Skip to main content

ウガンダの落花生生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が最新の更新データを公表しました。それによると、2023年のウガンダの落花生生産量は140,000トンで、前年の120,000トンから増加を示しています。ただし、過去のピークである2011年の327,000トンと比べると依然として大幅に低い水準にあります。1960年代から安定して増加してきたウガンダの落花生生産量は、1970年代にピークを迎えた後、1979年の80,000トンまで急激に落ち込み、その後も不安定な上昇と下降を繰り返しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 140,000
16.67% ↑
2022年 120,000
-52.36% ↓
2021年 251,877
37.64% ↑
2020年 183,000
37.59% ↑
2019年 133,000
-31.17% ↓
2018年 193,236
-34.84% ↓
2017年 296,578
7.91% ↑
2016年 274,844
-7.11% ↓
2015年 295,897
0.1% ↑
2014年 295,601
0.1% ↑
2013年 295,306
0.1% ↑
2012年 295,000
-9.79% ↓
2011年 327,000
18.58% ↑
2010年 275,767
6.9% ↑
2009年 257,967
12.34% ↑
2008年 229,636
-2.28% ↓
2007年 235,000
2.17% ↑
2006年 230,000
2.22% ↑
2005年 225,000
1.81% ↑
2004年 221,000
0.45% ↑
2003年 220,000
48.65% ↑
2002年 148,000
1.37% ↑
2001年 146,000
5.04% ↑
2000年 139,000
1.46% ↑
1999年 137,000
-2.14% ↓
1998年 140,000
4.48% ↑
1997年 134,000
7.2% ↑
1996年 125,000
-13.19% ↓
1995年 144,000
1.41% ↑
1994年 142,000
-7.19% ↓
1993年 153,000
4.08% ↑
1992年 147,000
2.08% ↑
1991年 144,000
-8.86% ↓
1990年 158,000
8.35% ↑
1989年 145,823
8.82% ↑
1988年 134,000
9.84% ↑
1987年 122,000
3.39% ↑
1986年 118,000
26.88% ↑
1985年 93,000
-8.82% ↓
1984年 102,000
3.03% ↑
1983年 99,000
10% ↑
1982年 90,000 -
1981年 90,000
28.57% ↑
1980年 70,000
-12.5% ↓
1979年 80,000
-57.26% ↓
1978年 187,200
-2.8% ↓
1977年 192,600
8.88% ↑
1976年 176,900
-9% ↓
1975年 194,400
-2.65% ↓
1974年 199,700
-5.89% ↓
1973年 212,200
-9.28% ↓
1972年 233,900
-6.81% ↓
1971年 251,000
2.87% ↑
1970年 244,000
16.19% ↑
1969年 210,000
19.32% ↑
1968年 176,000
7.98% ↑
1967年 163,000
8.67% ↑
1966年 150,000
15.38% ↑
1965年 130,000
1.56% ↑
1964年 128,000
-2.29% ↓
1963年 131,000
2.34% ↑
1962年 128,000
6.67% ↑
1961年 120,000 -

ウガンダにおける落花生の生産量は、同国の農業における重要な指標として長年注目されています。落花生は多くの地域の農家にとって主要な収入源であるとともに、国内の食料安全保障や栄養価向上においても欠かせない作物です。1960年代には比較的安定した生産量(年間120,000トン程度)を維持していましたが、1969年から1971年にかけて急速な生産量の増加が見られ、1971年には251,000トンを記録しました。この時期は農業インフラの発展と生育技術の改善が一因と考えられています。

しかし、1970年代後半から1980年代初頭にかけて、ウガンダの落花生生産量は劇的に縮小しました。この間には、紛争や政治的混乱といった地政学的リスクが同国に深刻な影響を及ぼしました。1979年には生産量が歴史的な低水準である80,000トンにまで落ち込んでおり、国内外の経済的な混乱が農業生産に与える影響の深刻さが浮き彫りとなっています。

1980年代後半以降は緩やかに回復を見せ、1990年代には再び150,000トンを上回る水準に到達しました。それでも持続的な成長とは言い難く、1990年代半ば以降には乱高下する生産量が続きました。この不安定性の原因としては、気候変動の影響や農業技術の導入が不均一であること、インフラ整備の停滞などが挙げられます。

2003年以降、ウガンダの落花生生産量は再び顕著な増加傾向を示し、2011年には327,000トンのピークを迎えました。この記録的な生産量には、気候条件の安定、地域農業政策の成功、国外市場の需要増加が関与していると言えます。しかし、その後の生産量は大きく減少し、とりわけ2018年以降は深刻な低迷状態にあります。例えば、2018年から2019年にかけては193,236トンから133,000トンへと急激な減少が見られました。ここには、新型コロナウイルス感染症の拡大が生産と流通を妨げた影響が含まれると考えられます。

現在の水準である140,000トンは、約60年前の1961年(120,000トン)の生産量とほぼ同じレベルにまで戻っています。この現状は、ウガンダ農業セクターの進展が停滞していることを示唆しており、将来的な展望のためにも具体的な対策が必要です。

課題としては、気候変動が農業生産に与える影響が非常に大きく、降雨の不安定性や干ばつが特に問題視されています。また、国内での農地管理技術や肥料の利用も不十分なまま放置されているケースが多いことが指摘されています。さらに、国内の輸送インフラ整備が遅れているため、生産地から市場への物流がスムーズに行えない状態も、収益悪化に繋がっています。

これらの課題に対応するためには、大規模な国家レベルの農業政策の改定だけではなく、地域コミュニティが主体となる持続可能な取り組みが欠かせません。具体的には、気候変動への適応を考慮した栽培技術の普及や灌漑設備の導入、農業教育プログラムの拡大、そして地域ごとの協力による生産効率の向上が挙げられます。また、輸送インフラの整備を進め、中小農家が市場アクセスを確保できるよう支援することも重要です。

さらに、国際的な協力も鍵となるでしょう。ウガンダの農業を支援するためのODA(政府開発援助)や、地域をまたぐ農業技術の共有を促進する国際機関の支援が期待されています。地政学的なリスクにより、国内経済や農業が大きな影響を受ける可能性を減少させるためにも、政府間協力を強化し、持続的開発目標(SDGs)における「飢餓をゼロに」の達成に向けた包括的支援が求められます。

結論として、ウガンダの落花生生産量の現状は多くの課題を抱えていますが、将来的な成長の潜在力を秘めています。今後は、農業の構造改善と国際的な協力が進むことで、この領域における安定的な発展が期待されます。

キーワード検索
楽天おすすめ