安定して35,000トン前後で推移しています。このデータは、ウガンダがカカオ豆の生産国としての地位を強化しつつあることを示しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 35,000 -
2022年 35,000 -
2021年 35,000 -
2020年 35,000 -
2019年 35,000 -
2018年 35,000 -
2017年 35,000 -
2016年 35,000
9.38% ↑
2015年 32,000
14.29% ↑
2014年 28,000
40% ↑
2013年 20,000
25% ↑
2012年 16,000
-11.11% ↓
2011年 18,000
20% ↑
2010年 15,000 -
2009年 15,000
15.38% ↑
2008年 13,000
29.92% ↑
2007年 10,006
17.72% ↑
2006年 8,500
70% ↑
2005年 5,000
11.11% ↑
2004年 4,500
18.42% ↑
2003年 3,800
8.57% ↑
2002年 3,500
-11.39% ↓
2001年 3,950 -
2000年 3,950
12.86% ↑
1999年 3,500
25% ↑
1998年 2,800
3.7% ↑
1997年 2,700
8% ↑
1996年 2,500
25% ↑
1995年 2,000
17.65% ↑
1994年 1,700
13.33% ↑
1993年 1,500
25% ↑
1992年 1,200 -
1991年 1,200
20% ↑
1990年 1,000
116.92% ↑
1989年 461
105.8% ↑
1988年 224
124% ↑
1987年 100
44.93% ↑
1986年 69
-62.9% ↓
1985年 186
-31.37% ↓
1984年 271
35.5% ↑
1983年 200
100% ↑
1982年 100 -
1981年 100 -
1980年 100
-50% ↓
1979年 200 -
1978年 200
100% ↑
1977年 100
-50% ↓
1976年 200
100% ↑
1975年 100 -
1974年 100
-50% ↓
1973年 200
5.26% ↑
1972年 190
31.03% ↑
1971年 145
-39.83% ↓
1970年 241
63.95% ↑
1969年 147
70.93% ↑
1968年 86
86.96% ↑
1967年 46
43.75% ↑
1966年 32
6.67% ↑
1965年 30 -
1964年 30
20% ↑
1963年 25 -
1962年 25
25% ↑
1961年 20 -

ウガンダのカカオ豆生産量の推移を分析すると、地域の農業開発が生産量に直接影響を与えていることが見て取れます。1960年代は数十トン規模の少量生産にとどまりましたが、1970年から急激に増加し、一時的には200トン規模に到達しました。しかし、1970年代半ばから1980年代後半にかけては150トン未満に減少する年も多く、政治的不安定や地域紛争、農業政策の停滞が生産量の低迷につながった要因として考えられます。この期間、ウガンダ国内は経済も混乱していたため、農作物としてのカカオ豆の重要性が軽視された結果と言えるでしょう。

1990年代以降は大きな転換点でした。1990年の1,000トンを起点に、2000年代初頭には5,000トンを超える規模に成長しました。この背景には、政府主導の農業政策やインフラ整備、国際市場へのアクセス改善が挙げられます。特にカカオ豆はコーヒーと共に、ウガンダの輸出における重要な収益源として認識され始めました。また、国際NGOや輸出先国(例:欧州諸国)との協力により、生産技術の普及や品質向上が進められました。2006年には8,500トン、2007年には10,000トンを越え、その後も成長を続けています。

2010年以降、ウガンダのカカオ豆生産はさらに拡大し、2013年に20,000トンに到達すると、以降は2014年に28,000トン、2015年に32,000トンを記録し、最終的に2022年まで35,000トンの水準で推移しています。この安定的な生産量は成長の成果が固定されつつあることを示しますが、同時にさらなる飛躍にむけて課題も浮かび上がります。

まず、カカオ豆の生産地は特定の地域に集中しており、農家の所得への影響が不均一である点が挙げられます。これにより、地域間での経済的不平等が懸念されます。また、生産効率の向上や輸出市場の多様化も課題として残されています。例えば、気候変動が農業生産に与える影響が今後の不安材料であり、近年では降水量の変化や異常気象が収穫量を脅かす可能性があります。

ウガンダ政府および関連機関には、地域農家への技術支援を広げ、持続可能な農業モデルの普及を加速する必要があります。具体的には、適応力の高いカカオ品種の開発と導入、農業従事者への教育やトレーニングプログラムの拡充が重要です。また、国際協力を促進して、輸出ルートの拡大や取引相手国との品質規格の調整を進めることも求められます。「公平な貿易(フェアトレード)」の枠組みを強化することも、持続可能で収益性の高い農業の推進につながるでしょう。

地政学的背景に目を転じると、ウガンダの隣国で進行する地域紛争や資源争奪が、カカオ豆市場や輸出動線に悪影響を及ぼす可能性も懸念されます。そのため、地域間の外交安定策を講じることが、中長期的には農業活動の持続性を確保する鍵となります。

結論として、ウガンダのカカオ豆生産量は過去数十年で著しい成長を遂げており、国内外での需要を受けて安定した生産を維持しています。しかし、気候変動、地域格差、国際市場への対応力といった課題への取り組みを加速する必要があります。ウガンダが今後も生産大国として発展し続けるためには、政府、農家、国際機関が連携し、地域住民の生活向上と持続可能な農業基盤の構築を共に支えていくことが求められます。