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ウガンダのプランテン・調理用バナナ生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国連食糧農業機関)の最新データによると、ウガンダはプランテン(調理用バナナ)の主要生産国であり、その生産量は2023年時点で11,090,316トンに達しました。生産推移を見ると、1960年代からゆるやかに増加を続けましたが、1970年から1975年にかけて急激な伸びを示し、一時的な低迷期を経た後、近年には再び大幅な増加傾向が見られます。特に2020年には11,756,441トンと過去最大の生産量を記録しました。しかし、時折減少期が存在し、2008年や2016年、2018年などでは顕著に低い数値を示しました。これらの変動は、気候変動や政治的不安定、農業技術の進展など多様な要因によるものと考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 11,090,316
6.22% ↑
2022年 10,440,849
-6.58% ↓
2021年 11,176,675
-4.93% ↓
2020年 11,756,441
25.07% ↑
2019年 9,400,000
172.46% ↑
2018年 3,450,000
-25.97% ↓
2017年 4,660,000
37.23% ↑
2016年 3,395,875
-26.54% ↓
2015年 4,623,000
0.98% ↑
2014年 4,578,000
4.65% ↑
2013年 4,374,563
-2.86% ↓
2012年 4,503,299
-4.17% ↓
2011年 4,699,094
0.1% ↑
2010年 4,694,400
3.81% ↑
2009年 4,522,000
6.93% ↑
2008年 4,229,000
-54.19% ↓
2007年 9,231,000
1.95% ↑
2006年 9,054,000
0.1% ↑
2005年 9,045,000
-6.62% ↓
2004年 9,686,000
-0.14% ↓
2003年 9,700,000
-1.9% ↓
2002年 9,888,000
1.6% ↑
2001年 9,732,000
3.22% ↑
2000年 9,428,000
5.35% ↑
1999年 8,949,000
-3.96% ↓
1998年 9,318,000
0.16% ↑
1997年 9,303,000
1.74% ↑
1996年 9,144,000
1.46% ↑
1995年 9,012,000
6.02% ↑
1994年 8,500,000
3.38% ↑
1993年 8,222,000
5.33% ↑
1992年 7,806,000
-3.39% ↓
1991年 8,080,000
3.03% ↑
1990年 7,842,000
5% ↑
1989年 7,468,715
2.41% ↑
1988年 7,293,000
3.61% ↑
1987年 7,039,000
7.22% ↑
1986年 6,565,000
1.5% ↑
1985年 6,468,000
3.49% ↑
1984年 6,250,000
-3.65% ↓
1983年 6,487,000
-1.65% ↓
1982年 6,596,000
11.8% ↑
1981年 5,900,000
3.53% ↑
1980年 5,699,000
-6.42% ↓
1979年 6,090,000
-31.14% ↓
1978年 8,844,000
3.67% ↑
1977年 8,531,000
4.84% ↑
1976年 8,137,000
-10.64% ↓
1975年 9,106,000
2.56% ↑
1974年 8,879,000
9.27% ↑
1973年 8,126,000
6.44% ↑
1972年 7,634,000
1.02% ↑
1971年 7,557,000
-1.31% ↓
1970年 7,657,000
39.22% ↑
1969年 5,500,000
5.77% ↑
1968年 5,200,000
15.56% ↑
1967年 4,500,000
28.57% ↑
1966年 3,500,000
12.9% ↑
1965年 3,100,000
-31.11% ↓
1964年 4,500,000
4.65% ↑
1963年 4,300,000
10.26% ↑
1962年 3,900,000
5.41% ↑
1961年 3,700,000 -

ウガンダにおけるプランテン(調理用バナナ)の生産量推移は、その農業政策、経済、気候及び社会政治的変化を反映しています。データを見ると、1961年から1970年にかけて生産量がほぼ倍増し、特に1970年には7,657,000トンに達する飛躍的な成長を遂げています。これは農業政策の改善や市場需要の増加が背景にあったと考えられます。しかし、その後は1979年、1980年代には生産量が一時減少し、1979年の6,090,000トンや1980年の5,699,000トンなど、政治的不安定や内戦が農業生産に影響したことを伺わせます。

1990年代に入ると再び成長基調に戻り、2000年代初頭には9,000,000トンを超える数値が記録されました。この時期は技術の導入や輸送インフラの整備により、国内外の市場へアクセスが拡大したことがこの成長を支えた要因の一つと考えられます。しかし、2008年以降には再び生産量が急落し、4,229,000トンと顕著な低下が見られました。これは、当時の気候変動の影響や作物病害の影響が大きかったとみられます。

注目すべきは、2020年において11,756,441トンと過去最高の生産量を記録した点です。これは、特に2020年以降、ウガンダ政府や農業機関が実施した灌漑システムの導入や伝統農法の見直し、そして作物病害に対する積極的な対策が成果を上げたことが影響していると考えられます。しかしながら、その後もやや減少傾向が続き、2023年には11,090,316トンとやや低下しました。

これらの生産量の推移には地域課題や地政学的背景が大いに影響しています。ウガンダの農業は依然として自然環境への依存度が高く、気候変動に敏感に反応します。2008年や2016年、2018年などは、天候不順や異常気象が強く影響した年であると推察されます。また、ウガンダは土地所有権の不明確化や農業技術の不足といった構造的問題も抱えています。これらは生産の安定性を損なう要因にもなっています。

将来的な課題として、まず気候適応型農業の推進が挙げられます。例えば、耐旱性に優れたプランテン品種の開発や、灌漑施設のさらなる普及が必要です。また、小規模農家の生産量向上を目指して技術支援や教育プログラムの展開も重要です。この目的には国際協力が不可欠であり、他国や国連機関との共同プロジェクトを通じてより持続可能な農業体制を構築することが求められます。

同時に、国内インフラの強化や輸送路の改善も収穫物の効率的な流通には欠かせません。さらに、災害や疫病などのリスクに備えるため、適切な保険制度の導入や金融支援も課題となります。地域衝突や政治的リスクに対応する平和構築の取り組みも、長期的な農業安定化に寄与するでしょう。

結論として、ウガンダのプランテン生産は過去数十年にわたりさまざまな変動を見せてきましたが、その基盤には大きな可能性が秘められています。適切な政策と国際協力のもとで、これらの課題を克服することで、ウガンダはより安定的かつ成長的な農産業分野でのリーダー国となる可能性が期待されます。